今世紀最大の純愛ゲーであり泣きゲーでありシナリオゲーであるといえる。
緻密に練られたシナリオと製作者の細かな工夫が物語の完成度を高めておりのめり込める作品である。
プレイ中にまるで本当に魔法の本が開いてしまったかのように作品を楽しむことができた。
序盤でプレイヤーにとって強い印象を与えたものを後に壊し、一見納得できなかった行動もストーリーを進めていくうちに意味を理解できるようになる。
作中で語られているように一見意味のないように見える描写も後の伏線だったと理解できる。そして、最後の最後に全ての伏線が収束してすべてが納得いくものであったと実感できる良作。
また、ノックスの十戒やミスリードなどミステリー要素も含んだ謎解きゲーでもあり、その手の人にとっても大いに楽しめるものだと思う。
作品を通して主人公、親友、夜子、ヒロインたち、そしてXXXXXXの成長も描かれており、困難や悲劇に対してどう乗り越えていくかも見ものである。
悲劇と隠されていた衝撃の事実のせいで人によっては厳しいかもしれないが、最後まで全てをプレイすることで何かしら得られるものがあるのではないかと思う。
シナリオと同時に登場人物の過去や人間関係などの設定も作りこまれており、キャラが良く立っている。
それがシナリオのよさをいっそう際立たせている。
BGMもシーンの雰囲気にあったものが選ばれており、サウンドトラックも早く発売されてほしいと思う。
悪い点は、配信されている修正パッチをあてなければギャラリーを見れないことである。
自分はそのことに不便を感じてはいないので特筆することでもなかった。
しかし、さらに残念なのは作中での誤字脱字の多さである。
また、3章におけるかなたの服装のバグも気になるところであった。
作品自体が素晴らしいものなので新しい修正パッチを期待したい。
限定シナリオ蛍石の光景もすばらしかった。
内容は受け取り手によってはとても苦しいものかもしれないが、自分は鬱ゲーではないと思っている。
最後にプレイしていない人へ、キミと本との恋をしよう ー(キミと本当の恋をしよう なんちゃってw)