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Predawnvagabondさんの姉×姉! どっちが好き?どっちも!! ~優しいお姉ちゃんとクールなお姉ちゃんに挟まれて僕はもうっ!!~の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
姉×姉! どっちが好き?どっちも!! ~優しいお姉ちゃんとクールなお姉ちゃんに挟まれて僕はもうっ!!~
ブランド
Anim M&W(Anim Mother&Wife)
得点
70
参照数
2027

一言コメント

姉と弟の関係性が珍しくて面白かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

・独特の姉弟関係

Animのブランドの一つである「Mother & Wife(M&W)」はその名前の通り、主に背徳感が薄めの母親との近親相姦を扱った作品が多いのだが、本作も背徳感が薄めな近親相姦ではあるものの、ヒロインは姉二人となっている。
プレイ当初は「MotherでもWifeでもないじゃん」と思っていたのだが、ヒロイン二人は姉というよりも保護者に近い雰囲気で、姉と恋人になるというよりも、育ての親と恋人になってエッチなことをしている感じだったので、M&Wブランドとしても違和感のないものだった。
そもそも、過去作でも昔から世話になっている近所のおばさんもヒロインとして登場していたので、近親相姦よりも世話になった人や恩人と関係を持つことに重きを置いたブランドなんだと思う。
公式の紹介で「ママお姉ちゃんとパパお姉ちゃん」と書かれている通り、ヒロイン二人の弟に対する態度は父らしさ、母らしさが感じられるもので、過保護な母親のような結月、父親のように成長を見守る紗夜という役割分担ができており、3人が揃ったシーンでのやり取りは正に父と母と息子みたいな雰囲気だった。
母親役の結月にしても、父親役の紗夜にしてもテンプレな母親像、父親像を持つキャラなのだが、二人が親ではなく姉であることを考えると、理解しやすい父親らしさ、母親らしさを持っているのはよかった。
個人的には母親役の結月の方がヒロインとしては好きだったが、母親と姉というのは共通項が比較的多いこともあり、キャラとしては定番だった。
反対に、父親役の紗夜は珍しい性格なので、キャラクターとしては面白いと感じた。

単純なキャラクター性だけでなく、エッチの方面に関しても二人はそれぞれに母親らしさ、父親らしさを持っていた。
例えば、それぞれの一番最初のシーンの場合、結月は性的な知識や認識が少なく、一緒にお風呂に入って背中を流した時に勃起した主人公のモノを見て、どうしたらいいかわからなくて慌てたり、その後に手で抜いてくれるのもギコチナイ感じだったのに対し、紗夜は主人公の朝勃ちを見ても、慣れた感じで手で抜いてくれる(実際に経験があるわけではない)。
エッチシーンの内容自体は似たようなものが多いのだが、二人の言動は違うため、二人の違いを感じることができた。

ストーリー自体は抜きゲーのため、非常にあっさりとした最低限のものとなっているが、主人公がお世話になっている二人のために内緒でバイトを初めるという展開も、本作の設定を強調する内容だった。
物凄く短い共通ルートの後にヒロイン二人の個別ルートとハーレムルートがあるのだが、この手のゲームにしては珍しく、ハーレムルートが個別ルートと同等かそれ以上の尺だった。
主人公に特徴はなく、至って普通の学園生だが、非常に家族思い(シスコン)で、姉に喜んでもらうためなら労を惜しまない性格なので、好感の持てるキャラクターだった。
上述の通り、近親相姦に対する背徳感は薄めなのだが、作中では端折られているので詳細はわからないが、主人公は姉への恋心を自覚してから、それなりの期間(2~3ヶ月?)悩んでいるようである。
とはいえ、その部分は描写されないので、プレイヤー側は禁忌を犯しているという背徳感は薄かった。
また、姉二人とは姉として、あるいは育ての親としての関係を維持したまま肉体関係を持つわけではなく、恋人であることが明言されていることもあって、姉弟感よりも恋人っぽい雰囲気の方が強かった。


・充実の3P

本作のシーン数は43回となっており、内訳は結月が14回、紗夜が15回、3Pが14回となっているが、エッチ1回につきではなく、CG1枚につき回想1枠となっているので、実際にはもうちょっと少なかった。
それぞれのシーン内容は体位などは違ったとしても、アナルセックスや水着を着て海辺で、エロ下着を着用して、授乳手コキなどの特徴的なプレイは二人とも共通だった。
本作の特徴はハーレム(3P)が充実している点で、Wフェラやパイズリなどの二人で挟むという定番プレイが多かったが、フェラをしながら乳首責めなどの協力プレイもあったのはよかった。
また、他作品に多いオマケ扱いのハーレムルートとは違い、本作は二人と結ばれる(本番セックス)までがしっかりと描かれているのが嬉しい点で、最初は姉あるいは親としての愛情から主人公の性処理をしていたのが、徐々に変わっていく過程が描かれているのがよかった。


・立ち絵のアニメーションは良かったが、CGのアニメーションは今ひとつ

本作のCG枚数は54枚+SD絵が8枚で、その内の4枚がアニメーション付きとなっている。
E-moteも搭載されているので、アニメーションが本作の一つのウリと言えるだろう。
手間がかかるためか、人によって好き嫌いが分かれるためか、近頃減りつつある(あくまで個人の体感)E-moteだが、驚いた時や嬉しい時の表情や体の動きはE-moteにしか表現できないもので、「Emotional Motion Technology」の名前は伊達ではないと感じた。
反面、エッチシーンのアニメーションは可もなく不可もなくで、正直なところ、アニメーションに工数を割くのなら、普通にCGの枚数を増やしてほしかった。
クオリティは概ね安定しており、担当原画家が違う二人のヒロインが並んでも違和感がないのも、二人同時のシーンが多い本作では重要な要素だった。


・システム/コンフィグについて

本作のコンフィグ項目は必要なものは大体揃っていたが、ウィンドウサイズの変更はできないことと、フルスクリーン時に解像度が変更される仕様なのは残念な点だった。
ウィンドウサイズが変更できないのと、解像度変更方式のフルスクリーンモードの組み合わせはかなり不便に感じるので、せめてウィンドウサイズは変更できるようにしてほしかったが、以前は自分の環境だとフルスクリーンにすらできなかったこともあったので、その頃に比べると多少はマシと言えるのかもしれない。
回想モードが使いやすいのはありがたい部分で、単にサムネイルが表示されるだけでなく、それぞれのシーンにタイトルと短い説明があるので、見たいシーンを探すのが簡単だった。
パッケージ版にDL版が同梱している作品が最近増えつつあるが、本作の場合は本体だけでなく、特典のドラマCDもDlsite.comからダウンロードする形式だった(逆にCDは封入されていない)。
お気に入りのメーカーやシリーズは別だが、それ以外の作品はDL派の自分としては、本作のようにデジタル化できる特典はどんどんDL版にも同梱して、パッケージ版との差異をなくしてほしいと思う。


・まとめ

姉との近親相姦作品ではあるが、主人公にとっては育ての親みたいな人でもあるので、姉との禁断の関係を楽しめる作品ではなかったが、他では見ない独特の姉弟関係を楽しめる作品だった。
ヒロイン二人は父親役と母親役に分かれているため、両ヒロインにしっかりと本作のコンセプトに沿ったキャラ付けがされているのもよかった。