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PredawnvagabondさんのDies irae ~Acta est Fabula~の長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
Dies irae ~Acta est Fabula~
ブランド
light
得点
91
参照数
612

一言コメント

全体的にレベルの高い厨二作品。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

素晴らしき厨二作品。
戦闘シーンの描写も良く出来ていて、夢中になって読み進めた。
戦闘シーンでの詠唱もカッコ良かった。詠唱に元ネタがあるみたいだが、元ネタを読めばもっと燃えるのかもしれない。
世界観や設定等はそれなりに凝っているものの、主人公も最初は一般学生で、取得した能力に振り回されつつ、徐々に戦いの世界に馴染んでいくので、プレイヤーが設定が飲み込めずに置いてけぼりということは無いと思う。

登場人物は数がかなり多く、特に主人公に敵対する組織である、黒円卓の13人のうち、ヒロインでもある螢を除く残りの12人はドイツ人で名前が物凄く覚えにくい。初っ端からまだ登場すらしていない黒円卓メンバーの名前すら台詞上にバンバン出てくる上に、キャラ毎に呼ばれ方が2つも3つもあるので、結局名前をちゃんと覚えれたのは2週目終わりぐらいだった。
キャラの名前は覚えにくいものの、キャラ立ちは強力な人物が多く、顔は直ぐに覚えると思う。
特にヴィルヘルムやルサルカ、エレオノーレにヴァレリア辺りは魅せ場も多く印象に残った。

主人公に関してはウザかったり、ウジウジしていると感じないギリギリくらいの性格をしている。
誰かを切り捨てたり出来ない性格なので、決断に悩むことも多いが、結局失ってしまうか、そうでないかはルートによる。

黒円卓の面子が印象に残る反面、ヒロインはイマイチ印象に残らない。
特に香純が顕著で、本人のルート上ですらあまり活躍しない上に、主人公と香純以外は登場人物ほぼ全員死亡で敵は健在というお世辞にもハッピーエンドとは言えない終わり方で、ぶっちゃけ序盤で主人公が戦う動機のためだけに存在したようなキャラだった。
螢は活躍の場こそ多いものの、色々あってうだうだと悩む場面が多いので、あまり好きではなかった。
マリィと玲愛はヒロインとしても良かったし、ルートも良かった。とはいえ、二人とも戦闘能力は無いので、見せ場自体がそこまであるわけではない。


Gユウスケ氏の描くグラフィックは特に好き嫌いが出るタイプでは無いと思うが、特徴的で印象に残る。
エロゲーとしてみるとあれだが、HシーンでのCG数を少なめにして、戦闘シーンでのCGが多いのも個人的には嬉しかった。

BGMも素晴らしかった。特に戦闘で使用されるBGMが格好良く、戦闘用BGMだけでも数が多い(キャラ毎に用意されている?)ので、プレイ後にはサントラが欲しくなるかもしれない。