渾身のpoker face きめて仕掛けるよ
回想。(削除した自身の感想から抜粋。点数詳細&考察は全カット)
中盤~終盤の物語の面白さは抜群。
テキストは読みやすく、CG&音楽関連も良い出来。
ただし全体的に説明や下ネタが多く、後半は食傷気味になることも。
結末は唐突かつ投げっぱなし。……すげぇ勿体ない。
力の入れ処を事象の説明に費やすのではなく、ヒューマンドラマとして丁寧に完結させて欲しかった。
構造的欠陥として、零一→アペイリアの情愛が読者視点で伝わりにくい
(エピソードが薄く説得力が足りない)ことが挙げられる。
中盤のましろ&久遠の脚本の魅せ方や終盤の三羽の物語は抜群に面白かったのに、
肝心のアペイリアの存在感が全体的に弱い。
終盤の盛り上がり部分で、読者視点での脚本上のヒロインが三羽>>>アペイリアになったまま
唐突にハーレムエンドで打ち切り状態にされてしまい、ポカンとしたユーザーも多かったはずだ。
せめて三羽関連の物語を最後まで書ききって欲しかったのだが。
『Steins;Gate』や『レイジングループ』等のADV最高峰の傑作と比較するのは酷だが、
少なくとも途中まではこれらの作品に並ぶぐらいに脚本に面白さを感じただけに、
物語の粗雑なまとめ方は非常に残念だった。
Q:面白かったですか?
A:物語のたたみ方に目を瞑れば。
好みが分かれる作品なので体験版はプレイしたほうが良いかも。
以下、ネタバレ全開(思考開示)
上記問題点を払拭する方法として「シンカー側の視点から」アペイリアとの交流や本編中の謎を
を開示&補完していくという手法もありだったのではないかと思う。(補完√として)
零一の代弁者に成りうるのは彼だけであり、舞台装置上も非常に魅力的なキャラクターだっただけに
少々扱いが勿体なかった。
後にファンディスク『景の海のアペイリア ~カサブランカの騎士~』が発売されたが、
私のような本編のユーザーが望んだのは、安直にヒロインを追加した脚本ではなく、
残された謎の解明や本編の宙ぶらりんな物語の収束だったのではないだろうか?