シナリオが予想よりも良かった。ゲーム部分も周回性は低いけど、バランスは良かったので一周する分には楽しかった。
地球侵略を目論む宇宙人から地球を防衛しつつ、戦闘の合間のイベントで女の子と深い仲になろう!、ついでにそれが地球を救うことも繋がるのだ、というある意味非常にわかり易いゲーム構成になっている。
シナリオの方は、捻った部分の少ない王道展開となっているが、友情(愛情)、団結、勝利というお約束はしっかり押さえられており、主人公含めキャラクターも魅力的だったので、楽しめた。
一応主人公達は地球を守る最後の砦なのだが、本作では、そういった悲壮感はほとんど見受けられず、コミカルな部分の占める割合の方が多いのも良かった。
この作風は、地球側のキャラクターだけでなく、侵略者である宇宙人側のキャラクター性による部分も多く、話が進む毎に登場する宇宙人に面白いものが多く、次にどんなのが登場するのかという期待も、本作の面白さの一因だった。
頭におっぱいをつけた「おっぱお星人」や、地球文化の起源を主張する宇宙人、挙句の果てには惑星総ニートとなったために、都合の良い奴隷を求めて地球に来たのとか、真面目な侵略理由を持っている宇宙人のほうが少ないくらいで、個性を放つ宇宙人が多かった。
もちろん、地球サイドのキャラクターもしっかり描写されており、ヒロインは、真面目、ツンデレ、引っ込み思案、おっぱい大好きな不思議ちゃんと、同お調子者と属性も一通りそろっている。
主人公も、第二次大戦時代の人間がコールドスリープから蘇ったという設定のため、天然な部分も時代の違いということで上手い具合に愛嬌としているし、熱血で脳筋なのも、暑苦しく感じないため、上手い設定だった。時々、お前陸軍じゃなくて海軍出身だろと突っ込みたくなったのも愛嬌の内だと思う。
また、体の関係を持った女の子は全員嫁として迎えるという気概を持っているため、鈍感な主人公にイライラということも無かった。
主人公含むメインキャラクターの成長も、シナリオを通してしっかり描かれており、ヒーローものの特撮のような面白さもあった。
本作のシナリオは完璧な一本道となっており、各章でどのヒロインのイベントを閲覧しようとも、本筋に影響しない。
そのため、セーブ&ロードを繰り返して各章のイベントを網羅することにより(何度も戦闘を繰り返すことにはならないので、作業感は無く、時間も余りかからない)、CGや回想を一周でコンプリートすることも可能である。
ゲームパートの周回要素が薄く、何週もプレイするほどの面白さはなかったため、一周で全部回収するのをお勧めする。
ゲームパートは、典型的なユニットを動かすターン製のSLGで、バランスは非常に良く、クリアできるか否かという意味ではギリギリの勝負も多かった。
武器を購入するだけでなく、成長が遅れているキャラを強化することも出来る資金面に関しても、無理が無い程度に資金が得られる建築物を設置、防衛しつつゲームを進行すれば、余ることも無く、不足することも無い、程よいバランスの収入だった。
逆に資金面で余裕を持たせるために、全員生存時の収入1.5倍ボーナスを得ようとすれば、大概のステージでやり直しは必須で、援軍の回数、ボスや雑魚の動き出すタイミングを事前に把握することが必須となる。
バランスが良かった反面、本作では戦術、戦略面での自由度が低く、自由度を犠牲にした上でのゲームバランスだと感じた。
ユニット数が6人だけで、キャラ毎にある程度の特性が決まっていることや、マップの広さに対してユニットの攻撃範囲が大雑把、ターン経過でボスや敵援軍が収入源となる建築物を破壊し始めるため、急ぐ必要がある等の理由で、ステージ毎にプレイヤーが取れる戦術の幅は広くない。
攻撃範囲に関しては、遠距離の敵に反撃できる剣やナイフ、逆に隣接したユニットにも反撃できるレーザーやミサイルなどがコンスタントに手に入るため、遠距離ユニットが近距離で殴られようが、逆に近距離ユニットが遠距離から撃たれようが、大概の場合は反撃可能という大雑把なことになっている。
