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Predawnvagabondさんのクルセイドハート カレン ~呪淫洗脳の罠~の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
クルセイドハート カレン ~呪淫洗脳の罠~
ブランド
Portion
得点
82
参照数
3673

一言コメント

ヒロインの数が多すぎて、各キャラのボリュームが少ないのは残念だったけど、Hシーンのクオリティは1回1回の尺も長くて高かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

タイトルを見ると、同メーカーのディバインハートシリーズと世界観を共有した作品に見えるが、一部の登場キャラが見た目と名前が同じというだけで、世界観の繋がりは無いので、過去作をプレイする必要は一切無い。
他にも、Nexton系列のゲームのヒロインがゲストとして何人か出てくるが、こちらは本編の世界から召喚された設定なので、プレイ済みの方がキャラクターが何を言ってるのかがわかって、より面白かもしれないが、身も蓋も無い言い方をしてしまえば、抜きゲーなのでどちらでも構わないと思う。
正直に言って、ヒロインをクロスオーバーで出演させる必要性は全く感じられなかったのだが、メインヒロインのカレンも、半ば別作品のヒロインみたいなものなので、ファンディスク的な要素も兼ねているのかもしれない。
ただ、クロスオーバーヒロインは、本編バッドエンド後の時間軸から召喚されているため、登場時点で正気を失っているのが残念だった。
悪堕ちがテーマの作品だし、出来れば正気の状態で登場して、しっかりと堕ちる過程も描いて欲しかったが、流石にそれはボリューム的に厳しかったのかもしれない。
また、クロスオーバーヒロインを含めて、ヒロインは全部で6人+陵辱役2人の計8人となっているため、キャラクターによっては堕ちるのが早いのが残念だったので、陵辱役は無理せず、声の無い立ち絵だけの男か化け物だけにして、ヒロインも4人ぐらいにして、その分しっかりと過程を描いて欲しかった。

色々と書いたが、実を言うと、本作のボリュームはかなりしっかりしており、Hシーンだけでなく、シナリオもしっかりしている。ただ、本格的にHシーンが始まるまでは結構長いので、焦れるかもしれない。
また、戦闘シーンの描写も良く出来ており、読んでいて面白かった。

本作はメインヒロインがカレンとなっているが、ミヤビも同格の扱いで、途中からカレンルートとミヤビルートに分岐するようになっている。
ただし、ルート分岐後は、もう片方のヒロインは、ほとんど空気扱いとなってしまうのが残念だった。
カレンは全体を通して、悪堕ちした状態でのHが、ミヤビルートでのバッドエンドで1回のみとなっており、悪堕ちがテーマの本作としては物足りないと感じた。
ミヤビの場合は、バッドエンドルートだと、悪堕ちした状態でのHも用意されているし、カレンルートでもチョイ役だが、陵辱者として登場する。
むしろ、悪堕ちヒロインとしては、アニエスとナターシャがメインと言っても良い出来で、アニエスの場合は2段階に姿が変わったりと、かなり気合が入っている。
ナターシャにしても、肌の色が青色の悪魔娘の見た目になり、ヴィジュアル面でも悪堕ち感が良く出ていた。

本作のHシーンは、悪堕ちがメインテーマなので、悪落ちしたヒロインに正気のヒロインが犯されるというシーンが多い。
特にカレンルートの場合は顕著で、半分以上が悪堕ちヒロインに犯されるレズシーンとなっている。
ただ、レズシーンといっても、本作のヒロインは、ナターシャは生来的なフタナリだし、他のヒロインも必要に応じて生やせるという、羨ましいというか、便利な設定になっているので、一般的にレズプレイと聞いて思い浮かべるシーンと違って、構図的には男に犯されるのとほとんど同じとなっているので、レズシーンには興味が無いという人でも問題無いと思う。
その代わり、フタナリ状態でのシーンの回数がかなり多くなっており、女同士以外でのシーンでも、フタナリ成分が多めになっているので、フタナリが好きじゃないと厳しいかもしれない。
特にミヤビルートでは、悪落ちしたヒロインに犯されるというシーンはほとんど無いために必要も無いのに、何故か生やされてしまう。

グラフィック枚数は全部で68枚と、フルプライスの割りにかなり少ない。
更に、戦うヒロインモノゆえ、全部がエロCGというわけではなく、エロCGのみだと64枚となってしまう。
ただ、本作のボリューム自体を少ないと感じるかというと、そうでもなく、Hシーン1回1回の尺はかなり長かったので、ボリューム不足だとは感じなかった。
実を言うと、プレイし終わってからCG枚数を数えて、初めてCG枚数の少なさに気づいて驚いた。
CGは、違和感の生じるものも無く、塗りも触手等も含めてしっかりしていた。
ただ、解像度が800*600と旧態依然としており、フルスクリーン時には、若干ジャギも見受けられたので、もう一回り大きい解像度にしてほしかった。
また、塗りもしっかりはしているものの、公式HP等で見れるメインヴィジュアルの塗りのクオリティが異常なまでに高いので、それを期待していると肩透かしを食らうと思う。これがパネルマジックというものか。

Hシーンの回数は全部で62回と、回数的に見ると標準的なボリュームとなっているが、尺はかなり長いので、オカズ的な意味での満足度は高かった。
大概の作品なら、数合わせ的に用意されていて、尺の短いモブキャラのHシーンですら、しっかりとした尺が用意されていたのも良かった。
これでCG枚数も標準レベルに用意されていれば、言うこと無しだったのにと思う。
キャラクター毎の内約は、レズシーンが多いので計上できないのだが、メインヒロインの割りにカレンとミヤビのシーン数が少なく感じたので、やはりクロスオーバーヒロインはいらなかったんじゃないかと思う。

システムは必要最低限で、ボイスカットのon/offは設定できるものの、他は全体音量やメッセージスピード程度しか設定できない。
その他に、肌の色オプションという項目もあり、オフにすると悪堕ち時に肌の色が青くなるヒロインの色を、人間状態のものに変更することが出来る。


・まとめ
Hシーンだけでなく、シナリオもしっかりしていて良かったが、ヒロインが多すぎるため、メインヒロインのHシーン数はやや少なく感じた。
グラフィック枚数が、フルプライスにしては少ないものの、Hシーン1回1回の尺は非常に長く、ボリューム不足は感じなかった。