しおんの魅力が十分に発揮されていた。
ゲーム単体だけでなく抱き枕とのセット販売形式もある点や、ゲーム単体の値段がロープライス作品の中でも最も安い価格帯に属していることから、抱き枕のオマケレベルのものだと思って期待していなかったのだが、予想よりもしっかりとした内容だった。
本編から二年が経過しているが、しおんはまだ学園生なことに対し、主人公は卒業し社会人となってしまっているため、二人のプチ遠距離恋愛を描いた内容となっている。
とはいえ、電車一本の距離(多分)なので平日は直接会えずとも週末にはしおんが主人公の部屋に通っているため、遠距離恋愛と表現するのは大げさかもしれない。
本編は独特の架空近未来の世界観が特徴だったが、SSの本作では刃道などの世界観は全くと言っていいほど関係がなく、ひたすら二人のイチャイチャを描いている。
本編はストーリーに重きを置いていたためにイチャラブが少なめだったので、その少なかったイチャラブ成分を補うことができた。
また、本編での初デートのことを回想しながらデートする場面もあるため、本編をプレイしてから時間が経過しているプレイヤーはゲーム内の二人と同様に懐かしい気持ちになれるかもしれない。
公式HPでしおんのキャラ紹介を見てみると、恋愛傾向(?)が「世話焼き」と書かれているのだが、通い妻状態となったしおんは料理を作って主人公の帰りを待っていたり、帰り際に作り置きをしたりとまさに世話焼き女房のようで、本編では発揮しきれていなかったしおんのキャラクター性が発揮されていたと思う。
プチ遠距離恋愛も魅力的に描写できており、会えない平日にも何気なく相手のことを思い出して考えたり、寝る前には電話をしたりと相手と直接会えないからこそのやり取りから二人の想いの強さを感じることができた。
価格から考えると仕方のないことなのだが、しおん以外のヒロインは本作に登場しないのは残念な点で、しおんの同級生のフリージアは登場するのではないかと少し期待していたのだが、主人公としおんの会話で名前が出ることは何度かあったが直接登場することはなかった。
本編でのしおんとフリージアのコンビが好きだったので登場しないのは残念だったが、しおんを慕う後輩や主人公のことを気に掛ける職場の先輩などのモブキャラは音声付で登場し、二人が学園や職場での生活が順調に送っていることを知ることができたのはよかった。
本作のボリュームはCGが10枚、Hシーンが4回となっており、価格から考えると満足できるボリュームとなっている。
グラフィックのクオリティは本編の素晴らしかった部分はそのままに、やや不安定な部分もあった原画の安定度も増していたため満足度の高いものだった。
エッチの内容は普通の恋人同士のエッチの他にメイドのコスプレ、首輪、手枷、足枷を付けてローター&電マ攻めというマニアックなものまで収録されている。
セット販売の抱き枕カバーがメイド服なことや、公式HPでのキャラ紹介でもなぜかメイド服を着ていた割にはメイド服のエッチシーンはCG1枚だけというのはやや残念だったが、それ以外は満足のクオリティだった。
エッチの最中のしおんの表情が歯を食いしばったり目を見開きながら涎や涙を流している表情が多く、絵面だけ見ると凌辱されているようにも見えたので、その辺りは若干好みが分かれるかもしれないと感じたが、自分としてはエロくて好みだった。
非常にどうでもいいことなのだが、電マの先端にコケシのような顔が描かれていたのが気になってしまいエッチに集中できなかったので、できれば普通の電マにしてほしかった。
コンフィグ・システム面は直近の作品である「白刃きらめく恋しらべ」と同等のものとなっており、細かい部分は本編よりも改善されており快適にプレイすることができた。