(階段を)上がってんの?下がってんの?ギィはっきり言っとけー(わかんなーい)
→上がってーる(カズナ√)
→留まってーる(リーティア√1)or上がってーる→めっちゃ降りる(下がってーる)!!
→上がってーる(雫√)
期待していたよりもずっと面白かったです。
パッケージやsample CG辺りのゴツいバトルものかぁーという第一印象は、
開始2時間ぐらいの主人公不知火君と雫ちゃんのやり取りで全部吹き飛ばしてくれます。
いや、日常パートが予想外にすげぇ面白かったです。
作中の人類が繁栄した世界が、○○であったことを途中まで秘匿していたことも良かった。
それより校長先生、ソフトバンクの回し者ですか?w
凄くいい声なんですがw
昔一緒に過ごした仲間達が直前とか一点集中とかじゃなくて、
ちょいちょい主人公の回想に現れるのは構成上非常に上手いなぁと感じました。
【キャラクター・声】 10/10点
■キャラクター (5/5点)
主人公の不知火君が声付きでかなりいい感じに。
とってもフランクな感じだけど、やる時はやる男で好感度は◎。
雫さんも釣り目ツンデレそうなキービジュアルとは全く異なり、
めちゃめちゃ砕けた感じで非常に魅力的だったのは嬉しい誤算。
久しぶりに攻略したいなぁと思わせるヒロイン力の高い女の子でした。
他のヒロインや脇役の方々も含めて無駄なキャラがいないという点もこの作品の長所かなーと感じました。
要所要所でチャペックが輝くのも良い。
あとシャノン兄貴のビジュアルが医龍の鬼頭先生みたいな「胡散臭い格好良さ」で笑った。
(私は好きですよ?)
■声 (5/5点)
主人公の魅力が声優さんの技量で10割増しに。
本当にいい仕事をしてくれました。
他の声優陣も豪華すぎるでしょw
啓二さんまでいるしw
雫ちゃんも終始いい声だけどちょいちょい滑舌が怪しい箇所も(笑)
理多voiceのチャペックも良かった。
【BGM・SE】 8/10点
全33曲。
お気に入りはやっぱりぶっちぎりで「18.マキシマム・フレア」です。
【CG・背景】 10/10点
差分なし170枚。
立派な数です。
アクア姉さんの初回戦闘シーンのCGで、凄いアホっぽいポーズのモブ2人の姿に
不覚にもくっそ笑ってしまいました。
仕事終わりでテンションMAXのサラリーマンかよwww
シチョーさん……もしかして穿いてない……?(ように見えるピンクのおパンツ)
アクシズ教徒かな?
ヒャッハー!!
あとココロに噛み付かれる(喰われる)SD絵がとっても好きです。
以下、大ネタバレ要注意
【ストーリー・構成力】 34/40点
■ストーリー (17/20点){カズナ√(20点)+リーティア√(20点)+雫√(10点)}÷3≒17点
(構成力も同じ)
キャラクター的には 雫>カズナ>チャペック(何故ここに居る?)>リーティアの順に好きですが、
ルートごとの面白さでは カズナ>リーティア>>>>>>>>>>>>>雫ぐらいの差を感じました。
テーマ別にすると
カズナ√ :パッチによる恩恵で堕落した人類が、未曾有の試練に立ち向かう(+親子の情・恋)
リーティア√:ロボットと人類の確執(=AIに命はあるか)
雫√ :ビックバン(?)
のような感じでしょうか。
バトル面は、ぶっちゃけ共通部分の主人公&雫VSアクア&忍者の場面が一番見所があり面白かったです。
努力と研鑽、知恵をもって過去の自分を凌駕し、強大な壁を乗り越える。
あくまで「人間」として自分自身を高めて戦ったのはこの場面だけ。
その他の闘いは、進化の螺旋階段に頼りきってしまう人外バトルなので好みが分かれる所かもしれません。
【カズナ√】
間違いなく一番安定して面白いルート。
星の巫女という立場故、恋に気づきながら主人公を突き放すカズナが自身が、
変化を恐れて自らを研鑽しないこの星の人々の縮図として表現されていたのは面白かったです。
自分の感情を理解し一歩を踏み出したことが、結果としてフォーサイスの住民達に進化を促し、
災厄と呼ばれる人外の脅威に立ち向かうまで成長させた。
構成的にも文句なしでしょう。
おかあちゃんVSファントムキラーも中々に熱い展開でした。
不知火義一という主人公が、状況に流されず、真っ向から自らの信念を持ち
コウ(ファントムキラー)と対峙する構図も良かった。
(雫ルートの彼とはえらい違いだ…)
ヒロインの可愛さも抜群で、欠点はエロシーンの数が少ないことぐらいでしょうか(笑)?
