いやあ、人妻って本当に良いもんですね。
私が抜きゲーをやる際に重視するのは、絵やシチュの好みを除けば次の要素。まず、音声を含めたエフェクトが充実しているか。次にシステムが快適か。最後に、Hシーンに意味があり、大切に扱っているか。つまり、絵柄とシチュが好みで、エフェクトとシステム周りが充実していて、Hシーンが単発使い捨てではなくキャラとのHが次第に深まっていくようなしっかりした流れのある作品であれば申し分無いわけだ。とはいえこれらはあくまでも理想論。現実には何かしら駄目なところに出くわす。だが本作は欠点らしい欠点が無く、これらが高いレベルで綺麗に纏まった秀作。実用性も含めて満足のいく出来映えだった。
榊原健介は人妻大好きで並外れた性力を持つ貧乏学生。バイトをクビになり途方に暮れていた。そんな時、住込みで働けるマンション管理人のバイトを発見。祈るような気持ちで応募したところ、オーナーである鳳麗奈のとんでもない「面接」を経て、見事に合格してしまう。そのマンションには個性的な住人が住んでいたが、特に健介が気になったのは、元カノで今はお見合い結婚をした高牧沙織、幼馴染みでこれまた人妻の今枝春海、子持ち未亡人の笹原悦子、男嫌いのキャリアウーマン芦田志乃の4人。それぞれに悩みを抱えるヒロインたち。管理人として手助けをしていく中で、健介と彼女らとの間に関係の変化が訪れはじめるのだった……。
人妻もの、しかも旦那アリとなるとハードなNTRを予想するだろうか。確かにプレイ内容はハードなものも多いのだが、本作は凌辱展開には行かない。
掲げられる健介の至上命題は、ヒロインたちを幸せにすること。その証拠に、たとえば選択肢で浮気をするとBADEND行き（一部例外を除く）。健介はマンションの他の住人達の力を借りながら、時には類い希なるチ○ポにモノを言わせ、ヒロインたちの悩みを解決。身体と心を溶かして行く。旦那の前でのH、屋外露出プレイ等鬼畜な内容は多いものの無理矢理感は少なく、明るく楽しいHが基本だ。普通に考えたらどう見ても酷いEDでも、微妙にいい話っぽくまとめているものが幾つかあって笑いを誘う。
沙織と春海のシナリオは、夫とのすれ違いに悩む二人を慰める話。もちろん、性的な意味で。やってることは完全にただの間男なのだが、なぜか美談になるのがいかにもこの作品らしいところ。夫との情事を覗き見るシーンがあったり、夫の前でセックスしたりといったシチュがある。
悦子シナリオは、盛りを過ぎたと自身の「女」を諦めている悦子に、「この肉のたるみも人妻の醍醐味」と言ってのける健介がアプローチ。熟れた身体をもてあまして自慰に耽る姿を目撃したところから始まる。亡夫に操を立てる彼女をあの手この手でなだめすかしてHに。この手のキャラのお約束通り、まずはお尻のお付き合いからスタート。徐々に慣らして本番を目指す。展開次第では、どう見ても中○生にしか思えない娘の優とのHを見せつけたり、母娘丼もあり。EDで乳首の色が変色しているのが、凄い細かい演出だなあとかなり真面目に感心した（これにはきちんとした理由があると思う）。
志乃は、唯一の非人妻キャラ。とある理由から極度な男嫌いを発症しており、健介に厳しくあたる。どうやら会社でもそれが原因で上司との軋轢が絶えないらしい。日頃の腹いせにちょっとしたイタズラをしたことで志乃と性的な関係を持った健介は、彼女の男嫌いを治すべく快楽調教をスタート。従順なメス犬に仕立てていく。志乃の部下の青年（犬塚）との3Pに行く選択肢も用意されている。
シナリオを分岐させる選択肢は合計5回。4回でヒロインが確定し、最後の1回でEDが分岐。各ヒロインごとに絡んでくるサブキャラがおり（たとえば悦子なら優、志乃なら犬塚）、最後の選択肢はそのサブキャラを使うかどうかの決定になる。ただし、1つだけ2人を同時攻略しないと入れないルートが存在する。CG・シーンが埋まらないという人は、共通性がありそうな2人を同時に愛してあげると良い。
シナリオが凄く良いとか深い内容が描かれているというわけではない。どちらかといえば単におバカなノリなのだが、コンパクトにまとまったストーリーがヒロインそれぞれに展開され、「ちょっと良い話」的なノリを楽しめる。少なくとも、ちょちょいと安直なストーリーでお茶を濁して終わらせようという手抜きが感じられないのは好感度が高い。また健介への呼び方が変わるなど、ちょっとした感情の変化の描写もあってなかなか心憎い。合間には変人揃いのマンション住人達とのコミカルな日常が挿入されて中だるみを防ぐ。もちろん、住人たちとのHもあり。
