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Niccolumさんのプリマ☆ステラの長文感想

ユーザー
Niccolum
ゲーム
プリマ☆ステラ
ブランド
アトリエかぐや
得点
80
参照数
2319

一言コメント

エロいゲームのお手本。魅力的なキャラ(主人公含む)、その魅力を上げるそこそこのシナリオ、そしてエロの三拍子

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

■緒言
主人公がある事情から、水泳の練習として設備の整っているエトワール女学院へ行くところから始まります。全8章で、5章までが共通、残りが個別になります。1,2章では主に女学院の日常的な話が展開され、3章で静歌、4章で久住、5章で巴、雅に関係する出来事が起こり、その出来事を通して貞操観念の低いヒロインとの仲を深めていきます。深めすぎてそれぞれの章でヒロインの処女を貰ってしまいますが、そこはかぐやだからということで。


■主人公 榊 晃輔
共通で全員の処女を奪ってしまいますが、それも仕方ないと思えるようなカッコイイ男です。水泳に真剣に取り組んでいますし、決める所でビシッと決めてくれ、日常の会話でも相手の気持ちを考えたりでき、頼りがいのあるキャラなので、殆どの人は気に入ると思う。一番は3章での静歌が倒れた時らへんからかな。あのシーンは本当にかっこいい。


■日秀 巴
健気に慕ってくれる後輩キャラ。いいなぁ。共通での素股の後の彼女の甘えっぷりも保護欲そそられる感じでグッドでした。

基本スポ魂モノみたいなので個別に入ってイチャラブが多かったかといわれるとそれほどイチャイチャしてなかったかなぁという印象、いやエロは多かったですよ?だから余計に巴がふぇぇ、とかにゃぁとか言ってくっ付いてくるのには完璧にヤラレタ。巴かわいいよ巴。小動物みたいですよね。

シナリオはテニス一色。過去の試合でトラウマを持ち、共通でラケットを握り試合ができるようになった巴が、今度はトラウマを植え付けた因縁の相手と試合をするストーリー。


「ただ失ったものを取り戻すだけでなく、新たに大切だと思える何かに出会ってもらえることは教師の喜びです」
「人は2つのことを同時に追えるものではありません、それが大切であればあるほど」

美雪先生の言葉ですが、これが結末を示唆していたような気がします。
結局主人公の一番星(プリマステラ)は巴だったってことでエピローグでは水泳を完全にやめます。あれだけずっと水泳で世界一を取るって言ってたのに・・・とも思いましたがこんな終わり方もありなのかな。

正直このルートは巴が主人公で良い気がした。


「戦ってるさ。俺にとっても、戦いだ」 怪我をしていながらもテニスの試合を続ける巴を見る晃輔


■高鷲 雅
ハムの人。カッコイイお嬢様です。凛々しいんだけど主人公の前だとデレデレしたり嫉妬したりします。

物語はタレントのヒロインに良くあるストーリーです。芸能界か主人公との生活で迷います。けれど、それは最初から決まっていました。美雪先生に映画を取って主人公を捨てろと言われたときに激昂したように。雅ってホントに強いなって感じますよね。

ってか結局水泳の試合はシーン無いし、これも雅が主人公みたいだったな。


「私は夢を諦めるんじゃない、新しく見つけた、もっと大きな夢に進みたいの」
「隣・・・歩かせてもらってもいいかしら?」      映画記者会見でカメラの向こうの主人公へ向かって
   

■東方院 静歌
「たった一人でもいい、どんなときでも理屈抜きで俺の支えになってくれ」
主人公のこの言葉と、共通での出演具合からメインはこのキャラだろうなぁと思っていましたが。

母親に主人公は静歌との事を現実的にしっかり考えているのだから、
静歌も将来のことをしっかり考えなさいと言われ、

主人公を失いたくない→心をつかんで自分以外見えなくしないと(Hで)

なんかもう思考があぶないですねー

ならばHだ→主人公たまたま女子と話してた→もっとHだ!

主人公のもっと俺を信頼して、の言葉を曲解して
私って彼の事全然信頼してなかった。もう彼と一緒にはいられない!

なんというネガティブスパイラル

まぁ海先輩の活躍で結局丸く収まりましたとさ。終わりよければ全て良しみたいな強引さを感じた。色々残念な静歌さんだった。

エピローグの彼女の変わりようは一体なんだ。

200M自由形で2:01って、俺も水泳やってたけど速いなぁ。

つか海先輩が雅、静歌、巴ルートで特にいい仕事しすぎだよ。こんな先輩いたら最高だったなぁ。こんなに後輩のこと考えてくれる先輩ってなかなかいないよ。

■苧島 久住
初登場時から何か嫌な予感はあったんですが、残念ながらちょっと自分には合わないキャラでした。主に共通でのダメッぷりが酷すぎて。会長の権限を私的に使ってたり、事あるごとに喚いて抱きつくのも何というか会長としてどうなのだろうか。4章のシナリオもまた彼女の魅力を下げていたと個人的には思います。3章は主人公が最後バシッと決めてくれて爽快に終われたんですけど、4章は確かに主人公も出来ることはきっちり決めた感じでしたけど、風紀委員が捏造の情報流して文書偽造までして主人公を追い出そうとしたのに罰が一か月掃除って、なんだそりゃ?会長盲信するのはいいけど風紀を守る委員が自ら風紀を乱すなって。普通委員会除籍くらい当然じゃないかな。その辺モヤモヤしてこの章ですっきり出来なかったのが大きく響きました。そんなくすねぇを子供みたいで可愛いなと取るか、我が儘なお子様と取るかはプレイヤー次第・・・かな。

ストーリーは、なんかいきなり買収の話とか出てきて「はっ?」って感じがしたけど、追いつめられた久住が良い感じの低レベル小悪党の俊司について行きそうになったところを、主人公が乱入してまぁ殴ったり撃たれたりしたけど無事解決。
でも最後のエトワールの皆が駆け付ける所はグッときたかな。

エピローグでエロがあったのって久住だけ?


「・・・金銭が全てではありませんが、時にはそれが、誰かの大切なモノを守るのも、また事実」
「その時我々『持つもの』は葛藤や欲を捨ててこそ、真の意味で豊かなる者でいられるのです。」   小早川美雪、苧島書店グループの買収を俊司に伝える
 


■小早川 美雪,桐島 悠
秘密の小箱で攻略可能です。ただ悠はストーリーが1つしかないので短いです。逆に美雪は6つ用意されており、性欲処理の関係から恋人同士、夫婦になります。美雪先生本編の尺で攻略したかったなぁ。

■結論
立ち絵のある女性キャラ全てにHシーンがあるというかゆい所に手が届く親切設計。個人的には雅と巴が当たりで、他のキャラも気に入れば、主人公は決める所でちゃんとやってくれるし、普段の言動も優しく、頼りがいがあるので楽しめると思う。ただ静歌のネガティブスパイラルは正直キャラの魅力を激減させてしまったと感じる。エロゲーという正にエロいゲームとしてお手本のようなキャラの魅力、それなりのシナリオがあり、かぐやってエロだけでしょ?と思われる方はぜひやって欲しい。ただ共通ルートですでにヒロイン全員の処女を奪うので、そこら辺気になる方は少し考えた方がいいかと。