個別よりむしろハーレムに本気を感じた埋もれる名作
■緒言
金持ちの主人公が屋敷にメイドを雇うところから始まります。野々花が屋敷にくる、運動会などの共通ルートを経て、各個別へとつながります。かなた、夕絵をクリアすると、ハーレムルートが解放され、ハーレムエンドを迎えると、エンド後に野々花の物語が始まる感じです。
■主人公
けん玉チャンピオンとかカルタとか意味不明な賞をいくつも持つ子供っぽい主人公です。一応いい意味で。ただハーレム、夕絵ルートの彼はかなり男前です。その真っ直ぐすぎる性格からヘタレとは真逆の位置にいますので、読んでいて清々しい主人公だと思います。
■白木 藍理
いつも白樺の林で絵を描いているのですが、主人公が近づいていくとおびえて逃げます。主人公がそんな藍理に近づきたくて接触を試みるのですがうまくいかなかった所、ある事件をきっかけにいきなり急接近します。その後相合傘のシーンで気持ちを伝えあって付き合い始め、「おーくん」「藍タン」とかこっぱずかしい呼び合いするんですけどそれが他のメイドにバレバレでからかわれているのがなんか笑えた。物語終盤では家族に再会して雰囲気から何か大きな問題でも起こるのかと思っていたがそんなことは無く、終わってみれば平凡な家庭に生まれた異端の藍理は同じく異端の主人公とくっ付くことで幸せになれたのかなという感じでした。エピローグでは子供二人と幸せそうにしてましたしね。
■成瀬 南
妹が姉の南を主人公の婚約者だと嘘を言ってみんなをパーティに誘ったことから彼女の屈辱の日々が恥まりました(誤字にあらず)。ええまぁ途中で犬プレイとか軽いレイプだろとか入りますがそんなことがあって恋人のフリだと言うのに本当にイチャラブし始めます。
なんでそうなるの!?
思ったのは俺だけじゃないはず。いやあれだけ主人公にこき使われて軽いレイプされてなぜ好きになる。もしや南は被虐体質なのかと強引に納得しておきました。
でも南を賭けて学生とバスケットの試合をするのは面白かったし、うまいフェラのやり方を男の(ということになっている)かなたがあそこまで熱弁して、さらに南と姫子がまじめに練習しているのに吹いた。ちなみにかなたがそれを見て素晴らしいテクです!とか言ってた、おまえもう男のフリする気ないだろ。
で、パーティで結局真実を話して、その夜にほんとに恋人になってエンディングを迎えました。ここら辺はもうそれまでの関係からああこうなるだろうなって思ってました。
でもクレープに豚キムチはマニアックって言葉じゃ済ませられねぇよ。
■丘野 かなた
主人公が男を鍛えると言って色々してあげるのですが、もう主人公がぶっ飛んだことをします。友達だと言っていたのにしまいには「やらないか?」でかなたの後ろの処女をいただきます。そしてそんな行為に及んでも彼女が女性だと気付かない主人公。その後にも何度かHシーンがありますが、こちらはかなたが女だと分かっていますがこれ主人公からしたら立派なヤオイですね。
そしてあるパーティに参加したことがきっかけでかなたが元の主人の元に誘拐され、取り戻し、屋敷が放火されみんな離れ離れになりますが、かなたは主人公を籍を入れ一緒に暮らし、エピローグで再びみんなと再会するよと駆け足気味に終わりました。うーん、悪くないキャラだと思ったんですがいまいち面白みに欠ける感じがしましたね。
■秋山 夕絵
愛していた里湖に似ているということで期待してプレイをしました。やはり他のルートでは全く見られなかった里子への気持ちの部分についてふれており、このルートで主人公は自分から本当は里湖を愛していたと告白し、里湖が去っていった時の事を懺悔します。この時点で主人公はすでに夕絵を気にしており、野々花からも夕絵と結婚しないの?との援護射撃(?)を受けその気になります。そして夕絵が自分には大切な人がいてその人は"とってもいいひと"だと言ったことから主人公はスーパー、ロイヤル、ハイブリッドいいひと・・・まぁ意味不明ですがとりあえず主人公は夕絵の大切な人よりもいいひとになろうとします。以下はその道のりの一部
小鳥にフォアグラ入りパンをあげようとします
なんか爽やかな朝には小鳥と話したくなるそうです
川で空き缶を拾います
野々花は私のプリティエンジェルだとか言います
