絵、シナリオ、音楽etc、エロゲであることを度外視すれば全体的に良い水準でまとまっています。このヒロインのために作ったんじゃないかといえる子がたくさんいる感じのシナリオ。
一見明るい学園ものですが
シナリオ的にひっそりと救われない子とか二度と会えなくなることかが出てくるので
その辺は人を選びます。
世界設定は結衣の存在を生み出すためにあり
物語は桜子と主人公を出会わせるためにあり
すべて持って行ったのは茉百合様でした。
詳細は後述。
絵については今さら言うまでもないいとうのいぢさん。
ななついろで取り入れられた乙女チックな要素が今作で完成されて
現在の絵に至ってる感じですね。どっちがいいかは好みですが。
ただ技術よりも感覚で描いてるなって印象は相変わらずで、
体の描き方も相変わらず貧相で、そもそもエロゲの原画は向いてないんじゃないかという気はします。
主題歌、BGMが凄くいいです。
特にEDの「もう始まっている、未来」が凄く良い。
エロゲソングってなんか過去を振り返るものが多い印象なんで
「未来はもう始まっている」っていう前向きな歌詞が新鮮で、
なんでエロゲでこんなに未来への希望を持ってるのかわかりません。
以下、記憶を掘り返しつつネタバレあり各√感想
・結衣
設定はなんかすごい。
いまいち世界設定を把握しきれてないですが、ナルシシズムの塊か合法的な実妹かな。
結衣を攻略するために作られたみたいな世界設定ですね。
ただシナリオ的には直面する問題が大きすぎて、
主人公たちの気の持ちようでうやむやにしてしまった印象。
設定的にどうやってもハッピーエンドにはならないので、しょうがないですけど。
「オズの魔法使い」の使い方が上手いです。
・天音
普通です。
普通の良さをキチンと描けるのがここの作品の良いところ。
朝、油断してるとこに主人公と鉢合わせして慌てたりとか、お菓子大会で不安そうにしてるとことか細かいとこでの普通の積み重ねが良いです。
シナリオは外してほしくないところは外さなかったので、まあまあ良い印象。
ある人とある人の間に確執があって、どちらにも非はないという状況で、
・当人同士の気の持ちようで解決する話ではなく、外部的な理由がちゃんとある。
・外部的な理由があるけど、それを使わず、当人同士を向き合わせることで解決する
という感じで、
安易な解決方法に頼らずちゃんとシナリオとして書いたというだけですけど
それで十分。
・桜子
シナリオは途中までは良かったけど
最後急展開が続いて話の焦点がボケちゃったかなという印象です。
(以下、時間あるときに続き)
・茉百合
・くるり
・すずの