アクションものや推理物としてみるとあくまで2流だが、ストーリー構成は秀逸。もう少しタイトルに気をつかってくれれば・・・。
同人ゲームの中でもかなり高い評価を得られている本作品だが、その点数に恥じない作品だとは思う。
最初の主人公の圧倒的な力、能力を見せつけたうえで、叩き落し ホームレス生活を体験させる。
何故そのような自体になったのか、徐々に明らかにしつつ、ホームレス>バイト>ボディガードと物語の
核心にせまっていくストーリー構成はまさに秀逸。
ヒロインである永遠は魅力的なキャラであり、ちゃんと『読者に守ってあげたいと思わせる』魅力があり
その事件には裏にはさまざまな人間の背景や希望、嫉妬、絶望が見え隠れしており読み物としても面白い。
また、事件が解決されてもその後に残された問題に立ち向かい、最後には大切な仲間達との時間。
アクション作品だと思わせておいて、本当はもっと違った心温まるストーリーだったのがさらに評価を高く
しているのだと思う。
もちろんアクション作品としてみてしまうと、バレバレの内通者とか丸分かりな犯人とかこいつは死ぬだろうなー
とか簡単に分かってしまい物足りないと思うが、そういう観点としては重要視していない。
ただ、この作品で最も足りないものがある。それは『タイトル』
『僕はキミだけを見つめる』とあまりに関連性が無いことだ。この言葉を象徴するシーンが
主人公と永遠、美夜とひまわり だと思うんだがどちらもタイトルを印象付けるにはいたらなかった。
主人公の一人称、僕じゃなくて俺だし、見つめるっていうか身体を張って守るタイプだと思うし。
美夜とひまわりについては最後の一枚絵でその印象はなくなってしまった。
大変惜しいことにタイトルさえ内容にあっていれば、タイトルをもう少しだけ意識して演出を考えていれば
もっとよい作品になっただろう。
君が望む永遠、この世の果てで恋を唄う少女YU-NO、DESIRE ~背徳の螺旋~ 等々名作と呼ばれる作品は
タイトルも凝っていたりするが、この作品の内容がタイトルと深く関わっていると作品になお重みがでてきたと思う。
辛口批評ばっかりになってしまったが、作品に対する意気込みや構成、キャラ作りは素晴らしいと思うし
値段も安いためコストパフォーマンスは高い。
サークルHPには続編というか外伝である新作が告知されているので楽しみにしたい。
できれば、縛りがある続編ではなくまるっきりの新作を作ってほしいと感じていたり。