ちなみにこちらのルートもチャペック絡みのロボットと人間の確執が表現されますが、
リーティアルートとは異なり、変化を恐れるフォーサイスの住民が
自らの考えで否定派・肯定派にわかれるなど精神的な進化を促す側面を表現したかったのだと私は感じました。
【リーティア√】
残念ながらリーティアは妹的側面が強く、ヒロイン的な魅力は私はあまり感じませんでしたが、
ストーリーとしては実に面白かったです。
リーティアが不知火に憧れる理由が明かされます。
というのも、彼女の育ての親のおじいさんは彼の血族(不知火の実姉の息子)だったから。
憧れ以上に、親愛の情もあったのでしょうね。
また彼女の体は半分が機械。
自身が人間なのか機械なのか、その葛藤を抱えたまま自らの存在意義を
誰かを守る戦いでしか見出せない悲しい少女。
まるで私の大好きな『バルドスカイゼロ2』のラサーヤナのようですね。
機械として自我を持ち、生きることに焦がれるヘカトンケイル。
タイミングさえ違えていなければ、彼もチャペックのように人類と分かり合える未来があったのかな
……なーんて悲しい想像をしてしまいます。
途中、意外だったのは災厄にされた4人(3人?)があっさりとカンパニー・マンに解放されたこと。
カズナルートとガラッと異なる構成にしたのは、読んでいて非常に楽しかったです。
新型バルバロイが一切人類に襲撃しないことを条件に、ヘカトンケイルに囚われるリーティア。
そんな状況を不知火君が黙っているわけも無く、仲間とともに彼らの基地に乗り込みます。
今回、不知火君達の意思に賛同し立ち上がったのはフォーサイスの人間だけであり、
リーティアを生贄に安全を図ろうとする政府・端末役が存在したというカズナルート
(全員が災厄に対して立ち上がった)との対比も実に面白い構成でした。
この先、例の階段を上る/上らないの選択肢がありますが、どちらの展開にも見所があります。
(上るを選択した後、主人公が後でめっちゃ階段を下る展開は爆笑しましたが)
あくまでヘカトンケイルを一つの「命」として扱い、その命を奪うことで決着を付けた所に
強いメッセージ性を感じました。
ちょっと残念だったのが、折角災厄から解放された4人との絡みがアフターで見られなかったことでしょうか。
アクアさんが終盤の盛り上がり部分で、完全に存在感が無かったのも気になったかな。
【雫√前編】
中盤以降が物凄く気に入らないので分けて書きました。
前2ルートより明らかに不知火君を意識している雫ちゃんがとっても可愛いです。
嘗ての仲間たちの痕跡をアクアや忍者くんと探す展開までは概ね一緒。
と、思っていたらいきなり やせいのアースクェイク が現れやがった!!
こ こ で 戦 う の !?
急展開だが、結構熱い展開にワクテカ。
不知火君と雫ちゃんが二人して階段を上ったことで撃破。しかもタイロン生きてるやん!!
と息つく間もなく、ツナミちゃんを助ける為にアパランチとの連戦へ。
いいじゃん、いい感じじゃん!?
セクシーマヤさんも無事解放。おお、これはもしかしてまた全員助かるのでは?(そんなことは無かった…)
残るヴォルケイノが暫くしてフォーサイスを襲撃。
さぁ頑張れ不知火君、雫ちゃん……と思っていたらリーティアちゃん&校長先生&カズナさんがやっつけちゃった!!
(……えええっ?もしかして、ドミトリパパ一番弱いんじゃ…)
残る問題は途中で出現した、切っても燃やしても何度でも蘇るカンパニー・マン。
念動力で動かしていることを看破し、物量作戦で撤退させることに成功する。
ここまでの流れは非常にテンポが良く、読んでいてとても面白かったです。
きっとこの先もコウを倒し(救えるかわからないけど)、
全員でラスボスシャノンに立ち向かう熱い展開が待っているんだなーなんて思っていました。
思っていました。(2回目)
そ ん な こ と は な か っ た !!
ビックバン編へ続く。
【雫√中編~:ビックバン(?)】
※ここから先は人類から遂に進化してしまった東出氏が人類より進化した方向けに書いた脚本なので、
唯の人間である私には全く良く(楽しみ方が)わかりませんでした。
意識を取り戻したドミトリパパとの会話から、コウの狂った理由を知る不知火君。
アクアさん含めた端末達に自身の記憶を強制的に呼び戻された雫ちゃん。
人類を守れなかった責任を果たすべく、不知火君と離れてシャノンに再封印を施しに行く決意を固める雫ちゃん。
コウとの決着を付ける決意をするも、カズナさんと校長先生にあっさり説得されて
暫く身を隠すことにした(オイ!)不知火君。
『信念は炎に似ている』
格好いい言葉ですね。
ただ雫をシャノンの眠る戦地に送り出し、カズナさんらの言いつけどおりに
ファントムキラーとの決闘を避け山に行った不知火君の行動に、果たして信念はあったのでしょうか?
