催眠作品としては、設定の強みを活かしきれていなかったが、年上女性に甘えながらのHが好きなら楽しめると思う。
・催眠を悪用しない主人公
催眠ジャンルの本作だが、主人公は催眠術を使い、ヒロインが主人公のことを実の息子だと認識するようにはするものの、催眠術を悪用して(催眠術を使うこと自体が悪かもしれないが)、ヒロインが素面だと絶対に嫌がるようなことをしたりするわけではないので、純粋に催眠ジャンルとしては少し物足りないかもしれない。
反面、タイトルにもある「母」の方に関しては、素晴らしいと言える作品で、純粋な近親相姦では無いが、母子相姦に見えるなら血縁関係は気にしないという人にとっては素晴らしい作品となっている。
生まれると同時に母親を亡くし、父親まで数年前に亡くした天涯孤独な本作の主人公は、寂しさの余り夜も眠れず枕を濡らしてしまうような、気の毒なキャラクターとなっている。
これが萌えゲーだったりしたら、幼馴染や従兄弟、友人とかがいて、慰めてくれたり、親代わりの人がいたりと、寂しさを感じることがないかもしれないが、本作の主人公にはそんな都合の良い慰めてくれる存在も無く、寂しさの余り催眠術に頼ってまで母親を得ようとする動機にも、共感できるキャラクターとなっている。
催眠術という何でもありな能力を手に入れても、母親を手に入れた後は、それを乱用せずに、良き息子でいようと努力するし、ヒロインに気を使っていることもしっかりと伝わってくるので、やっていることは結構ひどいはずなのに、意外と好感が持てるキャラクターだった。
また、Hなことをするために多少の常識や倫理観を弄ったりはするが、やはり他の催眠作品と比べるとマイルドだった。
ヒロインの方は、実際の母親というわけではないので熟女という雰囲気は薄く、せいぜいがいくらか年の離れた年上の女性といった程度である。
久美子のみは結婚もしており、一度も登場すること無くフェードアウトしてしまう、夫婦仲がよろしくない夫が存在し、主人公やヒロインの所属する学園の理事長という役職だが、設定の割には若く見え、熟女っぽい感じは少なかった。
みなみと智子の二人は、学園の保険医、教師だが、こちらも比較的新人に近い印象を受け、お姉さんという感じだった。
催眠術により母親になったときは、智子とみなみの二人に関しては、催眠前後でキャラクター的に大きくは変わらず、みなみは友達っぽい距離感、智子の場合は教育熱心(過剰ではない)と、第一印象が変わる事が無かった反面、久美子に関しては、主人公の後見人にも関わらず少し突き放した感じだったのだが、母親になってからは、愛情深く甘やかしてくれて、優しく導いてくれるような、理想に近い母親になってくれる。
催眠の方は、主人公をお腹を痛めて産んだ息子だと認識させる以外だと、親子であっても性的なスキンシップをするのは普通なことだとか、母親が息子に性的な手ほどきをしないといけないとか、催眠モノらしく、常識を書き換えたりもする。
それ以外でも、選択肢次第では、家の中では全裸でいるのが普通というような、催眠を施すことも可能となっているが、立ち絵やHCGの服装差分とテキスト差分が存在するだけで、展開やHシーンは基本的に同じ(各ヒロインで1回だけHシーンが変わる)である。
主人公は、ヒロインと性的なことをすることが目的だったわけではなく、母親が欲しかったのに、催眠で心を操ったところで母親を手に入れたといえるのかと、考える人がいるかもしれないが、本作はその辺りも一応考えられているようで、久美子に関しては、主人公を単なる後見人ではなく、息子として引き取りたかったのに、事情があって出来なかったということが判明し、みなみも主人公のことを好きだったと判明するので、催眠をしたことによる、罪悪感や虚しさを余り感じない設定になっている。
智子の場合は、催眠前の主人公に対する感情は不明なままだったが、催眠をかけても、嫌いな相手には芳しい態度は取らないみたいだし、教師としては不幸な境遇の主人公のことを、特に気にかけていたみたいだし、少なくとも憎からずは思っていたのだろう。
抜きゲーではある本作だが、シナリオに関しては皆無に近かったので、母親らしさを出すためにも、もう少し日常の描写が欲しいと感じた。
その他にも、催眠モノだと、催眠術を使っていることが第三者に露見しそうになったり、催眠術が解けてしまったりという展開があるのが割りと一般的(?)だが、本作ではそういったことが一切無いので、余計なことを考えずにヒロインに甘えられるとも言えるし、逆に単調だとも言える。
催眠部分が弱い本作だし、いっそのこと、後半以降は催眠術は解けたものの、ヒロインと家族関係を続けるみたいな展開でも良かったんじゃないかと思う。
せめて、主人公に催眠術を教えたみなみに関しては、そういった展開があっても面白かったと思う。
・実際の回想シーン数よりも、ボリュームは少ない
Hシーンは全部で47回と、値段に対してのボリュームは標準的に見えるが、実際はそれもカウントするの?と言いたくなるようなシーンも結構な数登録されており、オカズとして機能するシーンという点では、-10回くらいとなり、ボリュームは少なめだとと感じた。
内訳としては、各ヒロインが14回ずつ、ハーレムが5回となっている。
