こんな学園生活が送りたかった。どのキャラクターも個性があり魅力的で、主人公も能動的で安心感があり、テキストもテンポよく読める。設定やキャラクターはありふれたものだが、調理の仕方で此処までできるのかと思った。あと櫛無可愛い。
今まで男の友人と駄弁って毎日を過ごしてきた主人公が、バイト先で彼女を作ったという友人の付き合いが悪くなったことで
自分も彼女が欲しくなりバイトを始める所から始まる。
以下要点
○主人公が積極的
彼女を作りたいからバイトを始めるということからして分かりますが、非常に能動的です。
困ったことがあったらグチグチせずに行動するので見ていて気分が良い。
ボケたり、ツッコミをしたり、弄ったりとオールマイティになんでもこなせます。
△シナリオ<キャラ
これはこのゲームがキャラゲーであることによるのですが、ただそれにしてはイチャラブが弱かったなと。
もちろんキャラは皆可愛いし、イチャラブもルートに入れば沢山あるのですが、付き合う直前あたりから
2度目のエッチくらいまでが一番ピークで萌えられたのに対して、それ以降は失速とは言わないが
イチャラブにバリエーションが足りなかったかも。特に奏絵、結のシナリオで。
◎櫛無の存在
プレイ前はそれほど気にしていなかったのですが、個人的に彼女はこのゲームのMVPです。
詳細は下の方に書きますが、ウザくないマシンガントークキャラは貴重だと思いました。
○雰囲気がいい
不快なキャラがいないので、ゲーム内の雰囲気は暖かいです。
ストーリーも陰鬱な空気になることはなく、なりそうなところでも主人公がすぐに動きます。
最初に述べたように主人公ポジティブでフットワークが軽いので安心してプレイできます。
△キャラが少ない?
上の雰囲気がいい、というところに引っかかる部分もありますが、ちょっと登場キャラクターが少ないような。
立ち絵があるのはヒロインのみ、無くても他で鴇田店長、客、女生徒くらいでしょうか。
不快なキャラがいない=そもそも登場キャラが少ない、ともなります。
ゲーム内会話のほぼ全てが主人公とヒロイン、鴇田店長で回っています。
○テキストが上手い
たとえばイチャラブで同系列のSMEEでは、ギャグはギャグ、イチャラブはイチャラブという棲み分けをして
どちらかを過剰に突出させている(ギャグシーンはとことんギャグのみとか)のに対し、Love Sweetsでは
普段の会話の中でクスッとかブフッとか笑わせる言い回し、表現をサッと入れてくる。
どちらが良いとかはないが、純粋にテキストが上手いなぁと感じた。
○ヒロインとの距離感
手を繋ぐ、キスをする、そしてHと、友達(妹)から恋人へと変わったことを確かめるように経験していくのが
非常に甘酸っぱくてよかったです。キャラゲーとして主人公とヒロインの距離感を大事にしている感じが伝わってきました。
主人公
要点でも書いた通りです。
主人公一人で何役もできて、能動的に行動できるので安心してみていられます。
基本的に相手のことを考えて行動できるので、弄るところでもやりすぎてしまったと思ったらすぐに謝れますし、
暗い、というか気まずい雰囲気になっても自分から解決に向けて動くことができる良い主人公でした。
音無 奏絵(5h, 共通含む)
学園一の美少女というが、序盤のキャラ付けがちょっと弱いというか他のキャラに比べてパッとしない印象。
付き合い始めるあたりから本性(?)が現れてくるのかガラッと変わる。
そのギャップに関しては非常に良かったと思うし、あの彼女が甘えてきたり、一人でエッチの勉強していたり、
他ヒロインにちょっとしたことで嫉妬する光景は何度かニヤっとしてしまいました。
ただ、ヒロインは可愛いしイチャラブ自体は良かったのですが
途中からは飽和状態な感じでイチャラブに悪い意味で慣れてしまいました。
ピーク的には付き合う直前辺りから付き合い始めたばかりの頃、主人公を意識して変わっていく彼女と
告白の場面、そして付き合い始めてから大胆だったり意外と甘えん坊なところとかが分かっていくあたり。
そのあたりはプレイしていて本当に楽しかったです。
事前に山とか谷とかないのは分かっていたけど、もうちょっと後半で新鮮味を感じるイベントが欲しかったと感じました。
確かにヒロインが可愛いとは毎度思うのですが、後半は本当にそれだけになってしまったように見えます。
最後も「あ、こりゃ終わりかなー」と思ったところで終わっちゃうし。
起伏のないシナリオならそれを飽きさせない何か、このゲームのコンセプトだったら
こちらを毎回悶えさせてくれるようなイチャラブ、バカップルぶりがあればなお良かった。
「知り合えたことは運が良かったからとしか言えないけど、近づくために何かしなければと思ったことは確かだ。」
主人公のセリフですが、個人的に主人公はこうあって欲しいですね。
美少女と知り合うのはエロゲだからご都合でもしょうがない、そこを否定したら成り立たないですしね。
だからとって何もせずに周囲から好かれていくのは頂けません。
ヒロインと親密になるために教室に行ってお昼に誘ったり、バイトへ一緒に行こうと誘う、
そういう努力があった末の結果なればこそ自分も主人公を認められ、ヒロインと付き合う展開を純粋に楽しむことができます。
あくまで、個人的にですが。
一ノ瀬 結(4h)
幼馴染というだけあって会話はテンポが良く進みますし、付き合いだした後はデレデレになったり
四六時中主人公にベタベタして甘えてくるのが本当に可愛い。
誰もいない教室で主人公の運動着の匂いを嗅ぎながら、同じく主人公の椅子に座ってオナニーしてたのがツボに嵌りました。
あと幼馴染だから仲は良い方だけど常に一緒というわけではなく普通に一緒にいないことも割と多いという独特の空気感が、
付き合いだしたら常に密着する方向に振り切れるのが見ていて楽しい。
しかしながら前回攻略の奏絵でもそうでしたが、付き合う直前から付き合い始めたころ(だいたいエッチ2回目あたり?)