その後現れた環太郎君と死闘を繰り広げる展開も、唯の人類から進化していない私の脳では
正直理解が追いつきませんでした。
カラミティーモンキーズの先輩方の命はギリギリまで救う努力をする一方で、
割とあっさりと環太郎君の命を絶ってしまったのは付き合いの薄さ故ですかね?
リーティアルートでの彼の献身は、このルートでは全く関係がなかったようです。
その頃雫ちゃんとアクアさん率いる端末軍団は再封印を施しますが、
逆に術式を読まれて封印を完全に解かれてしまう大失態。
大馬鹿や!!
一方彼の偉大な先輩方は、フォーサイスを襲撃している狂ってしまった大事な後輩(コウ)の為に、
文字通り命を投げ出します。
最後まで己の意思で歩みを止めなかった彼らの生き様は、正に炎のようで格好良かったです。
(そんな彼らの最後を汚す、終盤の不知火君の心象内でのクソ挿入歌と登場&撤収の演出は、
正直くっそ邪魔だったと思うのは私だけでしょうか?)
集結したコウくん不知火君雫ちゃん3人でもシャノン兄貴にフルボッコにされる始末。
不知火君致命傷、雫ちゃん撤退、時間を稼ぎ、コウ君死亡。
そしていつもの階段です。
選択肢
・雫の提案に乗った
⇒雫の心臓をもらい、後は任せた!的な。
馬鹿じゃねぇの?
お前、共通ルートで散々言ってたじゃん。
雫のためなら命を差し出せるって。
今がその時だよ!!
この選択肢、このEND1必要?
クソENDっつーんだよ、これは。
雫END2・3
共に階段を上りきった二人は、ラスボスであるシャノンにここ(火星)では迷惑をかけるからと
宇宙で戦うことを提案します。(……は?)
更に高みへ上った3人は別の宇宙で闘いを続けます。(……は?)
で、進化の終着はビックバンと。(……は?)
何じゃそりゃ。
で闘いの後選択肢が出て、生き残る方を選ぶと他の惑星でアダムとイブエンド。(END2)
一枚絵で手を繋いだ後姿の雫ちゃんがちょっとセクシーだったこと以外、全く見所が無いENDでした。(私には)
ここもSKIPの効かない自動進行(他はあのクソ挿入歌)だったのはマジでイラッとしました。
END3はちゃっかり二人とも火星に戻ってきて、落ち着いたら他の星に行ってみようぜEND。
もう、好きにしてください。
「超(謎&クソ)展開」の連続で、一番魅力あるヒロインのルートが何故こんな纏め方になったのか、
非常に残念でした。
何だよ「別の宇宙」って。
今までの不知火君と雫ちゃんの努力や生き様を、作者自体が「進化」の一言で軽視してしまうのは
幾らなんでも駄目なんじゃないの?
色々荒い設定に目をつぶっていたのも面白いからであって、つまんなかったら見過ごせないんだよなぁ!?
何だよ「俺たちはもう星にすら収まる存在じゃない」って。
人から離れた存在になっても、人間であることを大切にしていた不知火義一(カズナ√&リーティア√)の生き様を
よりにもよって最後の雫√で否定するの?
5兆度の炎とか言ってる場合じゃないでしょ……。
俺がこのソフトを地面に叩きつけて「ビックバン」って言いたくなったわ。
バカヤロウ。
しかも最後だけ人間っぽく締めるんじゃネェ!!
(他の√との整合性=階段を上がる程自我が失われる……という設定からも「破綻」している)
俺の怒りがエヴォリミットだわ!!
マジファック!!