街で見つけたチンピラの恐喝現場に介入し、キレて殴った(殴られた、ではない)後に「暴力はいけない、話し合いで解決しよう」と言います。まぁその後無抵抗でボコボコにされましたが
なんか発想が子供みたいですが子供のように真っ直ぐな主人公だから、プレイしている自分にも夕絵が好きだって気持ちが伝わってくる感じがしました。その後主人公は結局たとえ"いいひと"に見せようとしてもその人の本質を変えることなんてできないと悟り、自分は悪い奴だからお前がいないと何をしでかすかわからない、だから一緒にいてくれと告白して夕絵と付き合います。
ただなんか主人公が夕絵が好きだと言うのは明白なんですが、夕絵の方の心情がいまいちつかめないんですよね。確かに主人公に好意は持っているしHのとき里湖のこと言うと妬いたりするので付き合っている感じはするんですが、一体どこで好きになったのかが不明でただ主人公を受け入れているだけなんじゃないかなぁとか思っていたら案の定でした。
夕絵の大切な人、まぁ正確には父親代わりの人を湖で見つけると、若干錯乱して主人公を振り切ってまでそちらに行こうとします。その後もその人を待つようにずっと湖にいるようになってします。そして父親は夕絵に一方的な別れを告げて日本を去ろうとします。それを知った主人公が夕絵に言おうか言うまいか悩み、結局話して一緒に再び父親と再会し、ついていこうとした夕絵に対しこのままでは里湖の時と同じではないか!と自分を叱咤し土下座までして真摯に自分の気持ちを伝えた主人公の元に夕絵は帰ってきました。あとは少しHシーンなんか挟んでエンドでした。
でもエンド直前の夕絵は今までのお姉さんなキャラに加えて恋人としての初々しさが加わって可愛かったとだけは言っておきます。
この個別ルートが主人公、ヒロインが一番成長したかなぁと思います。特に主人公の成長ぶりがすごかった。いいひとになろうとする辺りからの彼はバカだけどカッコイイと思いましたが、最後の土下座で愛を伝えたときの彼には感動してしまいました。
■雲宮 姫子
最初から好感度が高く、ぽやぽやしたキャラでなーんかあんまりプレイに手が進まなかった。
早い段階から付き合いだしてバカップルになるんですが、いろいろと姫子がドタバタを引き起こしてました。
BADエンドには爆笑、さすがにあの歳の野々花をいただくのは犯罪ですね。
うん、異常に書くこと少なかったね。
■ハーレム(桜井 野々花)
このルートに入るためにはかなたと夕絵の攻略が必要なのですが、やってみると納得する部分が多いです。というのもこの主人公はハーレムルートだとかなりカッコイイ主人公になるのですが、確かに主人公の誕生パーティを開催したりして気持ちの変化はあったんだと思いますが、今まで他のルートをやっていてこのルートに入ると主人公が急に変ったように感じると思います。夕絵ルートでも書いたように主人公は夕絵ルートで大きく成長します。それは湖での夕絵との抱擁から里湖への気持ちを吐露するところだったり、夕絵に土下座をする場面で里湖の時の自分を顧みたりしているところです。この辺の描写が前提にないとハーレムルート内で夕絵が父親と別れを告げたと湖で告白した時の、主人公の心情を理解しにくいと思われます。
なおこのルート限定でイギリスの彼女だった麗奈が登場します。これが南と姫子が告白するきっかけなのですが、彼女も難儀な性格してましたね。自分で性格が悪いの分かっているから同じ性格悪い同士の主人公といるときしか自分が自然でいられなかったのかも知れませんね、ただのいいひとなんてツマランみたいな感じで。バージンを捧げたくらいですし。彼女にもいつかいいひと(悪い人の方がいいのか?)が現れるのかな。
湖での夕絵との会話で夕絵が、藍理やかなたは自然に(?)主人公の事を好きになった感じです。
そしてバレンタインを通して皆の気持ちを再確認したのもつかの間、屋敷で開いたパーティで再び(といっても初回はかなたルートなのでこのルート内では初めてですが)合間見えたあの重倉老人がまた仕掛けてきます。ここはハッキリ言ってハーレムルート唯一の山場であり一番の見せ場です。今度は放火ではなくマスコミを使って神谷グループ全体に対してクレームなどをしてくるあたり放火よりタチが悪くなってますね、。そのことが原因でケガをした野々花の血液型から野々花は自分の本当の娘ではないと知るのですが、抱きついてくる野々花をみて血液なんて関係ない、心が結びついている野々花は自分の大切な娘だと言うあたりああ成長したなぁと感じます。
