心身共に完全なギャルというわけではなく、兄のために頑張ってイメチェンしたというのがよかった。
正直なことを言うと、自分はギャル全般はストライクゾーン外で好き嫌いすらなかったのだが、本作のヒロインはかなり好みだった。
というのも、大好きな兄が黒ギャルフェチということを知ったがために一念発起して喪女からギャルにイメチェンしたため、心底黒ギャルというわけではなく、ギャルっぽい言動は兄に対してだけで、他の人間に対しては常識的だからである。
また、好きな相手のために頑張ってイメチェンをするというのも好感が持てる点だった。
自分の好みにあわせてイメチェンして、しかもパソコンの中のエロ動画コレクションも全て把握されていて、エッチの内容も自分の性癖にあわせてくれるため、主人公にしてみればパーフェクトな女性ということになるので、妹とはいえ関係をもってしまうのは仕方ないと言えるだろう。
ギャルといえばエッチなことに貪欲というステレオタイプを自分は持っているのだが、本作のヒロインは好きな相手とエッチしているというのも大きいだろうが、エッチを楽しそうにしているため、ギャルヒロインとしての魅力が感じられた。
ちなみに、妹としての魅力も杏奈は持っており、普段の気安い二人のやり取りは”普通”の兄妹みたいで、急に喪女から黒ギャルへと変わってしまったとはいえ、変わらず兄妹であるということが実感できた。
ただ、近親相姦の背徳感は皆無に近く、また、お互いが兄妹であるということを強く意識させるような展開やギミックはなかったので、ブランド過去作や別ブランドのshow-ziii氏がライターを担当した作品と比べると背徳感は薄いと感じた。
主人公の名前は変更可能だが、ヒロインが妹のため、主人公への二人称呼び違和感を感じる場面は全くなかった。
本作は性癖は別にしてスペックの高い主人公、モブキャラ含めて全く登場しない男キャラ、フェチ要素などCrossoverの他作品と似たような作風となっている。
ただ、過去作は主人公がヒロインを独占という形だったのに対し、本作の場合はヒロインからの逆独占を謳っているだけあり、エリートのスポーツ特待生でモテモテの主人公に対してヒロインが嫉妬しておしおきっぽいエッチをしたり、重度のシスコンという噂を流して他の女を牽制するため、ヒロインの主人公に対する想いを感じることができてよかった。
本作にはストーリーらしいストーリーは存在せず、昼の日常シーンと夜の逆調教シーンを繰り返すシンプルな構成となっているが、日常の会話シーンとエッチシーンの導入が繋がっているのは丁寧に作られていると感じた。
本作のボリュームはCG枚数が25枚、Hシーンが9回+逆調教となっている。
逆調教は3段階で構成されており、それぞれ1段階目で6項目、2段階目で8項目、3段階目で9項目となっている。
ツリー調教形式風ではあるが、複数のメニュー(前戯、本番、後戯)を選択して繋ぎ合わせるわけではなく、エッチの内容を単発で選ぶ形式だった。
シーン数を数えられる形式ではないため、ボリュームを計るのは難しいが、体感的には値段相応のボリュームだと感じた。
逆調教はプレイヤー側がエッチの内容を選択する形式であるのは調教ゲームと同じだが、あくまでも主人公がヒロインにお願いするという体になっている。
そのため、エッチの内容もヒロインが主導するソフトM向けの内容だったが、マゾの素質がないと楽しめないというわけではなく、ちょっと意地悪なご奉仕といった程度のものだった。
通常の調教モノの場合、レベルが上がるにつれてヒロインが快楽に従順になっていくが、逆調教の本作の場合、最初は倫理観からエッチに抵抗があった主人公が、レベルが上がるにつれて徐々に関係を受け入れるようになっていき、ラブラブな雰囲気が強くなっていく変化だった。
公式HPのセールスポイントに書かれている「濃厚なフェラシーンを多数導入」の謳い文句に嘘はなく、フェラシーンが充実しているのも本作の素晴らしい点だった。
例えば、逆調教メニュー9項目のうち3項目がフェラに関するもので、フェラありのパイズリ、玉袋やお尻も含めて攻めるフェラ、純粋に竿のみを奉仕するチュパ音特化のフェラが用意されていたりと、数もバリエーションも豊富だった。
また、逆調教の導入部にもフェラチオシーンがあり、CGこそ使い回しだが、テキストは使い回しではなく、射精までしっかりと描写されるものだった。
ギャルヒロインとフェラチオという組み合わせも素晴らしく、フェラチオは基本的に男が受け身になるため、能動的に、そして楽しそうにエッチなことをするギャルヒロインというのがマッチしていた。
コンセプトに忠実でクオリティも高く、逆調教というシチュエーションも凄くよかったのだが、一つだけ残念だったのは地の文章で、何故か主人公はエッチの最中についどうでもいいことを考えてしまったり、ダジャレを考えたりすることがあり、たまにプレイしていてイラっとすることがあった。
確かに自分自身もHシーンを見ている時に、ついどうでもいいことを考えてしまうことはよくあるが、だからと言ってゲーム中の主人公にそれはいらないだろうと思った。
グラフィックはCrossoverの過去作同様に肉感のある原画はいつも通りで、湯気や吐息のアニメーションとの相性もよかった。
モザイクの面積は標準かやや小さめくらいだが、モザイクのかけ方は丁寧だった。
本作独自の魅力だと感じたのはヒロインの表情で、妖しいというか妖艶な雰囲気のCGが多くてよかった。
本作のコンフィグ項目やシステム周りは充実しており、快適にプレイすることができた。
次のテキストに音声がある場合は告知するアイコンが表示されるし、射精カウントダウン機能が搭載されていたのも便利だった。
射精箇所を事前に選択できるのもありがたい機能だったが、エンディング分岐に関係する選択肢も表示されない点にだけは注意が必要で、杏奈とのデートイベントのエッチの射精箇所でエンディングが分岐するので、デートイベントのエッチ前(射精前)にセーブデータを作っておくと簡単に両方のエンディングを見ることができる。
射精シーンをループさせるヌキヌキループシステムなるものも搭載されているが、本当に射精前後のテキストやセリフを繰り返すだけのもので実用性は低かった。