シリーズらしさを残しつつ、本編とは少し方向性の違うシーンが多かった。
外伝とタイトルに書かれている通り、エデンズリッター第1章のヒロイン二人の後日談を描いた作品となっている。
ただし、外伝というよりはエデンズリッター第2章への橋渡し的な内容で、第2章の舞台である「ガルベリア皇国」の名前やヒロインが少しだけ登場するし、外伝の本作も第1章のヒロインであるセシリィが、ガルベリア皇国へ同盟締結へ赴くことになった経緯を描いたものである。
ストーリー構成はオーソドックスな変身ヒロイン陵辱モノだが、陵辱内容がかなり激しいことや、抜きゲーなのに戦闘シーンが熱い点などが、本シリーズの特徴と言えるだろう。
第1章の本編と比較した場合、異種姦らしさが減っており、セシリィの陵辱者は主にゾンビや人間、単なる触手がメインとなっている。
ゾンビは異種姦と言えなくもないが、腐っているとはいえ人間ではあるし、負の感情が大きくなっているものの意識もあるため、キモい男に犯されているのと大きく変わらないと感じてしまった。
また、陵辱者が憎むべき敵ではなく、守るべき民であるというのも本編とは異なる点で、暴力的な快楽による陵辱というよりも、罵倒による精神的な陵辱要素の方が大きかった。
とはいえ、本編で性感開発は完了しており、少し体に触れられるだけでも感じてしまう対魔忍状態なので、快楽による陵辱要素もきちんとあるし、異種姦推しのシリーズではあるが、それ専門のシリーズではないし、本編とは別の方向性でのヒロインの悲壮感があったので、これはこれでありだと思った。
ストーリーの方も本編での事件により、司教や一部の神官たちからは性的な視線を向けられているという点に言及しているため、外伝では人間の心の弱さと、それ故に犯され苦悩するヒロインというコンセプトなのかもしれない。
守るべき民に犯されるという展開はヒロインに悲壮感を出せるが、守る対象が余りにもクズすぎると逆に滑稽になってしまうという欠点があるが、本作の場合、もう一人のヒロインのノエインが同性とはいえ恋人みたいな関係だし、魅力的なモブキャラも多いため問題はなかった。
上述したように、セシリィパートの異種姦要素は本編よりも弱かったのだが、ノエインパートはがっつりと異種姦で、公式HPでも紹介されているトロルと古代樹の他に、巨大なカブトムシが陵辱者として登場する。
しかし、タイトルに「セシリィ編」と書かれている通り、メインはセシリィパートだった。
本編同様と言える点としては、熱いバトル展開やBGMが挙げられ、BGMに関しては基本的に(全部?)本編からの流用だが、ロックなかっこよさではなく、クラシック音楽的なかっこよさで、ダークファンタジーの本作の世界観にしっかりとマッチしていた。
特に、陵辱シーンのピアノベースのBGMが素晴らしく、カッコいいのに陵辱シーンにもマッチしている不思議なBGMだった。
戦闘シーンのカッコよさも健在で、特にラストバトルのセシリィがと絶望の淵から立ち上がるシーンや、ルドルフとの問答は燃えゲーに勝るとも劣らない熱い展開だった。
本作のボリュームはシーン数が15回で、内訳はセシリィが10回、ノエインが4回、二人同時の陵辱が1回となっている。
CGは19枚+αで、エッチシーンに使用されるCGは19枚だが、戦闘シーンやモンスターのCGが別で24枚あるので、体感でのCGボリュームは物凄く多かった。
戦闘シーンやモンスターのCGは基本的には本編からの流用や、次回作で使用予定のものだと思うのだが、本作用に作成したと思しきモンスターのCGも数枚ある。
シーン内容は上述のようにゾンビや人間に陵辱される内容が多かったのだが、それだけでなく、本編に比べて奉仕させられるシーンが多く、また、精神的な負い目につけ込んで奉仕させるため、ゾンビや人間はセシリィを淫乱だのなんだのと罵る場面が多かった。
陵辱の激しさは本編でも相当なもので、その激しさも本シリーズの特徴と言えるものだと思うのだが、外伝では更に激しい印象で、セシリィが化物を孕まされるシーンで、お腹がボコボコと膨らんでいるCGはリョナ一歩手前だし、陵辱の果に死亡するバッドエンドもあったりと、変身ヒロイン陵辱モノが好きな人相手でも人を選びそうというか、自分にとってはストライクゾーン外のシーンもいくつかあった。
コンフィグやシステム面は不便を感じる部分もあった。
テキスト表示速度が4段階しかないことや、バックログで音声を再生できないのは少し不便ではあったが、自分の好みのテキスト速度に近い設定にはできたし、頻繁にバックログから音声を再生することはないため、大きな問題ではなかった。
反面、音声ボリュームの調整は一括でしかできないのに、野郎どもの音声ボリュームは大きく、セシリィのボリュームは小さめだったので、音声ボリュームが個別に調整できないのは不便な点だった。
それ以外にも、ウィンドウサイズも3種類からしか選択できず、しかも最大で1280*720なのは残念だった。
また、少なくともDL版の場合はDMMゲームプレイヤーの導入が必須で、ショートカットアイコンからゲームを起動する度にユーザーアカウント制御が入るのは少々鬱陶しかった。