そして野々花がいじめに立ち向かっていたこと、夕絵達が自分の知らない所で嫌がらせの
対応をしていたことで主人公は自分に今何ができるかを考えます。いやもう重倉老人と対面する所からは主人公がカッコよすぎて惚れそうでしたよ。
伝言で主人公は、南からあざやかな真夏、姫子からおだやかな春、夕絵から豊かな秋、愛理から神秘に満ちた冬、かなたから初夏、たくさんの景色を見せてもらったと言っています。始め里湖が主人公と出会うことで世界(季節)を取り戻し、それは里湖の子供である野々花も持っており、里湖もまた野々花に季節を貰ったと言っています。これは私は里湖と野々花が季節を共有していたと考えています。里湖が野々花に主人公の子供だと言ったのは、主人公への未練、そして季節を知らなかった主人公に野々花なら教えてあげることができると思ったからだと思います。そして野々花が屋敷に訪れてから屋敷の空気が変わり始め、まるで野々花の持っていた季節をそれぞれ欠片として受け取ったかのように今度は主人公がメイド達から季節を貰っていた。それは季節が巡るように、また人の心の中の季節も受け継がれていくのだなと思いました。
野々花と二人で海外へ行こうとしていた所に、メイドの皆が空港に来たところで自分の涙腺は崩壊してました。そしてラストでこの一言
「仰せのままに!ご主人様!」
で歌が流れます。
これから分かるようにこのハーレムルートが真エンドです。異論は認めません。タイトルはこれだったのか!と思いますがこれ分からないでただタイトル見るとどこの抜きゲだよとか言いたくなる。絶対タイトルで損してるなぁ、でもこの場面を見るとタイトルはやっぱこれだと思うんですよ。
ん、まぁなんかメイド全員と結婚した初夜のエロの最中にも「仰せのままに!ご主人様!」とか言ってますがあれは気にしない方向で、大事なのは一回目です。
そしてそのまま野々花ルートへ
シナリオ自体は短いですが、18歳になった野々花と結婚します。今まで本当に娘のようだった野々花が見た目にも大きくなって、でもやっぱりパパさまが好きだからと告白するのはゲーム内なのに月日が流れるのは早いなぁとかリアルに思ってました(笑)。つか里湖はこれまで見越していたのか、いやまさかね。
エピローグは飛んで80年後・・・
野々花以外がもう亡くなっていました。野々花は子供たちに自分が子どもだったころの話を聞かせています。
ゲーム内なのに月日が流れるのは(2度目)
野々花の子供や孫にも野々花の見た季節は受け継がれていくんだね。
それは季節が巡るように、また人の心の中の季節も受け継が(2度目)
最後に主人公とヒロインらが野々花を迎えに来て本当におわりです。endの画面見ながら少しの間感傷に浸って涙が・・・。
■結論
これまでの話からも分かるようにハーレムルートが真ルートです。ハーレムでもエロは殆どありません、たったの全2回です。ハーレムが真エンドっていうのもなかなかないですよね。そう言った意味でハーレムルートの何たるかがわかりますのでやって見てもらいたいです。エロだけのハーレムなんてエロのかさ増しとしか思えんよ。個別だと夕絵のルートがやっぱり良かったかな。特にこの2ルートが主人公もカッコイイしシナリオも良かったです。南もなかなかだったかな。他のルートが駄目かというとそういうわけでもないんですが、他のルートでは主人公の成長が見られないのでしめる所はしめる良いバカ的な感じで終わります。なのでぜひ全ヒロインクリアしてハーレムへ進んでほしいと思います。
ただこのゲーム、システムの面では不満がたくさんです。その中でも自分はセーブ、ロード画面でセーブの日付のみしか出ない所がかなり不便でした。どのセーブがどのポイントでのセーブなのか実際にロードするまで分からないのは面倒ですね。この文章がここまで長くなったのもこのセーブロードの使いにくさから自分で後から見てどんなルートだったか見返せるかもってのも有ります。姫子ルートは・・・気にしないでください。