絵の力だけでギリギリプラスに持っていった作品。
「そういうキャラ」だからという言い訳が通用しないほど、登場時人物に知能があるとは思えない言動が目立つ。あまりにも自己中心的なキャラばかりで、とてもじゃないが感情移入できない。言い方は良くないが、特別支援学級の生徒が頑張って悩んでドラマを演じているとしか思えず、動物園を見ているみたいであった。ストーリーも、どうでもいいシーンの描写は長々とするのに対し、肝心の心の動きや重要なイベントシーンの文章は足りていないという感じ。シーン切り替え時のタイトルコールはスキップできないのがテンポを悪くしている。さらに、その間のクリック入力が蓄積されることで次の章の最初の文章は勝手に送られるというイライラつきだった。
ただ、これらマイナスを補ってギリギリプラス評価まで持ち上げる絵の素晴らしさ。特に先輩のキャラデザはぶっ刺さった。「絵だけ」という先人の評価通りのゲームという印象。絵に魅力を感じれば、放棄せずにプレイできると思う。