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Predawnvagabondさんの少女ドミナンス -独占欲の強すぎる愛娘 玲奈-の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
少女ドミナンス -独占欲の強すぎる愛娘 玲奈-
ブランド
monoceros+黒
得点
68
参照数
410

一言コメント

ヒロインや雰囲気はよかったのだが、短すぎるのが残念だった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

背徳感のある近親相姦を期待していたのだが、低価格過ぎたためかエッチシーン以外は殆ど描かれておらず、色々と物足りなかった。
ダウンロード版が同時に発売される抱き枕カバーの約1割程度の値段なことを考えると、抱き枕に付属する添い寝音声CDのようなオマケの延長線上と考えた方がいいのかもしれない。
とはいえ、最初に肉体関係を持つまでの過程は短いながらも娘が想いを爆発させるシーンやそれに戸惑う主人公など、お約束の流れは用意されており雰囲気も悪くなかった。
ただ、一度肉体関係を持ってしまった後は日常のシーンが皆無となってしまい、ひたすらにエッチシーンが続くだけの味気ないものとなってしまっていた。
顕著なのは最初に肉体関係(挿入はなし)を持ってから、次の処女喪失のエッチシーンまでの時間経過がスキップされることで、2回目のエッチシーンの時点である程度性感が開発されてしまっており、プレイヤーはその過程を見ることができないのは残念だった。
抜きゲーとはいえ禁断の愛や背徳感をを描くのならば日常シーンでヒロインが娘であることを強調したり、エッチシーンへの導入などの描写も必須だと思うので、もう少し価格帯を上げて予算に余裕を持たせた方がよかったのではないかと思う。
ブランドは異なるがシナリオライターのShow-ziii氏の他作品同様に処女独占という部分は徹底しており、ヒロインはミッション系の女子校に通っており、主人公以外の男性は徹底して登場しないようになっている。
ヒロインのキャラクター性は素晴らしいもので、見た目、性格ともに大和撫子というのが相応しく、それ故に軽い気持ちではなく深く主人公のことを愛しているということが実感できた。
また、亡くなった母親相手に嫉妬して、主人公相手に母親と自分のどちらが気持ちいいかと尋ねる場面は娘の情の深さと独占欲が強く感じることができるもので、まさにドミナンスというタイトルに相応しいヒロインだった。

本作の面白い点はヒロインの主人公への呼びかけを「お父さん」と「パパ」の二つから選択可能な点で、いつでも変更することができるようになっている。
どういう仕組みで切り替えているのかは不明だが、どちらの音声にも不自然に合成したような感じはなかった。
自分としてはしっかり者の娘には「お父さん」呼びの方が相応しく感じたので「お父さん」呼びで通したが、逆に娘にはパパと呼ばれたいと思っている人だっているだろうし、プレイヤーが自由に選べるというのはありがたい機能だと思う。
主人公の名前は変更可能だが、ヒロインからの呼びかけは「お父さん」か「パパ」のため違和感は基本的になかったが、一度だけ恋人プレイとして主人公が娘に名前を呼ばせる場面があり、そこだけは不自然な空白ができていたため違和感があった。
もう一つの特徴として、立ち絵とイベント絵の両方で好きなタイミングで眼鏡をオン・オフできる機能が挙げられる。
個人的には家でリラックスしている時は眼鏡、外行き用の時はコンタクトみたいな脳内設定を作りながら切り替えて楽しむことができたので、面白い機能だと感じた。
ただ、眼鏡がフレームレスタイプの主張の少ないものだったので、どうせオン・オフ可能ならば、ヒロインのキャラクター性を損なわない範囲でもうちょっと主張のある眼鏡でもよかったのではないかとも思った。

本作のボリュームはCGが10枚、Hシーンも10回となっており、価格相応と言えるものにはなっている。
グラフィックに関しては原画、塗り共に不クオリティの高いもので、黒髪長髪のキャラデザが自分の好みなこともあって満足度は高かった。
個人的に残念だった点としては、物語の殆どが家の中での話なのにヒロインの服装が学園の制服な点で、せめて私服と制服の両方を用意するなりしてほしかった。
エッチシーンはBGVも用意されており、卑語修正なしなのはよかったが、男性器にかかるモザイクの面積が大きめ(女性器はそうでもなかった)で、フェラチオのようなシーンでは邪魔に感じた。
シーン内容はプレイ自体には特筆すべきものはないが、ボリュームが少ないことを考えると変に凝ったプレイは入れない方が無難だと思う。
また、父娘の近親相姦ということで、背徳感のあるシチュエーションを期待していたのだが、上述の通り、本作では会話シーンも殆ど存在しないため、あまり背徳感を感じることができなかった。
本作のコンフィグ、システム面は設定項目はロープライス作品としては不満のないものだったが、ウィンドウサイズを自由に変更できない点や、マルチモニターに対応しておらず、サブモニターにフォーカスが移ると勝手に最小化する点など、フルプライス基準では不満になる部分もあった。