流血沙汰はノーサンキューだけど、ヤンデレは好きという人には楽しめる内容だった。
教科書通りのマイルドなヤンデレ作品と言える内容で、流血沙汰にはならないので、ハラハラせずにヤンデレの重すぎる愛を堪能できる作品だった。
そもそもヤンデレの流血沙汰は相思相愛なら基本的に発生しないわけで、その点、本作の主人公は姉の部屋の壁一面に自分の写真が貼ってあるのを見て(姉の自分に対する想いの強さを知って)、内心では喜ぶくらいに姉のことを愛しているので、主人公の姉に対する愛も異常なまでに深いと言うことができる。
ただし、主人公は常識人なので、近親相姦を犯して社会から爪弾きにされてしまえば姉が不幸になると考えているため、その想いを秘めたままにしておこうと考えている。
本作のストーリーはその想いのすれ違いを解消し、二人が結ばれるまでが描かれており、
主人公が過剰に甘やかしてくる姉から独り立ちを決意する
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主人公が自分から離れていこうとすることに焦った姉が逆レイプ&家に監禁
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主人公はこのままではイケナイと思いつつも、快楽に流されて爛れた生活をしばらく堪能
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最後は正気に戻った主人公に愛を告げられて姉が正気(仮)に戻る
というお馴染みの展開となっており、特に捻りなどはないが、ヤンデレの深い愛を流血沙汰は無しで堪能したい自分にとっては丁度よい内容だった。
下手をすると命の危険を感じるジャンルのため、ヤンデレものは近親相姦の背徳感は二の次になることも多いジャンルだが、本作の場合は主人公の周りのクラスメイト(女子含む)たちが、過剰に甘やかされている主人公を姉離れさせようと遊びや合コンに誘う場面が多く、近親相姦に対して否定的(?)な周りの反応を見せることで背徳感を引き出していた。
同時に、姉の方はそんな主人公を見て暴走するという流れなので、物凄く短い場面にも関わらず、主人公の学園生活は姉のヤンデレらしさと近親相姦の背徳感を同時に演出していた。
ちなみに、本作の主人公に名前は無く、メッセージウィンドウの名前欄には「俺」と表示され、姉からは「弟くん」と呼ばれる仕様になっており、姉に弟くんと呼ばせることで、近親相姦を犯しているということを意識させると同時に、より主人公に感情移入できる設定だった。
本作のボリュームはCGが15枚、Hシーンが12回となっており、価格から考えると満足できるボリュームだった。
グラフィックも塗り・原画共に素晴らく、また、ハイライトの消えた表情は恐怖感と妖しい魅力があり、ビジュアル面でもヤンデレらしさを演出していた。
シーンによっては女性器や子宮などの断面図が表示されるものもあるが、設定でオン・オフすることが可能となっている。
立ち絵も素晴らしかったのだが、立ち絵の表情やポーズが切り替わる時の演出は不自然だと感じた。
Hシーンは値段の割に回数が多めだが、最初の一回を除けば尺もきちんとしており、オカズとして十二分に使えるものだった。
公式HPにHシーン内容のリストがあるので詳細は割愛するが、飲尿やアナル舐めのシーンは、テキスト面だけでなく絵面としてもヤンデレの深すぎる愛情を感じられて特に良かった。
コンフィグ面に関してだけは、同人作品らしいシンプル過ぎるもので、音声、効果音、音楽がそれぞれ5段階でしか調節できず、もう少し細かく設定できるようにしてほしいと感じた。
音声停止のタイミングも設定できないのだが、自分が普段使っている「次の音声で再生中の音声を停止」の設定で固定されていたので、自分的には不便に感じなかった。