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Predawnvagabondさんのおしえて☆エッチなレシピ -アナタとワタシのあま~いせいかつ!-の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
おしえて☆エッチなレシピ -アナタとワタシのあま~いせいかつ!-
ブランド
ひよこソフト桃組
得点
76
参照数
427

一言コメント

主人公を筆頭とする独特のキャラクターとテキストは良かったが、絵の出来のはバラつきがあるのは難点。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

・システム
コンフィグで設定できる項目は多い反面、細かい部分で気になる事も多かった。

コンフィグやセーブのボタンをクリックした時のレスポンスの遅さも気になったが、個人的に一番気になったのは、右クリックの機能がキャンセルとしてしか使えず、ウィンドウ消去の機能が割り当てられてないことだった。キーボードのウィンドウ消去のショートカットキーも「Q」という微妙なポジションのキーだったりで非常に面倒に感じた。

その他でもゲーム進行の上で致命的では無いものの、いくつかバグが見受けられた。

立ち絵が消えずに、その場にいないはずのキャラの立ち絵がいつまでも表示され続けたり、立ち絵の表情が変わる時に表情が変わるだけでなく、そのキャラの立ち絵全体が表示しなおされたり、更には背景の絵が間違っているものが表示されるシーンもあった。

いくら進行に支障が無いとは言え、凄い違和感を感じたし、興ざめに感じることもあった。

主人公が菓子作りにおいて、ちょっとした手抜きや焼き加減の違いで店の品格が決まるという旨のことを言っていたが、プログラムを担当した人にこそこの言葉を教えるべきだと思う。

・シナリオ、テキスト
傾いて、店をたたむ寸前の洋菓子屋が割りと簡単に持ち直したりとご都合主義的な部分も多少見受けられるものの、シナリオは期待していた以上に良かった。

店を建て直すためにフランスから呼ばれた主人公が、新作を考えたり、菓子作りを店の人間に教えたりするうちに仲良くなるというベタな展開ではあるものの、主人公が好感の持てる性格であることや、ヒロインとの独特のやり取りのお陰でシナリオは一定の評価が出来る。

この作品の見所はやはり、主人公とヒロインのやり取りだろう。
主人公の独特の台詞回しや、性格等の魅力が登場人物たちとの会話を通して際立っていた。
テンションのやたらと高い人物なので、ともすればウザく感じられるかもしれないが、同時に一貫してぶれることなく、決めるときには決める好感の持てるキャラなので、プレイしていて特にウザく感じることはなった。

主人公が目立つ本作ではあるが、ヒロインや、サブキャラも変わった性格のキャラが目白押しなのでそちらも楽しめると思う。

不満点は双子の舞踊姉妹の扱いだろうか。双子ルートに進むと他のヒロインがほとんど出てこなくなってしまい、逆に他のヒロインルートに進むと双子は全くと言っていいほど登場しなくなる。
他ヒロインのエピローグでバイトとして新しく入ってきて働いている描写があるので、本編中にバイトとして入って来るということにすれば、共通ルートや他ヒロインルートにも登場させることは難しくないと思うのだが・・・。

あと公式ホームページでハーレムルートありと書かれているが、双子やリンネとその友人である桃花との3Pはあるものの、ハーレムルートらしきものは無かった。

・グラフィック関連
このゲームで間違いなく一番駄目な部分だと思う。

立ち絵に関しては基本的に問題は無いのだが(一部キャラで裸立ち絵に違和感を感じたが)、一枚絵の出来は玉石混交でお世辞にも良いとは言えないものだった。

特に七里とリンネの一枚絵に関しては出来の悪い物が多く(他のキャラでも出来にバラつきはある)、逆に双子の舞踊姉妹の一枚絵は他に比べて全体的にレベルが高かったように感じた。
原画の出来が良いものでも塗りは標準的なレベルなので、絵に惹かれて買った人はガッカリすることになるかもしれない。

・キャラ
皆それぞれに魅力的。

いつか・・・天然を通り越して残念なおバカキャラ。そしてエロい。主人公と恋仲になると下ネタ言いまくりの主人公もびっくりなほど誘ってくる。

憂・・・主人公が学園生だった頃からの後輩。その頃から主人公のことを一目惚れで好きだったらしい。本編ではその思いをいい感じに爆発させてくれます。ムッとしたときなんかに釣りあがる目と眉が魅力的。

リンネ・・・無口キャラ。鼻歌を歌いながら調理を行い、そして調子に乗ってくると雄叫びを上げだす。何を考えているかわからないものの、主人公の言うことは良く聞く。回想シーン数、シナリオの長さ的な点で不遇なキャラ。

七里・・・主人公が恐れる存在。通称、ゆるふわカール。共通、他ヒロインルートでは割と強気で弱い部分は見せないが、七里ルートでは主人公に弱いところをいっぱい見せてくれます。本作において「比較的」真面目なキャラ。

舞踊姉妹・・・この二人だけ何故か独立した感じのシナリオ。二人で一人分のヒロイン扱い(?)なのに、舞奈、踊子、双子と3つのルートがあるので、一つ一つのルートが短いのが残念。

・回想シーン
ある程度のバラつきはあるものの、各シーンの尺は十分でテキストも良い。
好き嫌いが分かれる要素ではあるものの、声優も艶技の上手い人ばかりなので、そちらでも不満が出ることは少ないと思う。

ただし、イベント絵が安定してないので、テキストは良いのに実用性が低いという悲しい事態になることもしばしば・・・。