萌木原ヒロインが可愛いだけのお話。シナリオを求めなければ満足はできるんじゃないかな。
今作は始めからシナリオを軽視してキャラ萌えに特化したみたいで、
元々ここってシナリオは弱いし、こんなもんでいいんじゃないかなという出来。
むしろちょっとでもシリアスになると陳腐になるので、もっと真面目要素を減らしても良かった。
(主にBGM「スロウレイン」が流れるシーン)
都がゲームやってるとこはだいたい面白いです。
各ルートとヒロインについて
・ソフィア
かわいいです。他のヒロインもかわいいけど特に。一番原画家さんのパワーを感じるルートでした。
ソフィアの私生活でのだらしなさが個別ではあんまり出てこなかったのはちょっと残念。
寮ではジャージで過ごしてほしかった。
終盤は真面目な話になってるけど、ここは全てスキップ推奨。
エリデュオーネ王国関係は大体適当なので読んでも仕方ない。
変身できないとか国外追放とか王国関係の話はことごとく安直なので、やらないほうが良かったんじゃないかと。
・ひより
シナリオには触れても仕方ないけど、このルートだけはあえて言いたい。シナリオがイマイチ。
イマイチなとこは主に2つで、
1つは序盤のひよりが逃げ回る辺り。
告白→逃げる→デートで引き延ばし→また逃げる、と、すぐ終わる話をとにかく無駄に引っ張る。
こういう話の水増しは前作でも辟易させられた部分で、今作でもソフィアルートの後半その他で散見されるけど、
ひよりルートだと冗長なだけでなくヒロインの好感度までガタ落ちするので、なおさら印象悪いです。
もう1つは終盤のひよりのお父さん。
お父さん、言ってることは全く正しい。
「寮の後輩にメイドさせる男なんかと関わるな」って、まさに正論なんだけど、そこ触れても誰も得しないと思うんですよね。
ヒロインの中でもひよりは特に、素面で考えたら頭おかしい設定なわけで、
常識なんざ知ったことかの精神で描き切れないようではダメです。
あと、他ルートでもひよりだけいちいち泣き入れるのがしつこかったです。
全般的にひよりの扱いは上手くいってなかった印象。
個別に入ったら本格的にご主人様プレイするだけで良かったのに、なんでこうなってしまったのか。
このルートだけはHシーン以外全部スキップするのがベストじゃないかと思います。
・アイ
「ヒロインを愛でるだけ」というのが一番わかりやすかったルート。
飼い猫を甘やかすのとやってること変わらないおかげか。
「こんな自堕落な生活でいいのか」みたいな余計な説教がたまに来るけど
飼い猫レベルの節制しか求めないので容認できます。
真面目部分も大して尺取らずさらっと終わらせたので良いと思います。
・都
無防備幼馴染が性に目覚めるお話。
エロ度は一番高いし、一番無駄なくまとまってるルートです。
無駄なくってのは要するにエロまでの尺が必要最小限。
この√も後半は常識が持ち込まれてしまうけど
主人公たちはそりゃそうだよねーとあっさり受け入れるし
アイが「男むさい男子寮なんかに移るの嫌だ」という程度の理由でひっくり返すし
いろいろ緩いのでそんなに気になりません。これぐらい緩くていいんだよ。
そもそも誰もいなくなるんなら検討するまでもなくこんな寮つぶせよとか考えても仕方ないしね。
以上。
総評は アイ>都>(無駄シリアスの壁)>ソフィア>(好感度の壁)>ひより
正直、前作の「縁りて此の葉は紅に」では割とがっかりさせられて、しばらくランプのゲームはいいかなと思ったんですけど、
そのときの感想で書いたのがこれ
>原画家さんはケモ耳美少女好きっぽいから
>むしろ素直にそういうの作ればいいのにとも思う。
>萌木原版ねこパラ、あるいは萌木原版けものフレンズみたいなもの。
>または、そういうの一切なしで転校先で引きこもりの妹や再会した幼馴染とじゃれ合うだけにするか。
>どちらかで良かったんじゃないか。
>とにかく中途半端なのはよくない。
こんなこと書いたら
割とそのまんまなゲームが出てきてしまったので
前言を翻させていただきました。
シナリオはこのうえなく薄かったけど、そこは買う前からわかってたことだし、
一部ルートを除いては上述のように自分が望んだままの内容だったので
それなりには満足できました。
その他について。
・システムまわり
セーブ数がちょっと少ない。8ページ×8。
自分、イベント絵が出てきたらとりあえずセーブしたい人なので、
最低限CG総数プラス2ページぐらいの余裕がほしかった。
・BGM
Hシーンだけなんであんなムーディーな曲なのか。あれだけ浮いてるような。
全部「to the begining」で良かった気がします。
・コンセプト
テックジャイアンにスタッフインタビューが載っていて、
それによるとこの作品のコンセプトは
「萌え系イチャラブ日常系がコンセプトです。
これまで、あまり極端にそちらのジャンルに振ることはなかったのですが、今回は振り切ってみました。
シリアス展開はあっても、あくまで味付け。
個別ルートでも極力シリアスは長引かせずに、ヒロインたちとの楽しいイチャラブを満喫できるような作りになっています。
ストレスが多い社会ですので、ゲーム中ではストレスなく目一杯楽しんでいただければ嬉しいです。」
とのこと。
コンセプトはこれなのに、なんでひよりはああなってしまったのかというのは置いといて、
こういうのHPにも書いとけばいいのに。
今回はいつも以上にシナリオ適当だよ!深く考えずヒロインだけ愛でてくれよ!というの
HPやパッケージやデモムービーから読み取れるかというとちょっと難しいんじゃないかな。