また、資金面や、一章につき、同じ武器を複数購入できない、何よりも装備の種類が少ない等の理由のため、装備面での自由度もそこまで高くは無い。
装飾品も、ユニット特性が、小型、中型、大型、飛行型という、4種類しかない上、自軍ユニットは小夜子のみ中型で、他は小型となっているため、敵に小型特効のユニットがいると、ほぼ全員に特効無効の装飾品を装備することを強いられるため、中盤以降は自由度が低くなってしまうのが残念だった。
ゲーム部分のUIに関しては使いやすいとは言えず、マップでの建設物の設置にしろ、装備品の購入、装備にしろ、使いにくかった。
また、戦闘マップのカメラの視点も見づらく、マップを四角形の4角から見るようなカメラ配置のため、頻繁にマップを回転する必要があり、また、狙い通りのマス目がクリック出来ないという自体も頻繁に生じた。
敵ユニットにカーソルを合わせたときも、移動範囲こそ表示されるものの、移動範囲+攻撃範囲は表示されないため、自分で敵ユニットのステータス画面で攻撃範囲を見て、計算するのは面倒だったので、カーソルを合わせたときに表示する仕様にして欲しかった。
ゲームパートを総括すると、一周する分にはバランスが良くて面白いが、UIの面倒さや、自由度の低さゆえに、二週目を遊ぼうという気にはならなかった。
一週目だと、援軍の量や、敵が動き出すタイミングが分からないので、色々予測して、考えながらプレイするのは楽しかった。
本作のグラフィック枚数は宇宙人の巨大兵器なども含めて104枚と、ボリュームはかなり大きかった。
グラフィックのクオリティは立ち絵、一枚絵共に非常に高くて良かったが、イベントグラフィックと立ち絵が別人に見えるということもしばしばあった。
また、立ち絵はアリスソフトに良くある、立ち絵が動かず、フェイスウィンドウの表情のみ動くタイプとなっている。
各話ごとに入れ替わる宇宙人はともかく、出番のめちゃくちゃ多い長官や、オペ子ですら立ち絵が用意されていなかったので、その分ヒロインの立ち絵はしっかり動かして欲しかった。
Hシーンは、ゲームジャンルにも関わらず、31回と流石の量で、質も悪くなかった。
Hシーンの服装は、通常時の制服や、戦闘時のコスチュームは勿論、訓練時に着るブルマでのシーンも用意されている。
また、ハーレムルート一本のお陰で3Pも充実しており、5回ほどある。
幸いなことに(不幸なことに?)、敗北時の陵辱シーン等は用意されていないが、ほのかの触手陵辱未遂、なつみと宇宙人のレズプレイ(洗脳状態での軽い陵辱)がある。
本作のHシーンで特筆すべきは小夜子のHシーンで、他のコスチュームが変わるだけのヒロインと違い、小夜子のみ巨大化して戦うため、巨大化した状態でのHシーンが結構な数ある。
主人公も一緒に巨大化して、衆人観衆の中、ビル街でHするという究極の青姦や、主人公は人間サイズのままで巨大な小夜子の体をクライミングしたりと、巨大化出来るという小夜子の特性を生かしたHシーンが用意されているのが良かった。
本作はBGMも非常に優れており、戦闘時のカッコいい音楽は勿論、それ以外のブリーフィング等のBGMも優れていた。
戦闘時の音楽はむしろステージ数に対して多すぎるんじゃないかというくらい用意されており、本作で1,2度使われただけでお蔵入りするのは勿体無いと感じるBGMが多かった。
コンフィグ面に関しても流石の老舗メーカーなだけあって優れており、通常のADVパート部分はもちろん、ゲーム部分の3D描画等に関する部分もしっかり設定できるようになっている。
・まとめ
シナリオは王道ながら、良く出来ており、キャラクターの成長等、戦隊モノに必要なお約束はしっかり押さえれていて良かった。
ゲーム部分は、自由度が低いため、周回性は低いものの、バランスは良かったので、一週目のプレイは楽しかった。