までがピークだなぁと。不満点は一緒です。
イチャラブにバリエーションが無いのか分かりませんが、段々見たことのあるシーンが続いているような気になる。
円城 みなも(4h)
共通での彼女がお姉さんキャラであらあらうふふといった感じなので、付き合った後にどうなるか期待してましたが
バイト以外では割と驚いたり普通にするキャラで、付き合い始めるとかなり子供っぽくなる。
主人公の突然の(好意を伝える)言動に驚いたり固まったりして、そのあとズルいとか言って拗ねるのが可愛い。
ストーリーについて、このヒロインのシナリオは妹がサブのメインといった感じになってる。
というか、これまでの2人の場合にはあれだけ好意を伝えていた妹があっさり引き過ぎな感があった。
おそらく付き合うまで二人の距離が近づいていく様子を描いていた奏絵、
生まれてから今までずっと一緒だった幼馴染という土台がある結衣と比べ、
みなもと付き合い始めるタイミングはプレイヤー側からしても本当に突然だった為だと思う。
前準備もなく気持ちの整理がつけられないまま恋人ができ兄が取られるという恐怖から調子を崩してしまう妹と、
それを温かく包むようなみなもとの関係は非常に噛み合っていて微笑ましかった。そのかわり主人公の影が薄いけど。
みなものシナリオは最後までダレずに読み進められました。
音無 櫛無(5h)
共通のマシンガントークぶりはルートに入ってからも変わらず、本当に最初から最後までハイテンションぶっちぎりでした。
悪く言えば喧しくてウザいキャラになりがちですが、ハイテンションで突き抜けつつも他人を思いやれる思慮深い性格だったり、
ゲーム中で主人公も言ってましたが声が耳に心地よくて、全然苦にならないどころかいつまでも聞いていたくなるようでした。
途中で疑似妹にもなって「お兄ちゃん」と呼ばれるのがまたツボに入りニヤついたり。
シナリオが無いことをキャラが完全にカバーしている、むしろこれなら上回っており
シナリオが必要ないキャラゲーとして素晴らしい完成度でした。
あと、風呂場エッチの際にリボンをほどいているのがすごく好き。
後にも先にもあそこだけで、髪型変更機能ないのかと残念な気持ちに。
マシンガントークで主人公や周囲を引っ掻き回しながらも、いじられキャラでノリ突っ込みできたり、妹キャラになったり、
恋人としても楽しめる、個人的には大ヒットなキャラでした。
双見 伊織(3.5h)
趣味と兄のこと以外にはダウナーな実妹。
ダウナー、実妹ということで、作品の雰囲気的にどうかと不安になってましたが、
そんなことは全く杞憂で実妹との背徳やら葛藤なんて1クリックも出てきませんでした。
あ、エピローグでやっとふれてましたね。
口数が少ないもんだからルート内でも他ヒロインの出番が多い気がしました。
会話も基本趣味以外は受け身が主体な分盛り上がりに欠ける点は若干ありましたが、
ただその分「・・・うん」や「兄さん」等の一言でも場面によって言い方、ニュアンスが
変わっていたり、少ない言葉でどれだけ気持ちを伝えられるかを声優さんが頑張っているように感じられました。
シスコンな主人公に育てられたせいで傍から見ると怠惰で甘ったれな妹にしか見えないんですが、
それでも主人公へ一心に向けられる愛情は確かだし、猫がじゃれるように甘えてくるのが可愛くて許せるんだよなぁ。
結論
シナリオと呼べるものは基本的に無いのでキャラが気に入ったらプレイすればいいと思います。
キャラ一人あたりの時間もそう長くないので、時間のない人でもサクッとプレイできるかと。
各キャラで不満点書いていますがそれは個人的に自分が「こうだったらいいのになぁ」と思っただけで、
不満というよりは改善に近いです。キャラが気に入れば可愛さは間違いないので些細なこと・・・だと思います。
むしろそんなことどうでもよくなるくらい櫛無が素晴らしいキャラだったので、
櫛無ルートだけでプレイする価値が半分は有ると思います。
キャラ
櫛無>>>>>>みなも=結>奏絵=伊織
基本どの娘も個性があって可愛いんですが、とりわけ櫛無はお気に入りです。
シナリオ
みなも>櫛無=結=奏絵=伊織
みなも以外はシナリオと呼べるようなものは無いと思う。そのみなもでもあっさり目。
最後に気になったこと
・櫛無の部屋でみんな集まってのCG、結衣の体勢って左手不自然?
なんかわざと胸を強調しているようにしか見えん。あと疲れそう。
・みなもとのHシーンだけ主人公が「ああっ・・・」とか良く口に出してなんか他と違和感が。