客観点:37 主観点:34 前作で素晴らしいヒロインだった華琳様が今回は英雄(ヒーロー)として活躍してくれました。
キャラゲーとして素晴らしい完成度を誇っていた前作から早くも1年半。
前作はキャラクターが非常に魅力的であるが故に日常シーンが実に楽しく
本作はその日常というかドタバタ中心ということで期待をしていました。
関羽とか呂布等の問題はあったにせよ、日常シーンの出来やその方向性は間違っていなかったと思うのですが
本作では問題点が別のところに発生しており、のめりこむことができませんでした。
ある意味で、恋姫シリーズが本作で一区切りなのは英断なのかもと思いつつ以下感想です。
個人的には、上述した問題点さえなければ主観点45以上付けてもいいくらいの出来だと思った本作なんですが
前作真・恋姫無双にはなかった問題点のせいで好きなはずの日常がどうも薄っぺらいものに感じてしまい……。
その問題点は大別して2つ、「キャラが記号化されすぎ」ということと「主人公の立ち位置がわからない」ということです。
前者ですが、登場人物全員ではありませんが、おかしいキャラは明らかにおかしい。
郭嘉(稟)の鼻血ネタであったり、夏侯惇のバカ(脳筋)ネタであったり、周泰(明命)のお猫様ネタであったりと
キャラクターの特徴がそれ1つしかないかのような描写のされ方です。
私が好きになったのは勇猛果敢ながらも華琳様には翻弄され、一刀とはかみ合わない言い争いをする夏侯惇将軍であって
一刀はおろか部下からも脳筋扱いされ呆れられる、武(とフィギュア)にしか秀でるもののないアホの子ではないのですが。
前作でもアホの子イベントはありましたしそれはそれで好きなのですが、本作においては限度を超えていたように思います。
もちろん主人公も例にもれず、ことあるごとに三国一の種馬と言われていますがヒロインの描写と合わさりさすがに辟易。
アレは華琳様が嫉妬することになった噂であったり、荀イクが罵倒する時にアクセントで使うからいいのであって
ヒロイン達全員が共通認識として持つものではないように思うのですが(本作がギャグベースだとしても。)
ヒロイン達本当に一刀好きなの?と首を傾げたくなる描写ではありました。
本作はキャラクターの個別イベントが多くて3つほどでしかも1回はえちぃが絡むので、それぞれのキャラクターの目立つ部分を
個別イベントにて押しだしたいのはわかるのですが、それしか描写されないのではイベントが不自然にならざるをえません。
もっと気を使ってほしい部分でした。
後者に関しては、一刀は三国の象徴として祭り上げられているのですが立ち位置が不透明すぎて八方美人キャラになっています。
三国キャラ+α全員と仲良くするのがそもそも矛盾しているとはいえ、それでもなお違和感を覚えます。
ただただヒロインに甘いセリフを吐いて優しいだけじゃなかっただろ、僕らの一刀さんは!!
