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PredawnvagabondさんのAmenity's Life MiniFanDisc -レゾナ&板野奏Ver.-の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
Amenity's Life MiniFanDisc -レゾナ&板野奏Ver.-
ブランド
HOOKSOFT(HOOK)
得点
68
参照数
121

一言コメント

ボリュームに不満はあるが、雰囲気は本作と同様なのはよかった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

本作のボリュームはCGが計8枚、Hシーンが計3回と非常に少なく、オマケでレゾナのシステムボイスと本編の立ち絵裸パッチがついているとはいえ、非常に物足りないものだった。
本編はHOOKSOFTの作品の中では異質なまでにギャグ寄りになっていたが、本作もその作風は受け継がれており、笑ってしまったシーンもあり、内容的には期待に応えるものだったが、それにしてもボリュームが少なかった。
自分の場合は半額セールで買ったことと、HOOKSOFTのミニファンディスクのボリュームが少ないということを知っていたので後悔はないが、定価で買う場合は半分はメーカーへのお布施のつもりで買わないと、後悔することになるボリュームだと思う。

レゾナのシナリオはみんなの面倒見役でしっかり者に見えるレゾナが、主人公にどんどん甘えるようになっていく過程や、付き合いだしてからの甘々な恋人生活が物凄くあっさりと描かれる内容となっている。
奏のシナリオは本編後の一幕を描いたもので、実家に帰省する奏に主人公がついていくという内容になっている。
ただ、レゾナとの肉体関係を持つまでの関係はダイジェストとすら言えないレベルに短いし、奏との実家への帰省の内容も、奏の家族と一緒に遊びに行くという一番のイベントが全く描写されないので、物足りなかった。
せっかくメインの二人だけでなく、穂奈美やディーナというサブキャラを登場させたのだから、もうちょっと二人を登場させることで話を膨らませることはできたろうに、勿体ないと感じた。

グラフィックに関しては本編同様のクオリティだったが、ボリュームを考えれば新規服装の立ち絵くらいは欲しかった。
Hシーンに関しては、奏が1回、レゾナが2回だけなので仕方ないことだが、普通としか言えないもので、内容も尺も標準的な内容だった。

コンフィグやシステム面に関しては、フルプライスの本編のものを良くも悪くもそのまま流用しているために充実しており、細かい部分まで調整できるが、プレイ時間の短い本作でキーボードショートカットなどの設定をするのは時間の無駄かもしれない。
また、各キャラの音声を個別に設定できるのだが、FDの本作には登場しないキャラも項目に残っていたので、そこは本作に登場するメイン二人と穂奈美、ディーナとモブキャラだけを設定できるようにしておいてほしかった。
Tecma(学園生専用のBBS)の機能が空欄のまま残っているのも悲しかったので、音声収録の都合上で出せなかったであろう他のヒロインなどをTecma上で登場させてくれればなぁと思った。

主にボリュームに関しての不満が多い感想になってしまったが、そこを除けば本編の作風が受け継がれており、本編を楽しめた身としては満足できる内容だった。
昨今のエロゲー業界ではファンディスクが殆ど制作されなくなってしまったが、HOOKSOFTにはフルプライスのファンディスクを一度作ってみてほしいと思う。