これまでの生活が平穏だったからといって、次もそうだとは限らない。踏み出したその一歩が奈落の底へつながっているかもしれないのに、それでも歩いていかなければならない。
古いゲームなのでシステムが激悪(たしかバックログなしと既読スキップなし)だったり、昔のゲームにありがちな選択肢総当り戦も有り。
新説・終ノ空と思わしき「素晴らしき日々」の体験版をプレイした感じだと、趣はだいぶ変わりそうなので、発売前にプレイしておくと楽しみ方の幅は広がるかもしれない。
プレイするにあたっては、冒頭でイマヌエル・カントの「純粋理性批判」についての概略の説明がなされる。この辺りで投げたくなるようなら投げるべき。さらに読み進めていくとウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」夢野久作「ドグラマグラ」なども登場。知っておくと吉。
「7月20日に世界が終わる」という設定は往年のノストラダムスの予言を思い起こす。あの予言は騒がれるだけ騒がれたまま何も起こらなかったけど、だからといってこれから先の保障がなされているわけではない、ということ。いや実はもうすでに世界は終わっているのかもしれなくて、あの日を境に世界は丸ごと再生されているかもしれなくて、ぼくが体験したと思っていた過去の出来事は悪魔が10秒前に植えつけただけなのかもしれないじゃないかなんだそうだったのか。
電波ゲーとか言われてるけど電波の皮を被っているだけ。しかし哲学的、というには踏み込みがやや浅いか。こういうものを厨2病と呼んだりすることもある。好きなエロゲを5本挙げろと言われたらこの名前を出すだろうけど、人に勧める気はまるでしない、そんなゲーム。
大好きです。