ここには意味も無く暴力を振るうヒロインは存在しない
人々に水の恵みをもたらす大樹・スプリングスノー。その大樹に感謝を捧げるアルガロ・デ・モンド祭の夜に、妖精を探しに大樹のある森へ出かけた主人公が、キャロラインの舞踊に見惚れ、彼女の影響を受けて聖ベルティナ学院へと編入する。そこで主人公は新たな出会い、そして従姉妹との再会を果たす。そんな学園生活を通して主人公が彼女達と恋人になって支えたり、自分の将来について考えたりする。そんなお話。
以下主観を交えたチェックポイントなど
・キャラ萌え特化ですので、シナリオには期待しないこと。むしろ起伏の無いシナリオが、ゲーム全体を暖かい雰囲気にしている。
・ツンデレと称して意味不明な暴力を振るうヒロインがいない。(これ重要)
・キャラクターに外れが存在しない。(個人的な感想)
・各ヒロインにはエンディング曲が用意
・不快なキャラクターは皆無
・個別は2~3時間もあれば終了する
・Hシーンは各ヒロイン3回、そしてキャロラインに1回
・恋人になる直前にはヒロイン視点有り
・個別のバカップルぶりは凄いです
・個別に入っても他のヒロインやサブキャラがちゃんと絡んでくる
エルス
堂々のメインヒロイン。笑顔が可愛いです。シナリオですが、他のヒロインとはちょっと違って、舞踊に関連して姉であるキャロラインと妖精のことで少し重い雰囲気になることがありました。基本個別シナリオでは山無し谷無しなのですが、さすが(?)メインヒロインだからか、シナリオに力が入れられているような気がしました。まぁとは言ってもだいたいはエルスに萌えるシナリオですのでエルス可愛いー!な感じで宜しいかと。
そしてこれはヒロイン全員に言えるのですが、舞踊やっているCGはどれもヒロインの魅力が出ている感じがしますね。生き生きしているようです。エルスとリアには3枚ほどCGが用意されているのですが、銀、カスミには1枚しかなくて残念です。エルスの舞踊(厳密には違うかも)の笑顔はリアと並んで素敵でした。
リア
いつも元気で主人公と楽しい掛け合いをしてくれる、このゲームではグイグイ引っ張っていくキャラが彼女だけなので印象に残りやすいですかね。シナリオは山も無く谷も無く。恋人同士になる直前で少しシリアスな雰囲気でしたけど、悪い空気ではなくてリアが自分のこれからに迷い、葛藤する感じでしたので暗くはならないです。
そして恋人同士になったらあとはひたすらイチャイチャ、むしろこれが本命ってところです。共通では騒がしいキャラだった彼女、個別になっても騒がしいのは変わらずですが、どこにいたってもう主人公スキスキって行動をしてくれるのが見ていて非常に可愛いです。主人公もリアも、周囲関係なしに(若干主人公は言葉では気にしたりしますが)お互いどこでも(友達の前ですら)本音で言い合っている、「好きになってよかった」とか「これからもずっと一緒に傍にいよう」とか言っちゃいますから見てるこっちが恥ずかしいときもあります。まさしくバカップルに相応しいです。キャラ萌えゲーとして最高の内容でした。個別入ったらゆっくりでも2時間ほどで終わるのでもうちょっと長くても良かったかなぁ、とは思いますが、逆に長くなると無駄に起伏でも入れなくちゃならなくなると思うのでこのくらいが丁度良かったのかも。
銀
共通ルートの彼女は大人と思われたい背伸びした子供のようでした。恋人になる段階で自分が子供であったことを自覚、そこからどんどん可愛さが増していきます。銀の行動からは主人公に愛されたい、そして主人公のことを愛したいという気持ちがすごく伝わってきて、それが自分ではどうすればいいのか分からない、だから必死になって考え、友達に相談したりしながら色んなことを新しく覚えて大人になっていきます。それが凄く健気で、見守っていたいという気持ちにさせてくれます。勿論そんな大人になっていく銀もいれば、主人公の前ではまさしく猫のように擦り寄ってきたり甘えてくれるのでユナハ先生が鼻血を出すのも分かるような。
