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Peetaroさんの月に寄りそう乙女の作法2の長文感想

ユーザー
Peetaro
ゲーム
月に寄りそう乙女の作法2
ブランド
Navel
得点
89
参照数
34

一言コメント

つり乙はもはや文化である! 会話のセンス神でキャラの魅力は天上知らず。 心の底からすこぶる楽しかった。 大変に気分がいい。 この世に生きとし生ける全ての人々よ。 頼むからつり乙やろうぜ。 まじで面白いから。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

※note感想ブログからの一部を入力します。


本作の印象を簡潔に述べるのであれば、
”つり乙2はどこまでもつり乙しててやっぱりつり乙だった”でしょうか。

え?なんですか?って思いますよね。
ちょっと説明させてください。
前作の『月に寄りそう乙女の作法』は心を動かされる恋愛物語であり、夢を掴むサクセスストーリーであり、優れたエンタメ性を発揮する極上の会話劇でした。
その全てを結実したつり乙最大の魅力が、”登場人物たちの圧倒的な存在感”で、これこそつり乙をつり乙たらしめていたと言えましょう。
本作もこれに倣い、内容は変われど全く同じ感想を持ちました。
感情面で共通するのは「めちゃくちゃ面白かった」ということ。

クローズアップされるのはやはり会話劇の面白さ。
ただ、これも面白かったを述べる中での一つの要素にすぎず、つり乙の持つポテンシャルは底が知れないわけです。

本作の主人公・桜小路才華(小倉朝陽)は、前作の主従コンビであるルナ様と朝日の子供ってとこからテンション上がりますし、世界で一番と二番目に美しい父と母への愛を語るだけで前作ファンを全肯定してくれるのが嬉しすぎるんですよ。

オマージュというのは言葉が正しくありませんが、作品からあふれる敬意の念を確かに感じ取ることが出来ます。
おそらくこれはつり乙ファンに向けた敬意でもあるのでしょう。
だからこそ我々プレイヤーは、つり乙キャラの世代交代を受け入れることが出来るわけです。
『つり乙』『乙りろ』との繋がりにニヤニヤしながら、新たな物語が紡がれていく。
こんなの面白いに決まってますよ。当然です。

2代目になる小倉朝陽(桜小路才華)は父譲りの精神的な美しさと思いやり、母譲りの美貌と気品高さとS具合が融合し、見事なまでに最強主人公をしていました。
その朝陽が強い意志のもと能動的に行動し、愛を与えていく。
正史はエストルートで疑いありませんが、各ヒロイン個別ルートの全てがヒロインの魅力を引き出していて満足度の高い物語でした。
それぞれで繰り出される掛け合いも、キャラの色で鮮やかな色彩を帯びるようで心奪われるもの。
あー、これがつり乙だよなーって感動に震える明確な理由となりました。
やっぱりつり乙2はつり乙しててつり乙なわけです。