■構成力 (17/20点)
序~中盤までは昔の仲間達との絆の記憶を挟みつつ、
前向きな主人公や雫が自分達の世界観と異なる火星都市の暮らしをライトノベルチックに堪能していきます。
この構成は非常に上手い。
しっかりと時間を掛けて日常を描写したことで、今いる友人達と
100年前の仲間達との交流や絆のバランスをしっかり保持しています。
雫やツナミの魅せ方も良く考えられているなぁーと本当に感心してしまいました。
(カズナ&リーティア√まで)
最終的には嘗ての仲間と殺しあわなければならないやや重い雰囲気の物語ですが、
(雫√以外は)話の強弱が非常に上手く、暗い雰囲気にならずに物語を読み進めることが出来ます。
ルート毎に昔の仲間達の生存が変わるのも面白い構成でした。
一つプラスするなら雫級の女の子をもう一人用意して、完全に主人公の敵サイドに回るヒロインとして
登場させても面白かったのかなぁ……と思ったりもしました。
(マヤさんの立ち位置はかなり中途半端すぎると思うの)
リーティア編にわざわざ擬似妹もののコントを文章の書式まで変えて回想っぽく気合を入れてぶち込んでみたり、
その回想に無駄にすげぇ格好いいBGMを流したり、
ユーザーを非常に楽しませようとする姿勢が凄く良かったです。(「妄想が長すぎるわこのクソタワケッ!」)
チャペックの亀甲縛りは完全に不意打ちで笑いました。
主人公がボイス付きであることを活かした場面も良く、
声優の技量を殺さないメリハリのあるテキストも◎。
セーブ画面のサブタイトルもかなりの数が用意されており、
読み手を飽きさせない為の努力の跡が随所にありました。
こういったユーザー目線の工夫(思いやり)は、近年の他の数多くのメーカーが
根底から見習うべき姿勢ではないのかなぁと思います。
【気になった点(大雑把に)】
1.主人公達の年齢設定&時間経過
いやー、本編中屈指のタフなメンタルを持つ不知火君と雫ちゃんが
高校生(10代)って設定は無理があるでしょ。
頭の回転的にも大学生ぐらいが妥当なところ。
じゃなきゃ、シャノン兄貴含めた5人に対抗するには絶対無理があったでしょ。
若しくは10代で火星に上がって、5年ぐらい仲間達(100年前の)と
「現地」で過ごしてから闘争勃発……ぐらいのクッション(期間)が欲しかった。
作中の仲間達の魅せ方が本当に家族のように良かった分、この設定のせいで、
少々チープに映ってしまったのが残念。
2.ツナミちゃん
うおおおおおおおぃい!?
ヒロインじゃねぇってどういうことなの!?
ドミトリのおっさんに「娘を頼む…」的なことを言われるのを期待していたのに!!
にゃんにゃんシーンもありませーん(白目)
3.階段(?)
模擬戦は雫ちゃんとの特訓の過程があって進化のステージが進んだのは解るし良かったんだけど、
後半はほぼ主人公のメンタルにしか、進化の過程が無かったね……というのが気になった。
それなら記憶を失う前は、もっと強かったんだ設定にしておいて、
この螺旋階段の登場機会自体を減らしても良かったのかなぁ……とさえ思った。
カズナ√&リーティア√で階段下っていった時は、シリアスなシーンだったのに結構ツボに嵌って笑ってしまったわ。(ゴメンナサイw)
あとリーティア、お前も上るんかい!!
4.パッチ=マーズサイト
本作はSFドラマではなく、人間ドラマ主体だから突っ込まなくてもいいかな
……と思ったけどやっぱり我慢できなかった。
このファンタジー鉱石、やりすぎでしょw
いやぁ、面白かったからまぁ、いいけどさぁ……w
環境云々とかそこまでやりたい放題やっちまうと、カラミティー・モンキーズの功績や
回想がどうしてもチープになるでしょ。
5.忍者
雫ルートでの彼の立ち振る舞いは違和感バリバリ。
謎レイプからの謎決闘。
このルートでは最早、彼の存在自体がイミフでした。
6.終盤の超展開
何でもかんでも「進化」の一言で風呂敷を広げすぎたのはいい加減にして欲しかった。
雫√の扱い、幾らなんでも酷すぎるでしょ…
ライターさん、シナリオ描いている途中でエヴォリミットしちゃったの?
人間界に還ってきて!?
【ゲーム性】 0/10点
特にありません。
【エロ度】 2/5点
回想シーン
カズナ : 3枠
リーテイア : 3枠
アクア : 1枠
3P : 1枠
雫 : 2枠
マヤ : 1枠
忍者と弥生 : 1枠
作品全体のボリュームを考えたら、かなり少ないのでは?(特にカズナ&雫)
もう少し頑張って私の股間をエヴォリミットさせて欲しかったです。
【システム関連】 3/5点
CONFIG画面が小さいです。余白はいっぱいはあるのに…。謎。
ボリュームがある且つ見所が多く、10×10のセーブ枠も本作においては少々足りないと感じました。
【+α】 10/10点
主人公の声が良い。
また、それを活かすテキストも非常に良かったです。
【総合】 77/100点
やるじゃん、エヴォリミット!!
かなり楽しかったわ。(カズナ&リーティア√、雫√の途中まで)
ボリュームもしっかりあり、「考えるな!感じろ!」を体現したような非常に見所の多い作品でした。
ただし、雫√の途中からはまるで違う作品のような超展開。
マジファック!!
……最後に台無しになる部分も多いけど、全体的には良い作品だったと思います。