純粋にシナリオだけで見れば紅月の方が好きだが、恋愛要素も含めれば本作の方が面白いかも。撫子が可愛いし、過去のこのシリーズが好きならお勧めです。
KATANAシリーズの5作目。一応めくいろ、椿恋歌、ゆれあかはプレイ済み。前にも書いたがこのシリーズはあくまで刃道というスポーツを見るのが楽しいシリーズだと思っているので、妖怪系統の話はあんまり好みではない。そのため今作でもパルヴィールートはあまり楽しめなかったが、小鞠ルートと撫子ルートはかなり楽しくプレイ出来た。
まずシナリオについてだが、今作の特徴はやはり主人公がヒロインと戦うというところにあるだろう。めくいろでは主人公は裏方で戦わなかったし、ゆれあかでも主人公は先生だったため同じ土俵で戦うことはなかったので、今作でようやく戦ってくれて嬉しかった。なんだかんだ戦わないと空気になりがちなので、今作みたいに下剋上を掲げてカッコよく立ち回り勝負に勝って行く主人公は最高に良かった。
また、かなりコンパクトに話がまとまっていてダレルパートが無かったのも良かった。とにかく試合を立て続けにやっていて日常パートもそんなに多くなく、かなりライトな文章で描かれているので人を選ばず読めるのがいいかなぁと思った。ただ逆に戦闘シーンが結構長くキャラクターの掘り下げ等も基本ここで描写されるので、ここに魅力を感じれない人には向かない作品なのかもしれないとは思う。ただ戦闘描写は歴代のKATANAシリーズとさして変わらないと思うので、KATANAシリーズの刃道パートを楽しめるひとならほぼ間違いなく楽しめる作品だと思った。
最後にキャラクターについてだが、これもかなり良かったと思う。ゆれあかの時もそうだったがサブキャラを含めあまり嫌いになるキャラはいなかった。特にメインヒロインの撫子と小鞠は歴代ヒロインと比べてもかなり可愛く良かったと思う。また過去キャラクター(特にゆれあか)の現在を匂わせるような描写や登場シーンが多かったのも良かった。特に旭に関してはかなりのキーパーソンとして登場しており、前作のキャラクターの成長した姿を見れるのは過去作ファンとしてはにっこりできるモノだったと思う。主人公も前述した通りヒロインのために命を張れる超イケメンなのも良かった。強いといえば、英いぶきや渋沢ニーナの登場回数が少なかったのでもう少し掘り下げがあったら良かったのになぁと思った。
纏めると、KATANAシリーズに求めてたのは揃っていたので個人的にはかなり満足。このシリーズは緻密な心理描写やらメッセージ性があるといったわけではないので、どうしても心に残る話にはならないがこういうラノベ感覚で楽しく読めるエロゲは貴重なので、続いて欲しいシリーズだと改めて感じた。