スーパー妹タイムに撃沈
■緒言
学業成績及び内申のワーストセブンに選ばれた主人公が、同じくセブンに選ばれた仲間とともにスズノネトライアルという合宿に参加、自らに与えられた課題をクリアしようという話。合宿という形式上全てのキャラが一緒の生活なので個性的なキャラとの日常の掛け合いは面白い。また、各々に与えられた課題が個別のテーマとなるので、ルートごとで完全に異なる展開となっている。
しかし、このゲームはキャラゲーであるからして、シナリオには驚きの展開やインパクトのある場面などはない。その分キャラの魅力は十分に伝わってきた。
台詞の最中でもキャラがちょこちょこ動いたり表情が変化したりする演出とか、「・・・」とかの台詞でも小声でちゃんと何か言ってるのは細かいとこまでよくできていると思う。
■主人公 城戸 幸村
空気が読める、落ち着いている、頭が切れる万能主人公。欠点らしい欠点は無いといっても過言ではない。きちんと物事を見据えて考え行動するため、ミスをすることは殆どなく、プレイヤー側としては安心してプレイできる。熱い、又はバカキャラのような主人公とは真逆、無個性とも言えるかもしれないが個人的にはこの安定感があって決めるときに決めてくれる主人公は良かった。
作られた問題を、製作者の意図を無視して脇道から答えを出すタイプ
桃子さんがこう言っていましたが、まさにその通りだと思った。他の人には考え付かない発想によって問題を切り抜ける感じ。
■鷹取 柚子里
しっかり者の先輩です。かなり個性的なスズノネセブンの中で真面目な彼女は埋没してしまうのではと思いましたが、逆に真面目なキャラが個性となっていました。そういえば最近やったゲームでこういうしっかり者キャラの先輩ってなかなか見ないかも。
自分が主人公に好意を持っていると気づいてからの彼女はかなり可愛いです。柚子里サイドという形で、授業中ですら主人公のことを考えている彼女はもうニヤニヤしっぱなしです。ヒロイン視点の使い方がうまく柚子里の魅力を引き出すのに役立っていると感じました。
そして主人公のこと好き好きって身悶えてるのがバレバレなのに、自分では完璧に隠し通しているつもりの柚子里を見るのが大好きな莉里先輩。うん、その気持ちマジで分かるわ。
シナリオは魔法少女活動がメインで、その途中で二人とも課題を達成する。このルートでの主人公の課題達成は実際に魔法を使っているのが印象に残った。
■代官山 すみれ
妹のような娘のような後輩。共通やルート外だと小悪魔のような性格をしていますが、付き合ってからの彼女のデレ具合は非常に可愛らしかった。
すみれの課題は中盤で解決するので、それ以降はイチャラブが多めなのも良い。
ただ主人公の課題クリアの方法は肩すかし、というよりあれ、こんなくだらないことで?という感じだった。主人公、ヒロインの課題を中盤で解決したら残りをどうするかっていう問題が残るためあのような形になってしまったのだろうが、さすがに酷かった。結局学園長脅して解決って・・・課題解決を先延ばしにしてその終わり方ならあの時点で合格にさせてあとは只管イチャラブを楽しみたかった。そこが残念。
肩車、ツイスターゲーム、ワルツなどすみれの魅力が発揮されるイベントも多く、萌えゲーとしてはトップレベルのルートだったと思う。
ちなみに、スーパー妹タイム・・・最高だった。
■三峰 美奈都
おバカな親友。
このルートの主人公は柚子里、すみれのルート以上に主人公が大人で、むしろ老成している感じだった。でも美奈都の直線的な性格との比較としては面白かった。
■野々村 仁乃
ドジっ子キャラ、という個性を引っ提げていたのはいいが・・・他キャラの突出した個性っぷりに埋没した感がある。なんとなく共通でも空気だったのが悲しい現実。
■結論
キャラゲーとしてはトップレベルである。特に自分はすみれと柚子里を強く推したい。各キャラにおける文章量を見て分かると思いますが、この二人のルートは非常に楽しめました。主人公のキャラによるものも大きいですが、驚くような展開や感動のシーンなんてのはありません。それよりもキャラ萌えを重視していますので、気に入ったキャラがいればやるという感じで良いと思う。
この世界って結局サイレンスかけられれば勝てるんじゃね?とか思ってしまった。それとも対抗手段とかあるのかな。