あそこまで面白いギャグがあるからこそ、Refrainの感動が際立つ。まごうことなきKey史上最高傑作であり、これを超えるボロ泣き作品は多分今後出ないんじゃないかなぁと思います。初回限定版特典のアレンジCD「semicrystalline.」は必聴。
何が見事って、野球と馬鹿しかやってないのに、あそこまでギャグが面白いこと。
個人的に思うのは、鈴のハイキックはあるとはいえ、Keyのギャグの中でも「自業自得」な面が多めで理不尽さが少ないこと。
CLANNADは春原が理不尽な暴力を受けていたし、Rewriteでは吉野がひたすらいじられていた(正直実際に受けるとすると吉野の方が色々キツイように思う)。
あれはもういじめの域であるが、本作のそれは真人が気付いてなくとも周りから見れば明らかな自業自得であるので、胸クソ感は本当にない。
それ以外のギャグもとにかく嫌らしくない。というより馬鹿やってるだけなのになんでこんなに面白いのか。
一方、評判があまり宜しくないとよく言われる個別ルートですが、自分はあれで大体いいと思います。正直Airの個別もあんなもんだったでしょ感が。中でも傑作は美魚。
そしてRefrain。いやはや、後にも先にもあそこまでボロ泣きするのは出てこないんじゃないでしょうかね。個別をああいう風にしていたのも、恐らく泣き所を一箇所に集約した結果かと。
CLANNADなんかはルート毎に泣き所があった分、After Storyの例のシーンは「泣かせに来てるぞ、泣けよ」感がどうしても来てしまった。
本作は、共通であれだけ馬鹿をやっていたという「日常」と各個別を繰り返す内に強さを手に入れていたのだけど、その強さがあったからこその感動かなと。
その後の救出編も蛇足という声がありますが、確かにあれで終われば物語的にはすっきりするかなと。でも自分は両方嫌いじゃないのであれでいいです。実際救えるとわかってまた泣けたし。
一応不満点も書いておくと、あまりにもフラグが多すぎてAを読むとBは二度と読めないみたいなのが多発したので、既読コンプ100%厨としてはメリハリつけて楽に既読100%を可能にして欲しかったなと。
以上、全く嫌味がないギャグとテンポのいいシリアスのメリハリがよく、積み上げてきたものを最後で一気に決壊させ泣かせにくる手腕に脱帽、というのが本作評です。
追記
「semicrystalline.」は本当に傑作。最近本作中古初回限定版が1000円下回ってることも珍しくないので、これ聴くためだけに購入しても損はしないかと。
追記Ⅱ
幼馴染萌えとしてはその点でも大満足。えぇ理樹鈴派ですとも。そうですとも。
追記Ⅲ
というわけでクドわふたーもそうだけど本当に鈴アフター的なもんが見たいんでだーまえまだですか? エクスタシー長文ではああ書いたけどやっぱりあの追加分だけじゃ足りないんだよ……っ!