まさにエロゲーと呼ぶにふさわしい
『18禁ゲーム』が『エロゲー』と呼ばれるようになり、いつからか『美少女ゲーム』の呼称を得た。
それは『18禁』という概念が『エロ』ではなく『大人向けの物語』としてテキストの深遠さや表現手法の制約の無さを示す表記へとシフトしてきたからであろう。
もちろん、エロティックな表現を抑えて壮大なシナリオに注力するゲームを批判するつもりは毛頭ない。
それらも含めた懐の深さこそが『18禁ゲーム』の魅力であると思っている。
だが、あえて誤解を恐れずに言うならば、エロさというものを完全に排除してしまえばもはや『18禁』という言葉の持つ価値は瓦解してしまうのではないだろうか。
生殖という生物的な側面で考えるならばセックスという行為には崇高な価値があるが、『エロさ』を伴うことによって、それは社会から隠匿すべき猥褻な行いになる。
私はゲームや漫画の世界でのセックスには常にその猥褻さが存在していてほしい。
可愛らしい少女たちが淫猥な痴態を見せる…それに興奮することが幸せでならないのだ。
そして、それこそが『18禁』というジャンルが築いてきた文化と呼べるのではないかとさえ考えている。
さて、話が大いに脱線してしまったことは素直に謝罪したい。
作品の批評をさせていただこう。
この作品は最高にいやらしい『エロゲー』だ。
催眠アプリを使って女たちに卑猥な指示を与え、自分好みの性の虜囚に仕立て上げていく…という実にありふれたプロットの作品だが、とにかくエロティックなシーンの一つ一つに力が入っている。
サブキャラも含めてシーン数はかなり多く、尺も十分あり、グラフィックの美麗さも相まって実用性に関してはこれ以上望むべくもない。
『これで千年ヌくがよい』という作り手側のメッセージが聞こえるようだ。
また、主人公である『デブジ』についても言及しておきたい。
醜い容姿と陰湿な精神性を持ったどうしようもない男だが、彼の考え出すプレーのバリエーションは実に多彩で、変化に富み、ユーザーを飽きさせることがない。
奉仕、羞恥、卑語、見せつけ、コスチュームプレイ、輪姦は言うに及ばず、オムツプレイ、集団ぶっかけ、口移し、レイプの手伝いなど、枚挙に暇がないほどだ。
高嶺の花である美少女たちにこんなことを言わせたい、こんな痴態を晒させたい、という願望を次々と叶えてくれる彼に私はいつの間にか敬意の念さえ抱いてしまった。
素晴らしいぞ、デブジ。お前はエロゲー主人公の鑑だ。
難を言えば、この男はいつも女の子にフェラチオをさせるたびに亀頭にこびりついた恥垢を舐め取らせたがる性癖がある。
不潔な自分への劣等感なのだろうか?
だが、それも彼のこだわりの一つなのだろう。感情的には共感できなくもない。
清廉な美少女には、驚くほど下劣なことをさせたくなるものだ。
個人的に最も興奮したのは、恋人を金縛りにさせた状態でテニス部の娘とセックス…というシーン。
途中で催眠を解き、あくまでも能動的に中出しを懇願させる手管はじつに悪魔的で、狡猾だ。
だが、彼の所業に悲惨さは伴わない。
物語中で中出しされたほとんどの女の子は、オルガスムに身体をわなつかせながら「もうデブジの彼女もいいかもぉ…」と蕩けた表情を浮かべるのだ。
都合のいい男根主義といえばそれまでだが、興奮が萎えるような後味の悪い展開にもっていかない絶妙なバランス感覚はさすがのシルキーズだ。
システム回りも良好で、個人的にアヘ顔オフ機能はとても嬉しい。
とにかく、私はこのエロゲーに心底惚れ込んでいる。
2008年の発売日から私の手元にあるが、今でも時々お世話になっている。もう嫁に等しい。
おそらくこれから先、パソコンを買い替えるたびにインストールし続けるだろう。