実は共通ルートではあまり攻略に乗り気じゃなかったんですよね、なんか声に抑揚が無い感じで聞いてて飽きてくるようで。でも個別にはやられましたねー。もちろん山場谷場なんてないのですが、両親との話で丘程度の山はあります。ただ、銀の両親がCGでは出てきたのに立ち絵がないのは残念でしたね。あれだけ銀のシナリオで絡んで、エピローグでも出てきてたのに、主人公と銀の両親の会話も一切無かったですし。そういうヒロインやサブキャラ以外は無視したところがこのルートだけでなく、作品全体に感じられました。おそらくそういう妙に騒がしくする外野キャラなんかを排除してゲーム中の雰囲気を守ることを徹底したのだと思います。でも両親は出しても良かったかな。
カスミ
従姉妹で気心の知れた関係、でも実際は10年間もずっと主人公のことを一途に思ってきたお姉ちゃんです。ベルティナということで優等生であることや、姉という立場的なことから恋人同士になっても皆の前ではきちっとしているんだけど、主人公との関係をからかわれると途端にわたわたしたり、誰も見ていないと甘えてくるのはテンプレですけどやっぱいいですね。
あと、彼女のシナリオだけは主人公の将来のことがメインになっていたのも良かったです。彼女以外のルートでは主人公って夢に向かうヒロインを支える立場ですので、主人公が将来について悩み、カスミがそれを応援してくれるのはとてもいいなぁと思いました。勿論子供のころ一緒に過ごしたカスミだからこそなんでしょうけれどね。
EXTRA1-3
基本選択肢でシナリオは変わりますが、エンドは全て同じです。キャロラインに会うのをやめてエルスに会わせてあげるか、キャロライン会いに行ってキャロラインに対する答えを恋人か、それとも妖精かと答えるかで変わります。
ちなみに恋人だとキャロラインとのHがあります。ただ、主人公が長年探し続けた答えですので、ここは妖精という選択のほうがしっくりくる気もしますが。
シナリオでは各ヒロインに加えてステッチさんの視点が入る形で、祭りを楽しんでいきます。なお各ヒロインの主人公への好感度はMAXです。もともと初期値からして高いですけどね。時間は全部で1時間もかかりません。本当にオマケですね。ただ、全ルートクリアしてこれでおしまいかー、もうこの雰囲気を味わえないのは残念だなと思っていたのでちょっとみんなでワイワイやるシナリオだけでも満足です。
総括
基本的にシナリオを求めている人は絶対にスルーしたほうがいいです。仲間との暖かい雰囲気、起伏が無いけど穏やかなストーリーが好きな方には非常にオススメできるかと。暴力を振るうツンデレもいませんし、ヒロインは皆かわいいですしね。にしてもサブキャラもホントいいキャラでした。バビィさん、ステッチさん、ユナハ先生、京司とかすごくいいキャラでしたね。ステッチさんはもう京司の嫁で良いとして、ユナハ先生はヒロインにしてもらいたいと思うくらいでした。銀に対する情熱っぷりには怖いものがありますが、本当に大事なことにはきちんとヒロインや主人公を導いてくれますしね。ほんと、銀への異常な愛が無ければ非常に良い人です。ただ銀一筋のユナハさんが主人公に恋をするなんて見てみたかったなぁ。バビィさんはぜひ家のペットにどうぞきてください。「うむ!」
ただプレイしていて思ったのは、自分ももう歳をとってしまったからでしょうか、こうやって夢に向かって打ち込んだり、仲間とワイワイやっているのをみると、自分にはもうこんな生活ないんだろうなぁとしみじみするというか、画面越しの彼女達が眩しく感じました。非常におっさん臭いですね。
それではこれにて、
大自然の愛に感謝を、人の未来に祝福を