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NiccolumさんのW.L.O.世界恋愛機構 未来のために、いま恋をしよう。の長文感想

ユーザー
Niccolum
ゲーム
W.L.O.世界恋愛機構 未来のために、いま恋をしよう。
ブランド
あかべぇそふとつぅ
得点
80
参照数
796

一言コメント

未来のために、いま恋をしろよ。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

WLOの理念云々は関係なく、18禁であって欲しいゲーム



WLOの仕事ってのはこのゲームを楽しむ上で一番の関門ではないかと思います。もはや恋愛のお世話ではなくおせっかいというか、押し付けレベルにまで達していますので。

つうか誰かの恋愛を強制させる割には自分らが恋愛してないというかね。それこそ組織メンバーで顔のいい女がいれば、そこら辺の男とか、むしろ組織内でセックスを強制させれば人なんて増えていくんじゃないですかね。

WLOが世間から秘匿されているというのは、やっていることが人権侵害そのものなので表沙汰にされると困るって線が濃厚な気がする。

序盤の主人公もアレでしたが、蛍もどっこいどっこいな気がします。むしろお前に恋愛があーだこーだ言われたくねぇ!みたいな。

実際に恋愛してない人間が「恋愛って楽しいよね!?」なんていうのは一体どんな冗談だよって感じだし。「恋愛って楽しいよね!?だから(自分はしないけれど)お前やってみなよ!」って言っているようなものですし。

もうこの組織デリフレにでもすればいいよ。

※デリバリーフレンド(デリフレ)
組織から恋愛させる対象に合うような人間を選別し、ある期間を彼女として過ごさせる。もちろん彼女なのでHも必ずすること。期間内に、組織の人間は相手の恋愛下手なところをデートなどしながら矯正していく。期間終了後は対象の人間の自主性に任せる。

こんな感じでいいんじゃない?

女性が砦を一度も突破されていない(処女である)ことは貴重であるが、一度もその砦を突破することが出来ない(童貞な)男はダメなのですよ。




以下本当に感想





「あなたが嫌われているかどうかは、あなたが決める事じゃないの!」
「あなたの勝手な劣等感を、相手に押し付けないで」

これは昔の自分にも少しあるかなぁとか思って聞いてました。自分の短所を脳内で羅列しながら相手が自分のこういうところを嫌っているんじゃないか?とか勝手な被害妄想を浮かべて躊躇ったり、会話をしたと思ったら今度はあの時あんな返事じゃなくてこう言えば良かったかなぁとか自己嫌悪したりするんですよね。

サラサ、アリサ
シナリオはサラサの病気に関することを主軸として扱っています。辛い病気の中でも懸命に生きようとする、そんな姿が印象的でした。妹のために頑張る姉と、それを「犠牲」と考えてしまう妹、どちらも決して間違っている訳ではないというのが難しいというか、もどかしかったですね。問題が問題なだけに、WLOで鍛えられた黒田君でもやっぱり至らないところとかあったのですが、それでも怒り心頭のアリサに言い返したり、サラサに対する気遣いができるってのは成長したなぁと思います。

エピローグ最初は明らかにサラサ死亡へのミスリードを狙ってましたね、まぁ病気を考えればありえないことじゃないので騙されましたが、いや生きてて良かったです。

実際現実において、「あうあう」とか言う人なんて皆無なのでゲームでそういうの見ると気持ち悪いなとか思ったりするんですけれど、サラサなら可愛いから気にならない不思議。

王子様に憧れるような夢見る少女であり、一本芯の通った強さを持っていたり、それでもやっぱりいつもそんなふうにはできずに好きな人の胸で泣いてしまう、サラサの可愛さ、強さ、弱さを見れるシナリオでした。


強気の女性がとあることをきっかけに主人公にベタ惚れになるってのは使い古されている気がしますがやはりいいものはいいですね。アリサルートはまさにそれでした。黒田もカッコいいとこ見せますし長すぎるのはアレですけれど、アリサをみてニヤニヤしてる時間がたっぷりあったと考えればいいかなー。

「俺がアリサを好きなのは、感情だけだからな。アリサを好きな理由なんて、きっと言葉にできない」


「アンタが触れてくれなきゃ、この身体に価値なんてないんだから」

ちなみに蛍がサラサに進めていた本、「融雪」と「萌芽」って思いっきりサラサの個別ルートタイトルですよね。それであと五冊あるっていってたので、彼女の個別の残り話数も五話であることを考えると・・・。


実はサラサ、アリサルート以外まだやってません。時間があれば他のルートについても感想を書きたいと思います。