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Predawnvagabondさんのらぶらぶシスターズ ~花嫁&姉妹達とのドキドキハーレム生活~の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
らぶらぶシスターズ ~花嫁&姉妹達とのドキドキハーレム生活~
ブランド
POISONエクスタシー(ぱじゃまエクスタシー)
得点
65
参照数
1124

一言コメント

コンセプトは面白かったが余り活かせていなかった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

・コンセプトは面白いが・・・

本作で一番特徴的な部分といえば、主人公は学生でありながら既婚者で、妻も同じ学園の生徒という点だろう。
メインヒロインの学生会長と主人公が婚約者みたいな設定は陵辱系統の抜きゲーでは珍しい設定ではないが、和姦系の作品では珍しい設定だと思う。
また、攻略対象のヒロインも妻である”きさら”の妹たちで、主人公はきさら公認で曲者ぞろいの姉妹たちの面倒も見ることになってしまう。
つまるところ、半分くらい妻公認で浮気できるというのが本作の特徴的な部分なのだが、それが活かされているかというと否というのが正直な感想で、きさらは彼女自身と実郷子のルート以外では殆ど空気だった。
特徴が活かされていないとなると、主人公は単なる浮気野郎に感じられてしまい、純粋な学園モノとしては楽しめなかったので、いっそのこときさら個人のルートは無くすぐらいの勢いで彼女を他ヒロインのルートでHシーンも含めて登場させてほしかった。
実郷子のルートだけは三角関係や3Pが描かれており、優柔不断な主人公がエロいことも含めて振り回されるシナリオは、本作のコメディ調な雰囲気と相まってシリアスにならずに三角関係や浮気を意識させられるシナリオで、本作の特徴が活かされているルートだった。


・一癖も二癖もあるヒロインたち

本作のヒロインはそれぞれ天才なのだが、変わり者で私生活はダメダメという一癖も二癖もあるアクの強いキャラクターとなっている。
そして主人公は彼女たちの生活の世話をする過程で、義理の姉妹からそれ以上の存在へと徐々に変わっていくというのがきさら以外のルートの大まかな流れとなる。
実郷子の場合、主人公に対して罵詈雑言をぶつけたり、陶芸品を投げつけてきたりと一昔前のツンデレヒロインみたいだった。
プニーナは俳優なのに食べると直ぐに太る特殊体質のため、マネージャーとして彼女の管理をしている主人公が食事制限に東奔西走するシナリオとなっている。
Hシーン的には一番クセの強いヒロインで、太った状態(デフォルト)、痩せ巨乳、スレンダーの3種類の体型があるのだが、何と太った状態のHシーンの回数が一番多いデブ専というニッチ(?)向けのヒロインだった。
あかり&ひかりの双子は二人で1ルートとなっており、ひかりは幼い頃に事故で亡くなってしまい、主人公を含めてあかり以外の家族には見える幽霊となって現世を漂っている。
あかりの方はキャラクター自体はそこまで特徴的ではないのだが、ひかりそっくりのロボットを作り、そのロボットに主人公の意識を憑依させてエロいことをするというぶっ飛んだHシーンが面白かった。
主人公の妹のハナもヤンデレに片足突っ込んでるレベルのブラコンっぷりが面白かったのだが、残念ながらサブヒロインということもあって本編では殆ど登場しなかった。
きさらルートを除けば浮気することになる主人公は、一昔前の唐変木主人公レベルに鈍感だった。
既婚者ということで、他のヒロインからの異性としての好意に鈍感なのは必ずしも悪いことではないと思うのだが、妻がいるというのに簡単に流されるというのは、妻のニート化や妻公認で世話しているとはいえ如何なものかと思った。


・ヒロイン毎に特色のあるHシーン

本作のHシーンは全部で40回で、内訳はきさら、実郷子、プニーナの3人は8回ずつ、あかり&ひかりが6回、瑞穂が7回、主人公の妹のハナが2回、ハーレムが1回となっている。
猥語はピー音修正されるのだが、煩くて耳障りなだけでなく、クリトリスやオナニー、アナルなどの他作品では修正対象外のような言葉も修正されるので余計に鬱陶しかった。
シーン毎の尺はバラツキがあるものの、抜きゲーの平均くらいだったと思う。

上でも少し書いたように、Hシーンはヒロイン毎に傾向が大きく違い、Hシーンに関しては最後まで飽きずに楽しむことができた。
実郷子はオナニストなのでオナニーシーンが多めで、また、唯一主人公が既婚者であることを感じさせるルートで、不貞の後ろめたさやスリルもある程度感じられた。
プニーナはデブ専ヒロインで、太った状態でのHが8回中5回という割合だった。
パイズリならぬ腹肉ズリとか腹肉を掴みながらとか、太ったヒロインとしか出来ないセックスは物珍しかったが、自分にはその属性がないということが本作で発覚した。
あかり&ひかりはひかりの姿をしたロボットに主人公の意識を移すという荒業で簡易的な性転換体験ができるのが面白く、ロボットには予備もあるのであかりとひかりとの3Pもあった。
瑞穂はSM、露出、アナルと一般的なアブノーマル(?)プレイがメインで、性転換やデブ専に比べるとパンチは無いのだが、女教師という瑞穂の立場故に背徳感は大きかった。
きさらは特にこれといった傾向もなく、過去回想という形で初体験のシーンや結婚初夜のシーンもあるので普通の恋人同士のHという感じだったが、曲者ぞろいの本作では逆に新鮮に感じられるかもしれないので、3番目くらいにきさらルートをプレイすると丁度いい箸休めになるだろう。


・CGは可もなく不可もなく

本作のCG枚数は82枚+SD絵が5枚とフルプライスとしてまずまずのボリュームとなっている。
原画家が6人(メインヒロインだけだと4人)と多いため、複数キャラが並ぶとやや違和感があったが概ね安定していた。
唯一気になった点としては、男性器が過剰に大きすぎることで、挿入シーンやフェラシーンでは違和感に襲われることがあった。


・コンフィグは若干の不具合あり?

コンフィグ周りは不満が出ない程度には機能が揃っており、設定項目の不足が理由でプレイ中にストレスを感じることはないだろう。
ウィンドウサイズは自由に変更可能だし、立ち位置による音声ボリューム調節機能もあった。
しかし自分の場合、システム効果音とムービーのボリュームが起動するたびにデフォルトにリセットされるとういバグに遭遇して地味にストレスに感じた。
ミュートに設定した場合、ミュート状態は解除されないので、それで一応の解決ということにしておいたのだが、音声やBGMで同様の現象に遭遇したら激しく面倒だっただろう。
ただ、この不具合は「姉姉W催眠」という別のゲームでも遭遇したので、自分自身の環境に起因する不具合なのかもしれない。
他に気になった点としては、コンフィグとは関係ないのだが誤字の多いことで、修正パッチが無いと雰囲気台無し!というほどでもないのだが、他作品よりも多いので目につくことが多かった。


・総評

学生なのに既婚者という設定は珍しく、それが活かされていれば面白い作品になる可能性はあったのだが、本作の強みが活かせておらず、平凡な学園モノの抜きゲーに毛が生えた程度の内容だった。
ヒロイン毎にHシーンの傾向が大きく違うのは本作のもう一つの特徴で、しかも、デブ専や性転換などのマニアックな属性まで扱っていたのは面白かったが、本作で扱われている属性全てが合致するという人は少ないと思う。