猥語修正は入るものの、ピー音は一瞬だけなので、ほとんど気にならなかった。
また、選択肢によって、テキストが多少変わるのだが、正直言って気づかなかったレベルなので、一度で二度美味しいとまではいかなかった。
1回毎の尺は、上で述べたオカズとしてはほとんど役に立たないものを除くと平均的で、テキストも良かったので、オカズとしてはしっかりしていたと思う。
個人的には、ハーレムはシチュエーションを楽しむものであって、オカズとしては使いづらいという認識だったのだが、本作の場合は、主人公が複数のヒロイン相手に頑張るシーンよりも、3人にご奉仕してもらうというのがほとんどだったためか、オカズとしても優秀だった。
本作のHシーンで重要な点の一つとして、母親らしさが出ているかというのがあると思うのだが、本作のヒロインはそれぞれ、しっかりと母親らしさが出ていたと思う。
久美子の場合は人妻なので、それなりに性的な経験が豊富で、主人公がしてもうらうシーンが多めで、逆の場合があっても、久美子がしっかりと導いてくれるという、年上らしさが出ており、甘えさせてくれる、甘やかしてくれるという点では3人の中でも断トツだった。
智子の場合は、催眠による部分も大きいのだが、主人公に性知識を実践形式で教えるというノリのシーンが多くなっているのだが、処女のために教え方が、少したどたどしいのが良かった。
みなみの場合は、主人公と一番年齢が近い(?)ためか、催眠前から主人公のことが好きだというのもあるのか、恋人っぽい雰囲気が強く、母親らしさという点では、一番遠かった。
シーン内容としては、全キャラにアナルセックスが1回ずつと、妊娠状態でのオーラルセックス及び、安定期に入ってからのセックスが1回ずつある。
他に特筆すべき内容としては、久美子の排尿手伝い(手コキ)、智子の場合は、催眠により自制心と排尿の勉強という理由の下、バイブ装着状態での授業と、二人きりの指導室で排尿をするシーンがある。
みなみは、主人公をまんぐり返し(男の場合もこの単語が適切なのかは不明)の状態で、手コキ+アナルを指で攻めて精液採取をするシーンがある。
また、久美子と智子の妊娠状態でのオーラルセックスが、授乳手コキ(母乳は無し)なのも、本作らしいと言える内容だと思う。
個人的な好みの話になるのだが、筆姉そふとの前身と言える、BLACKRAINBOWといえば、元からその傾向があったとはいえ、自分の近親相姦好き、キスシーン好きを決定づけた大きな要因の一つと言えるメーカーだった。
スタッフ的にもほとんど変わっていない(?)筆姉そふと制作の本作も、自分好みのキスシーンが各ヒロインにあったのは嬉しかったのだけれども、久美子が2回で、その他のヒロインが1回ずつしかないのは凄く残念だった。
ニッチなジャンルだが、相姦遊戯なんかではあった、口移しが無いのも残念(ハーレムルートではほんの少しだけあった)で、そういった点では、やっぱり催眠という、何でもありな設定を使い切れてないと感じた。
また、フェラシーンというか、チュパ音の出るシーンが少なく感じたが、そもそもHシーンの回数自体が余り多くないので、割合としては普通だったのかもしれない。
・グラフィックはしっかりとエロい
本作のCG枚数は60枚と、Hシーンは少なめだった割に、しっかりと値段相応のボリュームがあった。
原画はしっかりエロく、安定もしていて素晴らしかったし、塗りの方も飛び抜けているというわけではなかったが、良かった。
ヒロインは3人とも陰毛があったが、目立ち過ぎない程度の程よい描写で良かった。
また、精液描写は他と比べると薄めで、比較的リアルだった。
キスシーンでの口元のカットインや、数は少ないが、膣内の断面図のあるシーンもあった。
添い寝CGも各ヒロインごとに用意されており、主人公の主観タイプではなく、第三者が天井から見下ろした視点のものだったが、主人公のヒロインよりも小柄な体格のおかげで、母子感が出ていた。
また、小柄な主人公の体格のおかげで、他のHシーンでもビジュアル面でも母子感が出ていたので、ショタっぽい主人公が好きじゃない自分でも、本作の主人公の見た目は良かったと感じた。
・立ち絵の服装はいつでも変更可能
本作のコンフィグ面に関しては、最低限必要な項目は揃っていたので、特に不満もなくプレイ出来た。
中/外の選択肢に関しては、そもそも本作ではその選択肢すら出なかった。
システム効果音だけはボリューム調節が出来ず、オン、オフのみだったのだが、もちろん普通の効果音とは別扱いなので、煩ければオフにすることが出来るので、大きな問題ではなかった。
催眠モノらしい機能として、本作ではヒロインの立ち絵の服装を任意で変更することが可能となっており、全裸や下着、裸エプロン、Yシャツと、本編に登場する服装は一通り選択することが可能となっていた。
・年上に甘える作品
ボリュームは少し物足りなく、催眠作品としては、催眠能力をフル活用しているとまで言えず、イマイチかもしれないが、母子相姦モノとしてはヒロインとの関係性もあり背徳感は無いが、母親が甘えさせてくれるという点では良かった。
Hシーンの内容にしても、年上らしさがしっかりと出ていたので、甘々の母子相姦が好きな人ならオススメ出来る作品だった。