押さえるべき部分は押さえているけど、シナリオが中途半端。
非常にオーソドックスな変身ヒロイン陵辱もので、基本的な押さえるべき部分は押さえられていた。
そのため、グラフィックやヒロインのキャラクターが気に入れば悪くは無いと思うが、正直に言うと、数ある変身ヒロインものの中で、この作品を特別に選ぶ理由に乏しかったのも事実である。
・中途半端なシナリオ
基本的に、シナリオは然程重要ではないジャンルの本作だが、伏線を張るだけ張って完全放置されるため、流石にもやもやする部分が多かった。
謎のスーパーパワーを発揮して次々と街を征服している悪の組織や、その中で独自の目的を持って、組織に対する裏切りとも取れる行動をとる悪の幹部カルネージなど、何らかの背景設定を持っていると思しき組織や登場人物を出しつつも、それらが全く以って説明されないまま、本作は終わってしまう。
本作のシナリオライターであるassault氏はTriangleの魔法少女シリーズのライターでもある。深読みするならば、氏はTriangleの魔法少女シリーズのように、本作もシリーズものにしようとしているのかもしれない。
仮にそうだとしても、本作では謎のまま終わってしまった部分が多すぎて、逆に隠されている部分が気にならなくなってしまうレベルだったので、もう少し伏線を回収するなりして欲しかった。
変身ヒロインキャッチアンドリリースの本作だが、物語は悪の幹部視点ではなく、ヒロイン側の視点で進んでいく。
あくまで個人の好みの話だが、自分的には変身ヒロインの視点で進むなら、敵は全力でヒロインを屈服させにかかる方が良いと思う。
悪の幹部視点だと、キャッチアンドリリースをする理由付けがされるため、目的達成のための過程だと理解できるが、ヒロイン視点でキャッチアンドリリースされてしまうと、一気に茶番っぽくなってしまうし、悪の幹部もただのストーカーに早代わりである。
そのため本作では、変身ヒロインに謎の執念を燃やすカルネージは邪魔でしかなかった。カルネージも何らかの事情を抱えているようだったので、その辺りがきちんと説明されていれば、また違った印象をもったのかもしれないが、無駄に風呂敷を広げてしまったのが逆に仇になっていた。
・二人のメインヒロイン、二つのストーリー
タイトルは「ブレイブハンターあおい」となっている本作だが、メインヒロインはハンターとフェンサーの二人となっている。
ヒロインが二人いるのは歓迎出来るのだが、本作では大きく分けてハンタールートと、フェンサールートの二つのシナリオが用意されている。
フルプライスで無いのに、二つのシナリオを作ったせいで、どちらもヒロインが堕ちるのが早く、物足りないという本末転倒奈ことになっていたので、ハンタールートのみにして、フェンサーはあくまで、ハンタールートでの登場のみにしてほしかった。
堕とす過程は、陵辱を繰り返すことにより、徐々に快楽に抗えなくなっていくというよりは、媚薬で無理やり開発して堕とすという感じだったので、メインルートは一本のみにして、もっとじっくり堕としてほしかった。
逆に、媚薬により変身するとそれだけで、徐々に快楽にが高まっていくために、戦闘可能時間に制限があるみたいな設定は良かった。
また、戦闘シーンはそれなりに尺を割いて描写されているので、登場即敗北みたいなことが無く、敢闘したのに力及ばず陵辱されるという展開はしっかりとしていた。
・少しボリューム不足に感じられるCG
本作のCG枚数は全部で53枚となっており、ミドルプライスとフルプライスの中間くらいの価格帯としては、問題の無い枚数となっている。
反面、CG枚数の余裕が少ないのに、非HシーンのCGが10枚以上あるため、肝心のHシーンのCG枚数が不足しているように感じられた。
CGの出来としては安定しているため、サンプルCGやパッケージを見て気に入ったのなら、裏切られることは無いと思う。
ただ、モザイクは抜きゲーの割りに大きめなのが残念だった。
・橙子のHシーンは1回だけ
本作のHシーン回数は43回となっているが、無駄に分割されているHシーンもいくつかあるので、実際にはもっと少なかった。
また、割とあっさりと終わってしまうシーンもあるため、回想シーン数ほどボリュームは多く感じられなかった。
カルネージが「変身ヒロイン」を犯すことに異常なまでの執念を燃やしているため、非変身状態でのHシーンは5回程となっている。
残念だった点としては、橙子のHシーンが1回しか用意されていないことだった。
良いキャラだったし、ハンターにとっての帰る場所的なポジションのキャラクターだったので、拉致されて調教されるとか、そういう展開があっても良かったと思う。
他のキャラクターの内約は、シーン回想でのカウントで、ハンター15回、フェンサー22回、橙子とあおいが1回、ハンターとフェンサー同時が4回と、タイトルの割りにフェンサーの方が回数が多いという、タイトル詐欺みたいなことになっている。
シーン内容としては、市民の目の前で犯されるというシーンが多めとなっているが、市民自体が陵辱役になるのは1回だけで、あとはただのヤジを飛ばす観衆として機能するだけとなっている。
カルネージ自身が直接犯すこともあるが、ほとんどは、オーガみたいな見た目の幹部か、下級召還獣、スライムのような異種姦がメインとなっている。
・エンジン設定からなら色々と設定できる。
ゲーム中のコンフィグ設定だけを見ると、設定できる項目が非常に少なく感じられる本作だが、windowsスタートメニュー等から開くことが出来るエンジン設定からなら、細かい部分まで設定できるようになっている。
初期設定では、フルスクリーン解像度だとジャギが生じるレベルに低く設定されているグラフィックも、設定変更すれば綺麗になるので、忘れずに設定しよう。
・まとめ
値段相応のボリュームは用意されており、変身ヒロインものとしての押さえるべき部分は押さえられていた。
ただ、シナリオが中途半端だったり、堕ちるのが早かったりと、不満点も無いわけではないので、この作品を特に推すためには、もう一つくらい何かが欲しかった。