客観点:48 主観点:48 狙ったにせよ狙ってなかったにせよ、このゲームはこのシナリオだからこそよかったのではないかと思います。
5月末にはそれなりに多種多様のエロゲが発売されたように記憶していますが
やはり売れたのはG線・ef・ウィザーズクライマー(+エロじゃないけどアマネカ)だったように思います。
29日発売なのもあるかもしれませんが、このサイトではG線をやっていらっしゃる方、あるいは
G線を先に始めた方が多いようで、efの方が楽しみだった自分としては少し寂しい気もします。
自分もG線を買ってはいるのでこれからやりますが、その前に備忘録代わりに、ということで以下感想です。
以下は軽~いネタバレです。ご注意ください。
正直、あまり書くことないんですよね(笑
というのも、個人的にはキャラクターの魅力・原画/CG・演出・システム・音楽は全てSSクラスと言っても過言ではなく
問題というか評価が分かれるのはシナリオだけだと思えるからです。
firstでは一章・二章ともにヒロインと主人公が両方とも好きになれませんでした。
成長が前面に押し出されていて、若者が挫折やひねくれる描写が多かったせいかもしれません。
が、latterでは登場人物全てに好感が持てました。
latterは成長はもちろんありますが、それ以上に、何かトラウマや障害・病気の克服といったように救済・救いの物語であったためか、
登場人物に迷いこそあれど、どこまでも真っ直ぐに問題にあたろうとしていたように思えたので、見ていてとても爽やかでした。
遠回りでも、目の前に答えがあるのに踏み出せなくても、問題に愚直なまでに真っ直ぐあたろうとするキャラは、それだけで好感を抱きました。
その魅力あるキャラクターを描く原画・CGは申し分なく、それをうまく魅せるための演出も完璧、舞台であるBGM・背景も言うことなく
そのプレイ環境をサポートするシステムも優秀で、ムービーは業界トップクラス。
主題歌だけはあまり耳に残りませんでしたが、逆に不快にもなりませんでしたので、及第点程度はあるのではないかと思います。
問題となるのはシナリオ。
後述の理由でボロ泣きしてしまった私としては、100点中95点程度あげたいところではあるのですが
客観的に見れば、正直そこまで大したことやってないんじゃね?とも思える出来ではあります。
が、つまらないだけなら少なくとも18歳以上のいい年した男が泣くだけのこともないですし
大したことやってないのは学園物の大半がそうです。
ですが、学園物やストーリーそのものは大したことない作品にも、名作は多々あります。
すなわち、ゲームの面白さはストーリーそのものより、ストーリーをどう魅せるかにこそあるのでしょう。
その点で言えば、latterは素晴らしい、と言っていいのではないかと思います。
御影氏と鏡遊氏がそこまで考えてシナリオを作成したのか、私には知る術がありませんが
演出の技巧をこらしたこのゲームには、説明的なテキストが下手くその御影氏にはピッタリだったのではないでしょうか。
最低限のシナリオさえ膨らませれば後はキャラが勝手に動いてくれるので、結果余計な贅肉がつかず物語に没頭できたことはそれだけで評価できると思います。
シナリオ自体は平凡でしたが、うまく魅せれば一流であると、まるで丸戸氏のゲームのように思えました。
物語自体がおもしろそうであるG線が人気なのはわかりますし、私もやりたくてウズウズしてますが、(笑
こういうゲームもありだと、私は思います。
主観点は、七尾奈留女史と優子さんの黒髪ロング補正という個人的好みが多分に入ってしまっていますが
少なくともfirstよりは面白くなっていると言っていいと思いますので、firstやった方はぜひlatterをやってみてはいかがでしょうか?
※以下重大なネタバレ感想です。プレイ前の方はプレイ後にご覧ください。※
音羽の街の設定や、優子さんの死は季節感の矛盾やOPでなんとなく読めていたんですが
優子さんがあんな人だったとは。
何も望まないとは言っていましたが、アレは火村が凪選んでたら完全にヤンデレ化していたような気がしてなりません。
優子さん好きの私としてはビックリな設定でした。
火村夕はまれにみる素晴らしい主人公であり、同様に優子さんも素晴らしいヒロインでした。
作品のテーマ的に、願ってはいけないことなのでしょうが、それでも火村夕と雨宮優子が幸せになる物語がIFでもいいので見たいです。
演出がよすぎたせいで、優子さんが交通事故に遭うシーンではボロ泣きでした。
また、Hシーンの優子さんの好き好き連発に対する火村の言動と態度(一切好意を口に出さない)的に、
「愛してる」は最後だろうなー、と予想できていましたが、予想していてなお感動してボロ泣きでした。
あれだけ重くて美しい「愛してる」は、伏線も相まって、弱くなっていた涙腺を直撃しました。
奇跡は起こりましたが、このくらいの方が余韻もあっていいのかもしれませんね。
上記のように、2人には幸せになってもらいたかったんですけどね……。
長文かつ駄文にここまでお付き合いくださった方、ありがとうございました。
プレイ前お気に入りキャラ:雨宮優子/火村夕
プレイ後お気に入りキャラ:雨宮優子/火村夕/広野凪
2009/03/26 文章中の表現の間違いを修正。