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Predawnvagabondさんの家神女房 -イエガミニョウボウ- ~恋する因幡は金髪うさぎ~の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
家神女房 -イエガミニョウボウ- ~恋する因幡は金髪うさぎ~
ブランド
Casket
得点
70
参照数
204

一言コメント

前作と比べるとストーリーが薄くなったのが残念。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

抜きゲー寄りの低価格作品のため、シナリオはあっさり気味で、公式HPでは同棲から結婚までを前半、結婚生活を後半と書いているが、会話シーンがメインの前半パートは短かった。
前作までは結婚までの過程も比較的丁寧に描写されていたのだが、本作では良くも悪くも挿入ありのHシーンまでの距離が短く、そのため、過去作と比べた場合、挿入ありのHシーンが多めになっていた。
個人的には互いを異性として意識しつつも、結婚しているわけでもく、恋人とも言えない微妙な関係の一線を超えないエッチが好きだったので、今回の変更は残念だった。
また、結婚までのストーリーが短く、結婚後は終盤の盛り上がりを除けばエッチしているだけのため、縁結びの神様という設定や、家神という設定があまり活かせていないのも残念な点だった。
過去作と比較した場合、Hシーンの比重を結婚後に置いたのは好みの問題なため置いておくとしても、Hシーンが増量したわけでもないのにシナリオが減ったのはマイナスポイントだった。
しかし、主人公とヒロインは幼き日に結婚等の約束をしており、主人公やヒロインが約束を思い出せばゴールインだった過去二作と異なり、本作ヒロインと主人公の恋が禁断の恋となってしまう設定のため、恋愛モノとしての物語性は高いと感じた。

本作も過去作同様に主人公の名前を自由に変更できるため、音声とテキストとの整合性を取るためにヒロインは主人公のことを二人称で呼ぶ。
主人公の名前を可変式にした場合、大抵の作品では不自然にならないように二人称の使い方を工夫しているのだが、本作の場合は「主人公クン」という非常に特徴的なものとなっている。
結婚後は「ダーリン」に変化するとはいえ、いずれにせよ半端ではなく不自然な二人称だったのだが、物珍しさもあってこれはこれで面白いと感じた。

本作のボリュームはCGが20枚、Hシーンが13回となっており、CGとHシーンは過去作と同等のボリュームとなっている。
詳しい内容は公式HPに収録エッチシーン一覧があるため省略するが、ヒロインは神様なのに神通力を使った非現実的なシチュエーションがないのは残念だった。
公式HPに書かれていない部分の特徴としては、ボリュームに対してヒロインの服装の種類が多いことで、通常の服装の他に、男物のワイシャツ、水着、バニースーツ、ウェディングドレスでのシーンがあった。
バニースーツを着たシーンは本作の設定を活用していると言えなくもないが、ヴィジュアル以外でウサギらしさはなかったので、単なるコスプレと殆ど同じと言えるものだった。
グラフィック面の基本的なクオリティは過去作同様に可もなく不可もなくというものだったが、おっぱいの大きさが不安定なのは残念な点で、立ち絵を基準とするのならヒロインのおっぱいは普乳サイズと言えるのだが、イベントCGでは普乳サイズと巨乳サイズで半々くらいの割合だった。

コンフィグやシステム周りはロープライス作品としては十分なもので、ストレスなくプレイすることができた。
ウィンドウサイズでプレイ時にはウィンドウサイズを自由に変更できるし、エンジン設定からフルスクリーンの仕様も変更可能なのも便利だった。