強気なヒロインが異形に犯されるのが好きならオススメ。
ボリュームは回想数は23回、CG枚数は35枚と価格に対して非常にしっかりとしている。
一部短いものがあるが、尺も長いのでオカズとしても非常に優秀だった。
本作はあくまでもリーゼ視点で進み、明確にリーゼ一人が主人公兼メインヒロインで、光流はサブヒロイン的なポジションとなっている。
そのため内訳は、二人同時と光流単独が3回ずつで、残り17回はリーゼ単独のHシーンと偏ったバランスとなっているので、光流目当てでのプレイを考えている人は留意しておくべきだろう。
個人的には、低価格作品はヒロイン一人に焦点を当てた方が、キャラクターや物語を掘り下げることが出来ていい結果になると思っているので、ある程度リーゼに絞ったのは正解だと思う。
ストーリーは退魔師が異形と戦う弩ストレートな物語で、リーゼが所属する教会が実は裏で糸を引いていて・・・みたいな複雑な展開は一切なく、ひたすら異形と戦闘するor犯されるシンプルな展開となっている。
竜胆&黒井弘騎コンビが以前から同人作品としてシリーズ化していた魔胎都市シリーズの一作ではあるのだが、エロやヒロインの服装に特定の傾向があるというだけで、今のところ深い背景設定があるわけではないので、他のシリーズを知らなくても全く問題は無い。
また、本作は他のシリーズ作品と違って多少はヒロインの掘り下げもされているので、異形共に犯されるヒロインの悲壮感が引き立って良かった。
呉越同舟で強力関係を結んでいるだけの二人のヒロインが、物語を通して真の友情を育む展開はストーリー上のハイライトで、続編も作れる終わり方だったので、正式な相棒となった二人が活躍する続編も制作されるかもしれない。
本作はデストラップ形式となっており、ストーリー上不可避の陵辱は10回ほどで、残りは選択肢ミスによるバッドエンド時の陵辱シーンとなっている。
基本的には選択肢直後にゲームオーバーになるのだが、一回だけ時間差でゲームオーバーになる選択肢もあった。
リーゼ(明言はされていないが恐らく光流も)は開発済みとまではいかないが、過去に悪魔に犯されたことがあるため、バッドエンドの度に処女喪失したり、痛がったりはしないのは救いだが、それでもデストラップ方式の短所がモロに出ていると感じた。
バッドエンド1つにつきシーンも1回という構成のため、即堕ち4コマみたいに1シーンで堕ちるので、悪魔と戦う強い動機のあるリーゼが簡単に堕ちてしまうのは違和感があったし、堕ちることそのものよりも、その過程の方が好きな自分には物足りなかった。
デストラップ方式にしても、バッドエンドの数を減らしてそれぞれのシーン数を増やしたほうが良かったのかもしれない。
Hシーンの内容は”粘獄”というタイトルに相応しいものになっており、取り憑かれた人間に輪姦される1シーンを除けば、ヌルヌルした異形に犯される内容になっている。
オーソドックスな触手やスライムだけでなく、ナメクジや機械と触手が融合した尋問マシーン、触手椅子など陵辱者の種類は多岐にわたり、魔胎都市お馴染みの丸呑みシーンもしっかりと用意されている。
物語は極一部を除けばHシーンも含めてリーゼ視点で進むので、地の文もリーゼから見たものとなっており、彼女が犯される場合は内面描写もしっかりとされるのは素晴らしかったのだが、反面、光流の内面描写が存在するのは1シーンだけだったので、光流が犯されるシーンは光流の内面描写もしてほしかった。
また、二人同時に犯されるシーンの場合は目に見えて光流の台詞量が少なかったので、リーゼのシーンが圧倒的に多いんだし、二人同時のシーンはもう少しくらい光流を優遇しても良かったんじゃないかと思う。
原画家が複数存在する作品の場合、普通はキャラ毎に別の原画家が担当すると思うのだが、本作の場合(確証はないが)キャラ別ではなくCG別に担当を割り当てているようで、全体のクオリティに不満はないものの非常に違和感があった。
特に竜胆氏の原画に期待していた場合は、終盤になるに連れて楠木りん氏の担当が増えていくのでガッカリするかもしれない。
ただし、あくまでも芸術方面はからっきしの個人の感想であり、公式HPや原画家のブログやツイートで明確な根拠を見つけたわけではない。
本作のシステム面は低価格とは思えない程に充実しており、非常に快適にプレイすることが出来た。
次のテキストがボイステキストかどうかを示すアイコンの他に、男女別の射精(絶頂)カウントダウンがあり、最大で50クリック前からカウントされる。
また、回想モードが非常に便利で、シーン回想の場合はHシーンのタイトル一覧が表示され、その背景として画面全体にシーン中のCGが表示されるので、見たいシーンを簡単に探すことが出来る。
CG回想の場合はCG表示中にボイスを再生することが可能で、こちらは実用性は感じなかったものの面白い機能だった。
魔胎都市シリーズを知っていようが知るまいが、竜胆氏のファンであろうとあるまいと、ヒロインがグチョグチョでヌメヌメした異形に犯されるのが大好きな人にはしっかりと刺さる作品で、デストラップ形式のため即堕ちなのは残念なものの、1シーンの尺はしっかりしているのでオカズとしては非常に優秀な作品だった。