この頃の司ゆうきさんの絵は好き。喪失感がたまらないお話。ただシナリオの出来には格差あり。
絵について。
ねこねこ系の絵ではこの頃の司ゆうきさんの絵が一番好きなので
「ぐらタン」以降テイストを変えてみた結果崩れた感じの絵になってしまってるのが悲しい。
キャラについて。
キャラだけ見たらセリスがぶっちぎりで良いです。テンプレ的ではありますが。
シナリオについて。
仲の良いメンツが「部活」と称してバカ騒ぎするだけの話ですが
「いずれ終わりが来る」という設定のおかげで、そういうどうでもいいことでも
貴重なものに感じられる。設定が良いです。
各ルートは、ほとりが◎、由佳子が○、まどか・セリスが△、実梨が×
イマイチなほうから順に感想。
・実梨
書き手が主人公と実梨をどうやってくっつければいいかわからなかった感じで
シナリオ駄目だしギャグも寒いしいいところが見当たらない。
・円
短かったしほとんど記憶になし。可も不可もない印象。
見た目は凄く好みなんですけどキャラとしては「イベントを回すために便利な存在」でしかなかったかも。
・セリス
シナリオについてはかなり安易ですけど
キャラが素敵なのでなんでもいい。
・由佳子
くっつくべき2人がくっつく展開で無難にまとまってます。
・ほとり
自分にとっては裏由佳子シナリオ。
くっつくべき2人がくっつかなかったら、その後どうなるのか。
結局2人の関係が変わることもないまま、仲が良かった友人たちとも少しずつ疎遠になっていき、やがて現実に追われて大事なことも忘れていく。
そういう喪失感が夏が巡るたびに積み重ねられていくお話です。
一応ほとりとの関係や最後の〆にもなんかありますけど、自分の中ではエピローグは主人公の白昼夢だったということで片付けています。
読後の余韻がたまらない反面、ほとりの設定自体はいろいろ甘かった気もしないではないです。
おすすめの順番は由佳子→セリス→ほとり
ほとりルートだけはやってみる価値ありですが、
人によってはほとりルートだけでやった価値を失う、そんな印象の作品です。
あとエンディングの「巡夏」がすごくいい曲です。