駆け足気味だが芙慈子との1メートルの生活が味わえたのがよかった。
コンプリート版に付いてくるミニエピソードのためシナリオボリューム自体は少ないが、本編同様にヒロインである芙慈子との1メートル圏内での同居生活が描かれている。
加えて、本編のヒロイン3人だけでなくサブキャラやモブキャラもしっかりと登場するため、ミニエピソードの割にはかなり気合の入った作り込みだった。
本編の同居生活のダイジェスト版とでも表現すればいいのか、二人の日常シーンに加え、スターズたちが遊びにきたり、みんなで合宿したり、更には告白を保留された状態のぎこちない雰囲気での生活など、本編に存在したイベントは大体用意されていたのだが、そのどれもが駆け足気味だった。
また、芙慈子が魔法少女を引退しており、更には魔神サブナクは主人公のあずかり知らぬところで討伐された後なので、戦闘は最初の騒動に巻き込まれる場面以外は存在しない。
本編では生徒想いな包容力のあるお姉さんで、頼りになるが時々ドジを踏むというイメージだったが、同居生活を経ても芙慈子のイメージは本編からは特に大きく変わらなかった。
お酒好きだが強くはなく、酔っぱらうとスキンシップが激しくなるなどの新たな一面も垣間見ることはできるが、いずれにしろ芙慈子の既存の印象を補完するようなイベントだった。
ミニエピソードであることに加え、攻略できなかったサブキャラのシナリオというファンサービス要素の強い内容であることを考えると、芙慈子の意外性を描くよりもこちらの方が正解だったと思う。
本作のボリュームはCGが5枚、エッチが3回となっており、ミニエピソードということを考えると妥当なボリュームだった。
グラフィックのクオリティは本編に準拠するもので満足度は高かった。
残念だった点を挙げるとすると、変身状態での立ち絵が存在しないことで、魔法少女の衣装としてはシリーズ中で一番露出の激しいものだったので全体像を見てみたかった。
エッチの内容自体はオーソドックスなものだったが、芙慈子の魔法少女時代の衣装でのプレイがあるのが素晴らしかった。
総じて、コンプリート版の特典要素として考えると満足度の高いもので、本編中で登場頻度が高く、幾度となく主人公を助けてくれた(そしてラッキースケベを引き起こしてくれた)芙慈子の存在感は大きかったので、その芙慈子を攻略できるのは嬉しかった。
芙慈子編専用というかALLSTARS版の専用のOPムービーと曲があるのも素晴らしい点で、単に3作をお得な価格で購入できるだけでなく、ミニエピソードや専用のムービーまで用意されたメーカー側の意気込みが感じられる構成だった。