萌えの定義が他とは一線を画している。だがそれが良い。
それぞれのキャラに与えられた記号は実に判り易いものの、それに相反して判り易い「萌え」は無く、ひたすらそれぞれの思惑が交差し、すれ違い、重なり、対立する。その過程の中で垣間見える「萌え」が実は極上の作品。
紅紗が必然的に最後のルートになってしまうのでトゥルーエンド的な意味合いがある。個人的にはそういったトゥルーエンドはあまり好きでない人間だが、これは結構受け入れられた。
また、主人公が唯一人の男子学生で、ほぼハーレム展開が予想出来そうな設定にも関わらず、実際は孤立している様は凄く新しく、上手いと思った。そこから始まる他者との関係は見ていて楽しいものがある。
後は、舞黒、ブラコン姉、デビル、電波剣士という物凄くクセのあるキャラを受け入れられるか否かがこの作品を楽しめるか楽しめないかのキーとなるだろう。
一言。
四天王を攻略出来ないのはタチの悪い冗談としか本気で思えない。花姫、鳥姫、風姫、月姫・・・決してメインに負けていない、実に個性的な面々なだけに悔やまれます。