コンセプトに忠実な作品。
コンセプトに忠実なロープライス作品で、公式HPの「おねショタ」についてのコンセプトやサンプルCGを見た上で購入意欲が沸いたのなら後悔しない内容になっている。
ヒロインたちは異世界から婿探しにやってきたという設定だが、ストーリー的には異世界要素は非常に薄く、異世界らしさはヒロインのビジュアル面以外では殆ど感じることはなかった。
一応はアリアもルルも自分たちの一族の独特の価値観についてなどは教えてくれるのだが、それによって強く異世界感が出ていたかというと微妙だった。
地球では目立ってしまう獣耳とか尻尾などは魔法で誤魔化せるというご都合主義な設定だし、異世界に帰らなければならなくなるような展開もなく、終始イチャイチャしているだけのストーリーとなっている。
ヒロインのルート分岐も簡潔で、短い共通ルート終了後に見たいヒロインのルートを選択するだけのものとなっている。
どちらかというと抜きゲーよりの作品ではあるが、初めてのエッチ(処女喪失)までの過程は丁寧に描かれていると感じた。
起承転結が殆ど存在しないためフルプライス作品のボリュームなら退屈な内容となってしまうところだが、ロープライス作品のためこれといったイベントがなくても飽きずに最後までプレイできた。
主人公視点の短めの共通シナリオが終わって個別ルートに入った後はヒロイン視点に切り替わるというのも面白い試みで、特にショタの主人公というのは感情移入が難しいので、プレイヤーの価値観に近いヒロイン視点にしたのはよかったと思う。
そのため、プレイしている感覚としては主人公の視点を通してプレイするADVゲームというよりも、第三者視点で読み進めるエロ漫画を読んでいる感覚に近かった。
主人公は本当に見た目相応の精神をしており、精通もまだだし性的なことに関する知識も殆どないが、その純粋さはプレイしているこちらも微笑ましくなるものだった。
子供とはいえワガママでヒロインを困らせるようなこともなくむしろ気遣いもできるし、エッチの気持ちよさを覚えた後も変にサカったりしない点も素晴らしかった。
ヒロインたちもそれぞれ形は異なるものの、主人公の可愛さにキュンとなりながら優しく甘やかしてくれるおねショタの教科書のようなキャラクターだった。
本作のボリュームはCGが25枚、エッチシーンが16回となっていて、エッチシーンの内訳は各ヒロイン7回、3Pが2回となっている。
グラフィックのクオリティは素晴らしいの一言で、安定していたし塗りも素晴らしく、CG目当てで買ったことを後悔しないものだった。
ヒロインの造形も単に巨乳なだけでなく、全体的にムチムチしているのも個人的な好みにマッチしていた。
服装の種類が多いのも嬉しい点で、公式HPで紹介されいる服装以外にも普段着扱いの童貞を殺すセーター(ルル)やノースリーブのセーター(アリア)と露出の高いものや、学生服(アリア)、スーツ+眼鏡(ルル)等、種類が多いだけでなく立ち絵まであったのは凄くよかったが、作品のボリュームに対して服装が多すぎたためか、一瞬しか登場しない服装もいくつかあった。
エッチシーンの卑語修正は存在するには存在するが、気づかないレベルに短いピー音で気にならなかったし、モザイクも非常に小さかったので修正に関しては不満は全くなかった。
ヒロインには陰毛が生えているのだが、陰毛には勿論モザイクがかからないようになっている。
エッチシーンの尺は少し短いと感じるものが多かったが、いくつかあるCGを2枚使ったシーンは丁度良い長さだと感じた。
公式HPにも「短いながらハーレムエンドを搭載しています」と書かれている通りハーレムエンドも存在するのだが、少し長めの尺のエッチシーンが1回あるだけの本当に短いものだった。
アリアはエルフということで耳が性感帯、ルルは獣人族ということで匂いで発情したりと亜人っぽさを感じる設定もあったのだが、残念ながら本作が短いため、その設定が活かされるシーンは非常に少なかった。
アリアが陥没乳首なのは個人的にエロいと感じた部分で、エッチシーンの進行に合わせて陥没状態から勃起状態に変化するのもエロかった。
エッチシーンもヒロイン視点で進むことや、肉体的にも技術的にも未成熟なショタが相手なこともあり、精神的に上り詰めていく様子が他作品よりも丁寧に描写されていた。
おねショタ作品だからか女性が能動的に動く奉仕系のエッチが多いとプレイ中は感じていたのだが、クリア後に回想シーンで見返してみるとそうでもなく、女性側が能動的に動くプレイと、男性側が能動的に動くプレイは半々くらいだった。
しかし、男性が能動的に動くようなエッチでもヒロインが手ほどきしながらということが多かったので、プレイ内容問わずおねショタ感はしっかりと出ていた。
ストーリー同様にエッチにもファンタジー要素は殆ど絡んでこないのだが、魔法で主人公を強化して駅弁スタイルでセックスをするというシュールな絵面のシーンは唯一ファンタジー要素が出ているシーンだった。
エロさには直結しない要素だが、ピロートークのイチャイチャ感や甘さは素晴らしいもので、専用のCGもしっかりと用意されていたのもよかった。
コンフィグやシステム面はフルプライス作品と同等のもので、大きく不満に感じる部分はなかった。
ウィンドウサイズも自由に変更することができるし、デフォルト状態ではフルスクリーン時にWindows側のディスプレイ解像度が変更されてしまう仕様になっているが、インストールフォルダ内にあるエンジン設定のアプリからディスプレイ解像度を変更しないように変更することができる。
唯一の不満点は白色の文字に若草色のテキストウィンドウという組み合わせが若干読みづらい点で、デフォルトではオフになっている「文字に縁をつける」設定をONにするといくらか読みやすくなったが、できれば文字色かテキストウィンドウの色を変更できるようにしてほしかった。