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PredawnvagabondさんのPriministAr ミニファンディスク 枝那森千里&駒萱野 Verの長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
PriministAr ミニファンディスク 枝那森千里&駒萱野 Ver
ブランド
HOOKSOFT(HOOK)
得点
70
参照数
658

一言コメント

ある程度覚悟していたことではあるが、もう少しボリュームが欲しかった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

・千里シナリオは長めのエピローグ

ミニFDの本作だが、予想していたことではあるが、ミニの名前が示す通り、ボリュームは非常に短くなっている。
ロープライス作品と較べても、短いと感じるレベルのボリュームだったので、値段から考えると物足りなかったが、メインとなる千里のシナリオの内容的には期待通りのものだった。
シナリオは、長めのエピローグという言葉がピッタリの内容で、学園を卒業して、その後にお互いの夢を叶えたことをきっかけに、主人公がサプライズで結婚式を企画する話となっている。
とはいえ、収録や予算の関係か、本編の千里以外のキャラクターを登場させることは出来ないので、結婚式のシーン自体は無く、直前でシナリオは終了してしまう。
発表から発売までに、かなりの時間があったので、他の収録のついでに、本編の他のキャラクターの音声収録を少しずつやっているのかなと、都合の良い妄想をしていたのだが、現実は甘くなかったようである。
それ以外だと、同棲している千里との、イチャラブ同居生活オンリーとなっており、期待通り、予想通りの内容だった。


・千里ルート同様に短い萱野シナリオ

さて、本作のもう一人のヒロインである、萱野のシナリオだが、こちらは千里ルート同様に短く、物足りないと感じた。
関係が出来上がっている千里と比べると、萱野の場合、お互いが惹かれ合い、恋人になるまでの描写が必要なのだが、短い本作でそんな悠長なことをする余裕などなく、年齢が離れているにも関わらず、強引に主人公を萱野の初恋の人に仕立てあげて、ヒロイン側の主人公を好きになる理由として、主人公の方は一度軽く世間話をした程度で萱野に惚れてしまうという、適当さである。
正直なことろ、PriministAr本編でも萱野に対する印象は、他キャラクターと比べても薄く、彼女を魅力のあるヒロインにするには、本作では短すぎてどうしようも無かったんじゃないかと思ったので、本作のボリュームなら、千里に全力投球するべきだったんじゃないかと感じた。
Hシーンも1回だけと少なく、そのため、ヒロインとしての魅力を余り感じることが出来ず残念だった。


・本編と発売の間隔が空きすぎ?

本作をプレイする上での問題点としては、本編のPriministArの発売が約二年半前なので、色々とあやふなになっている部分が多いことである。
PriministArで一番どころか、自分のプレイしたエロゲーを通しても千里は上位のお気に入りヒロインなのだが、それでも本編の千里ルートの大まかな部分は覚えているとしても、細かい台詞、例えば告白の台詞、などは覚えておらず、二人のやり取りをみていてもピンと来ないこともあった。
フルFDならともかく、ミニFDの本作では、フルプライスの本編をもう一度プレイする動機としては弱く、流石にもう一度プレイしようとは思わなかった。
主人公に関しても、プレイしていて、「あれ、こんなにテンション高かったかな?」となったりと、あやふやな部分があった。
自分は未プレイだが、MeltyMomentの場合は、ミニFDが本編発売から約半年で発売されているので、本作もそのくらいの間隔で発売されていたら、もう少し楽しめたかもしれない。


・Hシーンはそれなりにしっかり

本作のCG枚数は全部で10枚となっているが、その内2枚は本編からの流用となっているので、新規は8枚だけと、こちらもシナリオ同様に物足りない。
また、流用された2枚を除くと、非HCGは1枚のみとなる。
CGの出来の方は、2年半たっているが、本編のCGと並べても、違和感のないものとなっていた。

Hシーンは全部で4回となっており、上でも述べたとおり、萱野は1回のみとなる。
内容は極々普通の恋人同士のHで、千里の場合、69、本編の制服着用状態で正常位、だいしゅきホールドとなっていて、茅野の場合は処女喪失(小糸は実際の娘ではない)の正常位シーンのみである。
千里のHシーンの方は、一回毎の尺はしっかりとしており、シナリオに比べると満足度は高かったが、萱野の場合は、尺はこちらもきちんとしているとはいえ、1回だけなのは物足りなかった。


・安定しない萱野の音量

コンフィグ関連は、本編そのままのものであり、設定項目に大きな不満は無かった。
右クリックの割当機能は変更可能となっており、ウィンドウサイズが可変なのも嬉しかった。
本作のシステム関連で不満のある部分といえば、萱野の音声ボリュームが安定しないことだった。
キャラクター毎に音量が調節できるようになってはいるのだが、問題なのは萱野一人だけで、Hシーンと通常シーンで音量が違うだけでなく、Hシーンでも、囁くような声と喘ぎ声との音量に差があり、調度良い音量に調節することが出来なかった。
幸いにも(??)、萱野のHシーンは1回だけなので、大きな問題ではなかったが・・・。


・シナリオの内容には満足だが、ボリュームには不満が

最初からわかっていたことではあるのだが、本作のボリュームは値段や、あるいは発表から長く待ったにしては少なく、そういった点では満足とは程遠かった。
反面、シナリオの内容に関しては、千里の場合はひたすら同居しているアパートでイチャラブするだけと、他のキャラクターを出せないという縛りの中では妥当な内容で、本編で千里が好きだった自分からすると満足な内容だった。