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Predawnvagabondさんの魔法少女アリサ ~異種触手†無限アクメ受胎~の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
魔法少女アリサ ~異種触手†無限アクメ受胎~
ブランド
ZION
得点
65
参照数
1632

一言コメント

バッドエンドごとのシーン数が少なすぎて即堕ちだったので自分には合わなかった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ストーリーは魔法少女モノとして非常にオーソドックスな内容で、正義感は強いがまだまだ未熟な主人公のアリサと、魔物への復讐のために冷徹に振る舞うレンという定番の組み合わせで、二人の間に徐々に友情が芽生えていって最後は悪の親玉を協力して倒すという展開も、変身ヒロインモノを何作かプレイしたことがある人にはお馴染みの展開だと思う。
ZIONの過去作の「魔法少女コノカ 異種触手・無限煉獄」の続編のためか基本的な世界観の説明は殆ど省かれるので、良くも悪くもHシーンはサクッと始まる。
そのため、前作を未プレイの自分にとっては世界観に不明な点が多かったが、そこまで深い設定があるようにも感じられなかったので、前作未プレイの自分としてもサクッと始まるのはありがたかった。
また、前作をプレイしたファンサービスとしてなのか、前作ヒロインのコノカのHシーンが一回だけ用意されていた。

本作はデストラップ方式を採用しており、間違った選択肢を選ぶとHシーンが発生してバッドエンドという流れになる。
逆に正解の選択肢を選んだ場合は、アリサの未遂みたいなシーンが一回とモブキャラのシーンが数回発生するだけとなっている。
つまり、正規ルートの場合は両ヒロインは処女のまま=”バッドエンド毎に処女喪失”という展開になる。
自分個人の考えとしては、処女喪失はあくまでも通過儀礼的なものにしか思っておらず、ヒロインが大事に守ってきたものを理不尽に奪われ、それでも立ち上がるという魔法少女の強さを示す点で重要なイベントだと捉えているので、抜けるか否かという点で考えると処女を奪われるシーンは微妙だというのが正直なところである。
バッドエンドの数が少なく、それぞれのエンドの過程が丁寧に描かれていれば話は別なのだが、本作はバッドエンドの数が多く、少なければ1シーン、多くても4シーンくらいしか各バッドエンドに割り当てられていないので、お世辞にも過程が丁寧に描写されているとは言えないものだった。
また、処女喪失から堕落までの過程を少ないシーン数で描くため、魔物の体液の媚薬成分により即堕ちという展開ばかりだったのも個人的には残念だった。
ただ、これらの要素が絶対的に悪いというわけではなく、個人の嗜好によって良くも悪くもなる部分なので、本作の傾向が自分には合わなかったというだけで、異種姦による処女喪失シーンが好きなら気に入るのではないかと思う。

本作のボリュームはシーン回想数は43回となっているが、4回は全くエロとは関係の無いシーン、モブキャラの短いシーンが4回、更には2回で1シーン分のものもあるので体感的には30回くらいに感じた。
シーンの尺は平均すると短めだったので、ミドルプライスの作品としては少しボリューム不足に感じた。
導入過程が省かれ気味なのが尺が短い理由の一つで、例えば輪姦シーンの場合だと開始時点で前と後ろの穴に既に挿入された状態から始まったり、処女喪失シーンの場合はシーン開始時点で挿入済みだったりと、結構重要な過程が省かれていると感じた。
内訳はアリサが22回、レンが6回、二人セットが6回、残りがその他となっていて、タイトル通りにアリサに比重を置いた内訳となっている。
本作は異種姦特化の作品で、陵辱者は大半が現実世界の生物が巨大化&異形化したものとなっている。
比較的ポピュラーな生物の例としては、カマキリとその寄生虫であるハリガネムシ、ムカデ、カエル、ミミズ、馬といったものが挙げられ、日常生活では目にする機会の少ない生物としてはカンディルやタイノエ、冬虫夏草、蟻地獄などがあった。
他にも半魚人や機械姦もあったが、有機物(触手)と結合した人を運べるくらいの巨大なドローンの機体下部に、ヒロインを貼り付けて街中を飛ぶというぶっ飛んだシーンは特に面白かった。
通行人もそれを見て何の疑問も抱かずに冷やかすというのもシュールさを加速させる要因で、オカズとしてはともかく笑えるという意味で印象に残った。

CG枚数は全部で52枚と価格から考えると中々のボリュームだった。
クオリティもサンプルCGを見た上での期待を裏切らない出来で、化物も余りにもキモすぎて悪目立ちしたり、逆に手抜きすぎて萎えたりしない調度良い描き込み具合だった。

UI面に関しては、設定項目がWindowsのシステム設定みたいなウィンドウメニューのため見づらかったり、右クリックがメッセージウィンドウ消去では無くメニュー画面の表示だったりと少し使いづらかった。
ただ、前の選択肢に戻る機能やバックログからのバックジャンプ機能はしっかりと用意されていたので、一概に使いづらいとまではいかなかった。
攻略に関しては、バッドエンドが多少分岐することもあるが、回想モード上の空欄の位置でストーリー中のどの辺りか大体わかるので、選択肢毎にセーブデータを作成しておけばコンプリートするのは簡単だと思う。