バカゲーが好きで、個別ルートより共通ルートの方が好きな人向け。
下ネタ中心のハイテンションバカゲーだが、寮生活、学園でのイベント等、しっかりと描写されていて、無理にシリアスなシーンを入れたりせずに、終始一貫してバカゲーという作品の方向性もしっかり一本筋が通っているので、バカゲーが好きなら楽しめると思う。
ストーリー中での期間は1年なため、学園もの定番の体育祭、学園祭(文化祭)等の一通りのイベントだけでなく、海旅行、クリスマス、年越しなど、色々なイベントが楽しめるのも非常に良かった。
ただ、イベントの数が多いためか、各ヒロイン毎のイベントは色々用意されているものの、尺が少し短めなのはちょっと残念だった。
また、公式HPで標榜している、「コミュニティ青春恋愛」というのも、しっかり達成されており、個別ルートに入った後も、共通ルートの賑やかなノリそのままなのも良かった。
個別ルートよりも共通ルートの雰囲気の方が好きという、自分のようなタイプの人間にはある意味理想の展開だった。
主人公はモテモテ、※ただし変人や変態に限る、という設定どおり、主人公の周りのキャラクター(主人公含む)は、変人、変態揃い。
また、茉莉を除いて同じ寮で生活しているので(実質大きめな家みたいなものだが)、学園だけでなく、朝から晩まで、バカをやっているのも良かった。茉莉もしょっちゅう入り浸ってるし、全ヒロインが一緒に住んでるみたなものかも。
ただ、学園生活はモブキャラに声もついておらず、存在感が希薄だったため、寮でも学園でも、主人公の周りにいる人間がほぼ同じだったため、モブキャラにも声をつけてもう少し存在感を持たせたりすると、学園生活と寮生活のメリハリがついたんじゃないかと思った。
恋愛部分に関しては、個別ルートも共通ルート同様、賑やかな雰囲気を継承しつつも、しっかりと描写されていた。
ただ、バレンタインやクリスマスなどの恋人定番イベントも、登場人物総出のイベントとキャラ毎の個別イベントで折半されているため、少々短めだった。
個別ルートは、それなりに普通の恋愛シナリオもあれば、性的知識皆無(常識も)の恋人に色々とHなことを教育していく幽霊ルートや、逆に主人公が調教されてしまい、挙句姉妹丼にまで及ぶ淫妹ルートなど、バラエティ豊富なのも良かった。
CG枚数は全部で74枚となっており、フルプライスものとしては標準レベルから、やや少ないレベルとなっている。
グラフィックの方は、正直に言って出来は余り良くなかった。
立ち絵は悪くなかったものの、一部のイベントグラフィックには違和感があり、肌の光沢(ハイライト?)も過剰で、肌の質感がプラスチックのような硬質なものに見えるのも残念だった。
Hシーン数は全部で38回とかなり多く、メインヒロイン以外のキャラクターのHシーンも何らかの形で用意されているのも嬉しかった。
ただ、オカズになるかというと、色んな意味で首を傾げざるを得なかった。
前述のグラフィックの件もあるが、尺が短いものが多く、内容的にもHシーンの導入部に情緒もへったくれも無かったりと、本編の雰囲気が割りとそのままのHシーンが多かったためである。ただ、シーンによっては面白いものもあるので、一概に悪いわけではない。
シーン内容的には、オーソドックスなものが多いが、妹のHシーンは、主人公が焦らし責めされたり、逆襲で主人公が妹を動けないように縛って玩具で責めたりするシーンもある。
システム面に関しては、しっかりしており、Hシーン中の選択肢を事前に選んでおける項目も用意されている。
また、起動モードでサスペンドを選ぶと、前回終了した場面から始めることが出来るようになっており、新興メーカー(多分)なのに、しっかりとしていた。
また、本作独自とまではいかないかもしれないが、カレンダー機能が思いの外便利で、いつでも好きなイベントに飛べるのが便利だった。
本作では好感度というものが存在せず、イベント(ヒロイン)を選ぶ時は好きなイベントを選べるのだが、この仕様と良くマッチングしており、未読イベントはカレンダー上でもでわかるようになっているため、未読イベントの回収に便利だった。
また、誰か一人をクリアすると、未クリアヒロイン含めて全てのイベントが解放されるので、未クリアのヒロインのルートを途中からプレイするという暴挙に及ぶことも可能となっている。
自分の場合、スキップしていると、吉里吉里のエラーログが出て、進行不能になり終了するしかなくなるということが何度かあった。
とはいえ、前述のカレンダーシステムと、既読フラグは終了の直前の分まできちんと保存されているので、そこまで大きな問題にはならなかった。
・まとめ
個別含めて、バカゲーとしての作風が一貫されているのが非常に良かった。
Hシーンやグラフィック面での魅力が低いのが少し残念だった。