ドット絵の同人作品だからこその世界観とエロスがよかった。
クトゥルフ系の世界観の非常にシンプルな横スクロールアクションで、操作自体は左右の移動以外はジャンプ、しゃがみ、剣、弓の3つだけなので15秒くらいで操作は覚えられてしまう。
弓の操作感覚だけは少し慣れが必要で、射出角度を調整する必要があることに加え矢は放物線を描くため、小さな的に当てるのは難しく即応性も低かったが、ボスを含む大型の敵には非常に有効だった。
難易度は丁度良いと感じるもので、それなりに死ぬものの、チェックポイントが小まめにあるためリトライが苦にならず、大きく行き詰ることはなかった。
雑魚相手に苦戦することはなかったのだが、ボス戦はそれなりの回数は死ぬ強さで、何度か死を繰り返す内にパターンやタイミングを覚え、徐々に善戦できるようになっていき、最後には勝利するというアクションゲーム定番のカタルシスを味わうことができるものだった。
プレイ時間はエンディングまで2~3時間程度なことに加え、リプレイ性もそこまで高くはないため、単純なプレイ時間だけで考えるなら横スクロールアクション部分も面白かったとはいえ、価格に見合ったボリュームはないと言える。
しかしながら、丁寧に作り上げられたドット絵はオンリーワンの魅力と言うことができるもので、ヒロインだけでなくグロテスクなモンスターやおどろおどろしいフィールドのクオリティは素晴らしかった。
クトゥルフとドット絵という組み合わせも素晴らしい点で、最新の3Dでグロテスクなモンスターなどのクトゥルフの世界観を描写するとエグくなりすぎると自分は感じてしまうので、ドット絵によるちょっとボカした表現が世界観やエロ・グロを楽しむ上で丁度よかった。
本作にストーリー性は皆無で、日本語だけでなく英語や中国語、台湾語に対応していると書かれているが、主人公は一言も喋らないし、文字を読む機会もコンフィグとマップ画面のステージ名くらいで、コンフィグ画面も英語なので、全く読めない中国語や台湾語でも問題なくプレイできたように思った。
ストーリーや背景設定については台詞や文章が存在しないため、ラビアンという名前以外の情報が提示されないシスターが戦う動機もプレイヤーには不明だし、巨大化した蜘蛛やナメクジ、異形と化した人間共の正体や目的も不明で考察材料になるようなものもないため、個々人で想像するしかないのである。
普通なら手抜きと言いたくなってしまうのだが、本作のプレイ時間が短いことや、想像する余地の多いドット絵であること、そもそも理解することが困難なクトゥルフ的な世界観であることが相まって、文字による情報がないことによって逆に世界観に没入することができた。
ちなみに、制作したサークルのブログでは本作の設定についても触れられているため、もし興味があるのならばある程度知ることも可能となっている。
本作のエロやグロは画面の左側に表示されている立ち絵と、ドット絵のアニメーションによるものが主となっている。
ほぼ全ての敗北に立ち絵とドット絵のアニメーションが用意されており、テキスト無しでも敗北したシスターが何をされているかがしっかりと理解できるし、アニメーションに合わせた音声もあるためしっかりとエロかった。
敗北による凌辱にはエロいものからグロイもの(リョナ)まで様々だったが、それぞれのシーンは短いため、リョナが苦手ならともかく、別にリョナの趣味はないという人はスルーしてしまえる程度だった。
登場する凌辱者は人型(元人間)、蜘蛛、ナメクジが多かったが、スライムや植物、人外のクトゥルフ的な化け物も登場した。
傾向としては捕食や繁殖のための苗床化、人型による凌辱、真っ二つにされたり、首つりされたりのリョナなどが多かったが、敗北時のシチュエーションは簡単にはジャンル分けできない程に豊富だった。
基本的には「敗北=ゲームオーバー」で、直接的に死亡が描かれるか、遠からぬ内に死んでしまったり化け物と同化するのだろうという予想ができるシーンが描かれるのだが、一部の人型の敵に敗北した場合、捕らえられて凌辱→逃げ出すという展開になる。
逃げ出した後に再度捕らえられてしまうとまた凌辱されてしまうのだが、その場合は更に激しく凌辱されてしまう。
何度か捕まるうちにゲームオーバーになってしまうのだが、どんどん凌辱が激しくなっていく展開は凄く好みだった。
ヒロインの見た目も素晴らしい点で、清楚で儚げな雰囲気と巨乳に露出が多めのフェティッシュなシスター服という組み合わせは最高だった。
台詞は発しないながらも演技も素晴らしく、陵辱されている時に悲鳴を上げたり叫んだりすることはなく、控えめな喘ぎ声やうめき声しか発しないのは、戦闘能力があるとはいえシスターが単独でモンスター退治に挑むことに対する決意や悲壮感が出ていた。
また、生理的に声を制御できない死亡時や口から寄生生物がコンニチワしたりするシーンでは大きめの悲鳴(断末魔?)を発するのだが、そちらはそちらでシスターの身に取り返しのつかないことが起きたということが強く実感できるエグさがあった。