プレイのきっかけはこの素敵な作品名から。 『それは舞い散る桜のように』 言葉として、音として惹かれるものでした。 そしてそれはまた新たな言葉と音へ続きます。 『けれど輝く夜空のような』 この先の物語に期待を寄せて。 貫く愛に希望を込めて。
正直言ってかなり好みの作品でした。
恋愛物語は甘いだけではなく、切なさや儚さがあってこそだと思っていますので。
リアルな表現ではないファンタジー要素が儚さに拍車をかけ、どうしようもなく心を締め付けてきます。この表現が素敵でした。
★ヒロインについて★
小町が頭一つ抜けて好きです。一途なヒロインに惹かれる自分としてはドストライク。
ストーカーの如く追いかけ、「面白い話し」の掛け合いが明るく軽快な調子。
でも実はちゃんと理由があるんですよね。主人公を想って身を引いたり、我慢したり。彼女の心中を思うと泣けてくるんですよ。
他にはかぐらちゃんとか。
幸せになってほしかった…。
★作品のタイトルについて★
『それは舞い散る桜のように』
消えてしまう「好きという気持ち」を桜の花弁に喩え、舞い上がる恋と散りゆく哀しみの物語を作品タイトルで表現した事が秀逸です。
それを顕著に描いたのが、挿入歌と共に流れる忘却の演出。
これが素晴らしい。まさに演出の妙。
育んできた好きという想いが零れ落ちていく様をムービーで見せつけてくる拷問。しかもスキップ不可。
大切な思い出がどんどん遡って最後には露と消える。
絶望に打ちのめされる気分で最高でした。
このムービーで心抉られているその時、ふと本作のタイトルが頭をよぎりました。そして悟ります。
あー、そういう事かと。
この作品のテーマが垣間見えたシーンで強いインパクトを残していきました。
★罪という名の追憶の罰★
そもそも舞人くん、過去に何かあったようですね。
これが本作最大の謎なわけですが。
人を好きになってはいけない呪縛。
どうか赦されてほしいと願ってしまいます。
ED直前に桜香が差し伸べた希望も何か含みを感じます。
彼女は舞人にとって大切な人であったのではないでしょうか。
涙を浮かべ笑顔で見送る姿はなんとも切ない。
彼女を犠牲にして掴んだ幸せ。
精一杯に笑う桜香に零れた涙が頭から離れません。
この心優しき少女に救いを。
この辺りは続編で明らかにしていただきたいです。
あと後半の駆け足の中身も…。
そうでないと胸につかえるモヤモヤは晴れそうにありません。
最後に。
続編『けれど輝く夜空のような』というタイトルはどこかしら希望の光を感じますね。
どうか幸せな物語であってほしいと心から願います。