Hシーンは、さすがのくろあぷクオリティ。CG差分が大量で、精液の鼻ちょうちんなどシーン内で変化が細かく描写されるのが嬉しい。一部構図が苦しくて健介の絡みに無理がでたりもしていたが、許容範囲だろう。また、声優さんの演技もかなり上手。アヘ声も単調にならず、快感に振り回される時のグラデーションが上手く出ている。ぶっちゃけ声だけで抜けちゃいました。イクときの表情は、アヘ顔とノーマルが半々くらい。アヘ顔のほうは舌をつきだし目を剥いて盛大に表情が崩れるので、苦手な人は厳しいかもしれない。だが本作の見所は、アヘ顔よりもノーマル。恥じらいながら感じている表情が丁寧に描かれていてかなり私好みだった。なお後述するが、アヘ顔はON/OFFが設定できる。
システムは定評のあるクロックアップだけあって、基本的なところは揃っている。快適スキップで周回プレイも楽々。キーボードでのショートカットにも当然対応している。アヘ顔が苦手な人は「アヘ顔差分を表示する」のチェックを外せば見なくて済むなど、Hシーンに関してはかなり細かい設定ができるのも嬉しい。オートセーブのタイミングも任意指定可能。もちろん、恒例の緊急回避機能（ESCキーを押すことでゲームとは全く違う画面に切り替わる）も健在なので、家族の集まるリビングやひっきりなしに人が後ろを通るような職場でも、安心してプレイできる。見つかった時の責任は負いかねるが。
なお、面白かったのが新機能として搭載された「縦置きワイド画面」。従来は横置きで画面の下部に固定されていたメッセージ窓を、16:9のワイド表示にしたとき余白として余っていた左右のスペースに縦置きすることが可能になった。これによって、いままではウインドウを消去しなければ見えなかったCGの全体像をテキストと同時に見られるというわけ。使ってみた感想としては、正直言ってやや見づらい。慣れのせいもあるのだろうが、文字を追いながら画像を見るには横の幅が広すぎた。ただ、やりたいことは理解できるしHシーンだけ切り替えるなどの使い道はあると思うので、今後に期待が持てる。とにかく、Hシーンを快適に見るための工夫に心血を注いでいることがうかがえる、非常に行き届いたシステムである。
冒頭で述べた通り、本当によくまとまっている。あえて不満を挙げるとすれば各キャラの衣装が少ないことだろうか。シーンの大半が裸かそれに準ずる姿で、着衣派下着燃え族の私としては少々物足りなかった。あとは触手が……え、いらない？ デスヨネー。
お気に入りは悦子さん。最初は志乃だったがさくっとのりかえた。何せ台詞や表情がいちいちツボ。自分の年齢を気にしたり、死に別れた旦那に操を立てているのに恐ろしくチョロいところが可愛いのだ。あと、娘とHしている主人公を見ているときの反応とかもエロくて、なんかもう、蝶・サイコー。そこへ来て、眉が太いのも良い。色気ムンムンでもうたまらん。目の下に泣きぼくろでもあったら、叫びながら走り出していた自信がある。それなりに人妻モノはプレイしてきたが、悦子さんはその中でもかなり美味しくいただけた。ごちそうさまでした。
まとめると、本作はコメディタッチでハードなエロを展開する人妻もの。寝取り要素より快楽要素のほうが強く、快楽に振り回されるのを必死に我慢するタイプの羞恥系。その辺の好みがヒットすれば申し分ない内容だろう。絵柄や声に関しては、OHPの情報や体験版で各自お試しあれ。ハードプレイは好きだけどガチのNTRとかはちょっと苦手な私には、ストライクゾーンど真ん中。ただ、夫から寝取るのに鬼畜展開が全然無いというのは許せん！ という尖った人からすると、属性的に突出した部分が無いのが物足りなく感じるかも知れない。物足りないといえばボリュームもそうだろうか。決して少なくはないが、ヒロイン数、プレイ時間、シーン数と量的な部分で不足を感じる部分はある。あと、全体的に巨乳なのでナイチチ派の人には少々厳しいかもしれない。
▼データ
CG枚数69、差分込み1603枚。シーン数65シーン。アンダーヘア有り、アナル修正無し。差分の多さが、エロの充実を物語っている。各キャラのシーン詳細メモは以下。
・沙織13枚／12回
手コキ、パイズリ、机下フェラ、正常位、搾乳、夫隣SEX（裸エプロン）、ハメ撮り、目隠しレズ、夫前SEX、レズ3P、腹ボテ、腹ボテ3P
・悦子15枚／14回
自慰、パイズリ、アナル、夫の写真前SEX、アナル拡張フェラ、青姦、優とSEX、コス青姦、悦子の前で優と69、悦子の前で優とのSEX、夫の墓前SEX、優と3P、腹ボテ、優と腹ボテ3P
・春海14枚／13回
パイズリ、お風呂H、ニプルファック、夫との後でSEX、パイズリ、コス青姦、正常位、騎乗位搾乳、SEX比べ、ニプルファック3P、腹ボテ裸エプロン、3P、拘束着3P ※陥没乳首
・志乃16枚／14回
睡眠フェラ、フェラ、拘束アナル責め、正常位、泥酔H、睡眠拘束H、公園トイレH、マンション階段H、目隠し3P（フェラ）、トイレ3P、青姦（フェラ）、青姦3P、野外SM、乱交 ※腹ボテ無
・その他11枚／12回（1シーンは寸劇）