いつもと違う原画家だが、グラフィックは素晴らしかった。ゲーム部分も歯ごたえがあり、やり甲斐は感じるが、周回する気は起きなかった。
まずシナリオに関してだが、01とタイトルに書いてあるようにランスシリーズの1作目のはずだが、物語のスケールは6,7,8と比べると小さめだが、全く同じノリである。
最初からランスはキースギルドに所属している冒険者だし、シィルも所持(?)している。
戦国ランスで氷付けにされ、ランスクエストではほとんど登場しなかったシィルがしっかり登場しているのは嬉しいのだが、6以降からしかプレイしていない自分としては、シィルとの出会いや、ランスが冒険者になったきっかけなどを期待していたのだが、そういうのは無し。
冒険者ギルドで行方不明の可愛い女の子(ヒカリ)を捜して欲しいと依頼されたランスがリーザスに出向き、女の子とHなことするために、シィルをこき使ったり、盗賊やモンスターを倒しながらヒカリを捜索するというシナリオ。
シリーズ通して重要なポジションにいる、リアやかなみとの出会いは描かれているので(かなみの出番は少ないけども)、そこは満足だった。
ただし、それ以外のヒロインはランスクエストでちょっとだけ登場したキャラクターか、6,7,8には登場してないキャラなので、個人的にはリメイクというよりは、普通に新作をプレイしてるのと大きくは変わらなかった。
リメイク前を知らない自分はこれで原作どおりなのかは分からないが、ランスの冒険者としての原点を知りたかった自分の期待とはちょっと違うシナリオだった。いや、これはこれで非常に面白かったので良いのだが。
25年と非常に長く続いていて、新規プレイヤーが入りづらいので、今作を機にランスシリーズをプレイしてもらうために、初代をリメイクしたというよりは、比較的新しいナンバリングのランスシリーズをプレイしている人向けのシナリオだと思った。
そういった意味では、シィルとの邂逅や、冒険者としてのランスの出発点などを描いた、最近流行のゼロを出すのはありなんじゃないかなと思った。
ゲームパートはバランスは良かったが、2週目をする気は起きないと言うのが正直なことろ。
ダンジョン、戦闘パートはバランスが良くて、しっかりレベルを上げて、アイテムや装備を揃えるとそこまで苦労せずにクリア出来るが、それでも油断しているとアッサリとやられてしまうことも。
強力な武器や盾には、その分クールタイムがあり、街に帰らない限りはリセットされないので、強力な敵と連戦すると、前の戦いのクールタイムが残っていて、満足に攻撃も防御もできずゲームオーバーということもしばしば。
ただ、大概の場合は、ゲームオーバーによる、時間のロスは10分くらいなので、ゲームオーバーはそこまで苦にならず、死んで覚えろ、な部分も結構多い。
カード選択式の戦闘のため、武器防具を装備するわけでは無いので、複数持っていくことも、同時に何枚も使用することも可能なので、間断なく、攻撃や防御を行うために複数持っていくことも可能である。ただし、その場合は回復、状態異常回避アイテムを持って行ける量が減ってしまうので、その辺りのバランスも割りと良かった。
ただし、創意工夫の余地は少なく、パーティーもランス一人で、誰も仲間にはならないので、何週もする気は起きなかった。
戦闘能力高そうな女の子が一杯いるんだから、パーティーを組めたらやり込み甲斐もあったのに・・・。
探索パートでは、街や城の各所に行って、会話をしたり、女の子に襲い掛かったりと色々出来るのだが、行ける場所もそれなりにあり、選べるコマンドもかなり多いので、結構面倒だった。
イベントの発生条件が分かり難いものも多く、時限イベントもそれなりにあるので、自分の場合は回想数が半分くらいしか埋められなかったのだが、探索パートの面倒さや、レベルとアイテムを次週に持ち越せず、やり込みも薄いとあって、少なくとも持越しできるパッチが出るまでは、2週目をプレイする気にはなれないと思った。
グラフィック枚数は込み込みで54枚。
魚介氏の描く原画のクオリティも素晴らしく、ランスシリーズといえば織音というイメージを吹き飛ばしてくれる。
個人的な希望としては、リメイクの原画家と平行して、次回作のランスでも、何人かのキャラクターの原画を担当して欲しいと思った。
Hシーンはランスシリーズの常で音声は無いものの、グラフィックとテキストは素晴らしいので、十分オカズとしても使える。
・総評
ゲームパートのバランスは良く、やりがいのある難易度だった。反面、やり込み要素に乏しく、周回する気は起きなかった。
グラフィックも素晴らしく、シリーズを担当している織音氏とは違う人が描いているが、ランスシリーズをプレイしていた人も全く違和感無くプレイ出来る。
シナリオは1作目のリメイクということで、ランスが冒険者を始めた経緯とか、シィルとの邂逅が描かれるかと思っていたが、そういうのは無く、いつも通りなシナリオだった。