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NiflさんのDies irae Also sprach Zarathustra ~die Wiederkunft~の長文感想

ユーザー
Nifl
ゲーム
Dies irae Also sprach Zarathustra ~die Wiederkunft~
ブランド
light
得点
93
参照数
6804

一言コメント

2007年版とは別モノ。パンチの効いた皮肉と罵りを交えながら主人公が敵と激烈な戦いを繰り広げる伝奇モノの名作。あんまりにもあんまりな騎士団員達の能力描写と、ズタボロにされながらも戦う主人公に非常に燃える。バトルだけでなく、ヒロインたちとの甘味も日常パートで十二分に味わえる。何より螢が可愛い。2007年の地雷を踏んだ方へ→

長文感想

2007年の地雷を踏んで心配な方へ。ネタバレは控えているつもりです。

シナリオの大まかな流れは2007年の未完成版とほとんど同じだが、内容はまるで別モノになっている。6章以降の書きなおしにより各キャラの掘り下げが深くなり、敵味方とも非常にキャラが立っている。特に未完成版6章以降で感じられなかった騎士団員の強さが、今作では骨身にしみて伝わってくるためバトルシーンを読むのが非常に楽しい。6章以降全部書き直しなので、不評を買ったバトルシーンも当然書き直されて盛り上がる内容になっている。新キャラが出るたびにこれでもかこれでもかと示される騎士団員の強さや、ベイやシュライバー、司狼に代表される頭のネジの飛んだ連中の会話はまさに正田シナリオ。期待していた以上の内容でうれしい限り。
また未完成版でのわけのわからないヒロインの行動も一新されていて、主人公やヒロインにイライラすることがほとんどなくなったので感情移入もしやすかった。上でも述べたが、キャラの掘り下げが深くなりほとんどのキャラが信念(渇望)に基づいて一貫した行動を取っているため行動に矛盾がない。だからかっこいい。そして螢が可愛過ぎる。
惜しむらくはルサルカの関係するシーンの変更が少ないこと。声優さんの都合で仕方ないとはいえ、他キャラの魅力が増した今作では相対的に魅力が下がることに。
2007年版を所持しているのなら、ユーザー登録をすればパッチは無料なのでぜひプレイすることをお勧めします。