『純真キャラ』×『努力・奇跡』×『歌』=『感動』 という余りに安っぽい組み合わせなのだが心に響くものはあった。足りないものは多いがそれがゆえに不純物も少なく、ただひたすらに真っ直ぐな物語。
初ブランド初作品ということで、違う意味で期待していたのですがそれとは別の形で期待に答えてくれました。
ぶっちゃけ、友情ゲーやまったりゲーを期待していたのですが、どちらかというと感動ゲーに入ってくるとは思っていませんよ。
足りない物は多いですが同時に不純物も少ないため、物語全体の嫌味・ラストシーンでの不自然さ・ご都合主義さが感じられず素直に受け入れられたことがよかったのでしょう。
それとやっぱり歌の力は偉大です。
『Shining Everything』はこの作品を最も表現しており、ここぞというところで流れる素敵な曲でした。歌手がPRIKOって何かの偶然ですね。
その他にも出来の差はありますが10曲くらい歌が入っているのでこれだけでも十分評価できるでしょう。
シナリオについて。
選手生命を不幸な事故で失った主人公がコーチとなり弱小・無名チームを育て上げ、駅伝大会に参加するという、どっかで見たことあるようなシナリオ
そして途中でわだかまりがあったり挫折があったりとお決まりのパターンです。
麗シナリオからプレイしたのですが、主人公が●●●だと判明した瞬間にあまりにもアレ展開過ぎてプレイを中断してしまいました。
他レビューア様のおかげでどうにかクリアすることが出来ましたがちょっとこの展開は直球すぎ&狙いすぎなので引く方もいるかもしれません。
幸いなことにその後の展開も直球勝負だったので全体がかっちり噛み合ってテンポと心地がよいシナリオ+演出になっていたと思います。
攻略ヒロインが4人おりシナリオ展開は似ていますが、ランナーの順番が変わったり主人公の行動が変わったりして飽きはしませんでした。
これが5人6人となれば分かりませんが、4人という数はちょうどよかったかもしれません。
更なる高みを目指すならばヒロインと主人公が結ばれるところまでの描写・仲間内での喧嘩や分裂などの『不純物』が必要になってきます。
これを上手に取り込み昇華させたのならもっと名作になったのではないでしょうか。
この作品の良さとして『不純物』の昇華には目も向けなかった潔さ・真っ直ぐさはありますが、是非次回作では挑戦してほしいですね。
まとめ。
今時珍しい直球勝負ゲーのため、初回プレイの中盤を除けば、受け入れられやすい『良い話』だと思います。
初作品かつ直球勝負の素材だけでここまで仕上げたことは褒められるべきでしょう。
次回作ではより高みを目指すために変化球勝負も出来るようになってほしいですね。次回作にも期待です。