結構甘い描写が多かったように見受けられたので、蜀ルートの延長上の一刀さんなのかもしれませんが
それを差し引いてもなお主人公らしい見せ場等が少なく、無条件で持ち上げられすぎなように感じてしまいます。
ヒロイン達は一刀のためとはいええらい馴れ合いっぷりですし、余りに緊張感がないので三国別の物語の方がよかったように思います。
ここまで問題点を語ってきましたが、それでもやはり世界観およびキャラクターの魅力はさすが恋姫ワールドと言っていいレベルで
一点特化させられたキャラを除けば、おおむね見たかった日常や新しい魅力が見えてきて満足でした。
特に華琳様はイベントこそ良くも悪くも普通のものしかありませんでしたが、予告通りちょっぴりドジっ子属性であることの発覚以外は
前作と変わらない魅力を存分に発揮されておいでで、上記のヒロインに関する不満が募ってしまいがちだった本作において
数少ない前作以上の魅力あるキャラとなっており、私にとってはまさに英雄でした。
2作品でヒーローとヒロインを兼ねるとか、華琳様おそるべし。
その他の欠点としては
・イベントが総当たりで進行していくので、好きなキャラのイベントが最後あたりになる可能性がある
・そもそもイベントがないキャラがいる
・某双子の姉妹を除きえちぃを各ヒロイン1人でこなそうとした結果、イベント数が膨大になったため、日常イベントが圧迫されていて薄い
・ゲスト原画家さんを除き、原画家のタッチが変わりすぎていて立ち絵とCGがもはや別人のように感じる(場合がある)
・曹操が相変わらず可愛すぎて俺の嫁と言わざるをえない
といったところでしょうか。
恋姫ワールドの集大成としてはイマイチとしても、公式SS集くらいに思っておけば損はしないと思います。
質より量、ということで気に入る話が誰でもいくつかはあるのではないかと。
恋姫ワールドの雰囲気や世界観が好きな方はぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。
ただし、関羽(愛紗)・呂布(恋)・鳳統(雛里)・孫策(雪蓮)・華雄がストライクゾーンな方は購入を十分に検討された方がよろしいかもしれません。
※以下重大なネタバレ感想(とチラシの裏)です。プレイ前の方はプレイ後にご覧ください。※
正直鈴々等々、個人的にあまり好きではないキャラはえちぃシーン速読で斜め読みしましたし
えちぃシーンがないキャラがいること自体は例え好きなキャラであっても特に問題に思ったりはしませんが
さすがに個別イベントが1つもないというのは、無印恋姫無双からがんばってくれた関羽が可哀そうな気が……。
今回、専属原画家さんの絵柄がずいぶんと変わり、違和感を覚えることが結構多くありました。
いい意味で安定していた原画家さんがゲスト原画家のお2人(さえき北都さん・しのづかあつとさん)ってのもどうなんでしょうか。
今回一刀さんが某掲示板ネタ等を多用していましたが、それに頼りすぎるとキャラが軽く見えてしまうのでちょっとどうかなと思います。
今回がギャグベースだということは承知していますがここぞ、という時くらいでよかったような気がします。
しかし、まさかの十万石饅頭ネタにはさすがに笑わせてもらいました。
真桜の声優さんが水鏡さんから変更で少し声質が軽くなっていたように感じました。
水鏡さんに似せようと春乃いろはさんもがんばってはいたのですけど、少し残念です。
結局、最後の最後まで一刀に好きとも愛しているとも言わなかった華琳様。
その意地っ張りぶりに今回も見事にKOされました。可愛いよ華琳様。
真・恋姫無双のFDだとわかってはいつつも無印恋姫の左慈・于吉や大喬・小喬の登場を
少し期待してはいたのですが結局出ませんでしたね。残念です。
最後の最後のCGが雑誌等で既出のものだったことに正直落胆を覚えてしまいました。
そこは感慨深くさせるためにも最後のCGは発売まで見せないでほしかったなぁ、と勝手ながら思ってしまいます。
七乃のえちぃ、下着うんぬんとテキストにはあるのになぜかCGは下着全脱ぎのもののみ(差分なし)。
発注ミスなのか時間がなくて多少手を抜いたのかはわかりませんが、残念でした。
テキストの「それより」をしっかり「そ・れ・よ・り♪」と読んでる孫権(風音さん)やりおる!
この他にも、本作はいい意味で声優さんの力を感じることの多いゲームでした。
焔耶・稟・美羽・七乃の4人で、いわゆる中の人(の生き別れの双子の妹)が某偶像達人に出演しているキャラでアイドル育成計画のイベントは
さすがに狙いすぎだったんじゃないかと思いつつも、結構楽しませてもらいました。恋姫無双だとこうなるのね(笑
なんだかんだで終わった後寂しくなるくらいには恋姫ワールドが好きでした。
いずれまた恋姫キャラに出会えるといいなと思いつつ、とりあえずはBaseSonの次回作に期待です。
長文かつ駄文にここまでお付き合いくださった方、ありがとうございました。
プレイ前お気に入りキャラ:曹操/孫権/孫尚香/甘寧/呂布/夏侯惇/楽進
プレイ後お気に入りキャラ:曹操/孫権/孫尚香/甘寧/呂布/夏侯惇/夏侯淵/楽進/張勲/張角/張宝