スワッピングの入門編として優秀。 NTR要素ありとは言え、ここまで心が平常でいられるのも稀。 かなりの安心仕様と言える。 エロスの内容も非常によろしい。 ただ妻視点がおまけ程度で弱すぎる。 そこは本気を出すべきだったと残念に思う。
NTR要素はあるものの、心を掻き乱されるような焦燥感はほとんど無く、同ジャンルの中でも比較的に安心仕様に感じる。
スワッピングものの入門編として非常に優秀であった。
セックスパートナーを交換する背徳的なエロスこそスワッピングの魅力。
本作も例に漏れず、日常に潜む非日常の淫らな交姦が見どころだった。
シナリオ自体は王道だからこそ不満も少なく、非常に分かりやすくて好感が持てる。
Waffleブランドからリリースはされているが、内容はNTRものが充実するAnimブランドと似ているように感じた。
これはおそらくシナリオライターが同じだからだろう。
妻のゆかりを後輩に抱かせる嫉妬感は程よい塩梅で、NTRでの『ネトラセ』『ネトラレ』のどちらも心を砕くほどではなかった。
この塩梅がNTR玄人の諸兄には生ぬるく感じるはずなので作品評価を下げる要因となり、NTR初心者のヒヨッコには取っつきやすく、新たな扉を開くきっかけになるのかもしれない。
つまり、NTR熟練度で評価が分かれる作品であったと言えるだろう。
本作では3つのルートが用意されている。
その一つがゆかりと後輩(間男)のセックスの内容を事後報告される『ネトラセ』ルート。
愛する妻から直接聞かされるセックスの余韻は『ネトラセ』の醍醐味と言える。
自分以外の男に抱かれてしまった嫉妬心を煮えたぎらせ、獣のように妻を抱くことに興奮のボルテージを高めるのだ。
この事後報告にハメ撮り動画が用いられたのは、なかなか分かり手の采配で素晴らしい。
しかもハメ撮りの内容に隙間を持たせ、行為途中で録画が終了してしまうのも良い。
その後に何があったのか、嫉妬心を燃やすのに十分である。
次に語りたいのは、NTRの強みが存分に発揮される『ネトラレ』ルート。
このルートでのゆかりは、何かしら隠し事をしているのは明らか。
NTRものの楽しみとは、義憤に駆られながらも、愛する者が隠そうとする秘密の情事を覗き見ること。
実は他の男とセックスしていたという事実を目の当たりにすることで悔しさをにじませ、脳は破壊されるのだ。
本作では主人公自身も成り行きとは言え、妻に隠れて後輩の彼女である愛衣を抱いているのでどっちもどっち。
故に心への負担も極小となる。
この扱いに関しての意見が分かれるのは致し方ないだろう。
残るもう一つのルートに関しては円満なため語ることは特に無い。
さて、ここからは少しだけヒロインの魅力と構成にも触れようと思う。
ゆかりはエロゲの人妻ヒロインとして非常に優秀で、内に秘めた快楽への欲求がスワッピングにより解き放たれるのはエロ過ぎた。
声優の甘い喘ぎ声も魅力を底上げし、妖艶かつ淫らななかに愛らしさが垣間見えるのは本作最大の強みであった。
だからこそ、肝心のゆかり視点での2周目がおまけ程度の扱いなのは勿体無い。
妻と間男に何が起きていたかの答え合わせこそ、NTRもの最大の精神的な盛り上がりどころのはず。
そのご褒美をまさかのダイジェストで見せられたのは非常に残念だった。
主人公の知らない淫らな情事を、愛する妻の視点で心の声を含め赤裸々に示されるという、NTR本来の醍醐味がまるで無かった。
先述にシナリオに不満は少ないと申し上げたが、作品構成や演出に関してはどうしても不満は残る。
加えて後輩彼女の愛衣を抱く背徳感もあまり無く物足りない。
これは主人公が誠実な人間なので、快楽への遊び要素が少ないのが原因だろう。
とは言っても、愛衣はとても可愛らしい弱ロリ巨乳属性で、だんだんと快楽の喜びを知ってセックスに積極的になっていくのは非常に良かった。
シンプルにエロい。
エンディングを迎えるにあたり、途中でぶつ切りで帰結してしまうのは想像の余地を与えるためかもしれないが、後日談で取り返せない日常を見せてくれた方が満足度は高い気がする。
色々と不満は残るが実用性はそこそこある。
スワッピングものやNTR作品に興味はあるけど、まだ手が出せていなかったという方にはオススメしたい。
心に負担が少ない入門作品であったと改めて結論付ける。